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凡人が才能に目覚め異世界を征したそうです  作者: オメガω
1章 修行編
7/7

6話 常識外れの魔法 (3)

長らくお待たせしました。

更新が遅れて申し訳ないです…。


色々忙しくて、、、

というのは言い訳で少しサボり気味になってました。


ミミズの姿をした魔物が俺に迫ってくる。

近くで見れば見るほど気持ち悪い姿だ。


学校で襲われた時のトラウマが蘇る。

目がトンボ、手にはカマキリのような2本の鎌、胴体はムカデの姿をした魔物の姿が走馬灯のように浮かび、身体中に震えが走る。


気づいたら魔物は目の前にまで迫っていた。魔物の吐く息が臭い。


余りの恐怖に逃げようという気にもならない。死を覚悟し目を閉じる。これで何度目だろうか…。


その時、俺と魔物の間に誰かが立つの気配がした。


「トール君は私が守るんだからー」


この声は、シーナっっ。

目を開くとシーナが俺を守るように両手を横に広げ立っていた。二人の足元に魔方陣が展開。


魔法陣が光輝き、バリアが生まれる。

魔物は俺達に飛びかかるが俺達はバリアに守られ助かる……。

しかし、世の中はそんなに甘くなかった。


魔方陣が光輝くことはなくバリアは生まれない。

ヒューマやライラの大規模な魔法により、周囲のマナが枯渇していたのだ。


「どうして、、、魔法が使えない…。」


シーナのそんな呟きが聞こえた気がする。


魔物がシーナに飛びかかった。


えっ……。


世界が止まる。時間が進むのが遅く感じる。シーナが後ろにゆっくりと倒れてる。シーナの右腕が回転しながら地面に落ちる。


ドサッ


「シーナ……」


シーナの右肩から横腹まで消え失せていた。右腕が近くの地面に落ちている。


魔物が再び食らいつこうと飛びかかる。


「よくもよくもシーナを!!」


怒りに身を任せ、魔物に向かって拳を突き出す。やはり、魔方陣は展開しなかったが魔法は生まれた。

衝撃波で魔物が爆散。血肉が辺りに飛び散りシーナと俺の体に大量に降りかかる。


「シーナ、シーナ、目を覚ましてくれ!死ないでくれっっ」


シーナの腹からは大量の血が流れ出ている。その血が地面に溜まり池をつくる。医学に関して素人の俺が見てもシーナが危険な状態だとわかる。


血の匂いを嗅ぎつけたのか、近くにいた魔物がこちらに向かってきた。その魔物を腕の一振りで吹き飛ばす。


「だ、だれかーー!!!!助けてくれ。シーナが、シーナが…。」


大声で泣き叫ぶ。こんなのあんまりだ。


シーナは俺なんかより比べ物にならないほど魔物に恐怖を抱いているはずだ。だって、目の前でクラスメイトが殺されるのを見たのだから。

それなのに、俺を守ろうと飛び出した…。


遠くにバルハラの姿が見えた。


「バルハラぁーーーーー」


大声でバルハラを呼ぶ。だが、銃の鳴り響く戦場で声が届かない。それでも諦めずに呼び続けた。


何度目だろうか、やっとバルハラが振り向いた。

バルハラがこちらの状況に気づいたようで、こちらに向かって急いで駆けつけてくる。


「どうした!!!?」


「シーナが俺を助けようとして、それで、それで…」


バルハラは、シーナの首に手をあて息を確かめる。


「まだ息がある。離れなさい!!」


バルハラが黒い石を手に握りシーナの体の下に魔方陣を展開させた。

魔方陣が光輝きシーナの体から流れ出る大量の血を止め、肉を再生させていく。


その間、俺はただただ祈り続けた。


「ふぅ。なんとか助かったか…。」


治療が終わったシーナの体は服を除いて元通りになっていた。吹き飛んだ右手までもが再生していた。安堵と共に魔法の凄さに改めて関心させられる。


「今はショックで気を失っているが、もう直に目を覚ますだろう。病院に行く必要もなさそうだ。」


しかし、バルハラが治療士(ヒーラー)だったとは…。少し、いやかなり意外だった。


「バルハラ、シーナを助けてくれて本当にありがとう。」


「いや、君達を二人で行かせた私の不徳の致すところだ…。

君は、本当に彼女のことが好きなんだね。」


「そ、そんなわけないだろっ

ただの幼馴染みだよ。」


「元じゃあなかったのかな?」


からかうように笑ってくる。

君のことはお見通しといった目が憎たらしい。


「さて、そろそろこの戦いにも決着がつく頃だろう。」


ゲートが光る。武器を持った黒いパワードスーツを着た兵士がどんどん現れる。

パワードスーツを着ていない人、おそらく魔法使いだと思われる者も5人ほどいた。


兵士達は次々と近くにいる魔物達を囲み発砲する。そして、ズタズタになった魔物を魔法使い達が魔法で止めを刺していく。


応援が来てから10分もかからず戦いの決着はついた。陣地には至るところに同じ姿・形の魔物の死骸が転がっている。

辺りにはゴムの焼ける臭いが充満している。

死の匂いが漂っていた。



◆ ◆ ◆



魔物襲撃から3時間ほどが経ち、ようやく後始末が終わった。後始末というのは、要するに死骸の除去と死んだ兵士の埋葬だ。


後日談だが、普段この陣地には5人の魔法使いが常にいる状態だそうだ。しかし、今回ミュー本部近くにゲートが開き魔物が現れたことで急遽きゅうきょ駆けつけることとなった。そのため、魔物の襲撃に直ぐに対応出来なかった。


結果として13人の尊い命を亡くすこととなった。埋葬は元の世界のミュー内部にある共同墓地で行われた。


夕日が茜色に空を薄塗りしていた。この世界ゼータも現実世界と時間の進み方や1日の長さといったことは変わらないそうだ。


「やっと一息つける。」


思えば今日一日今までの人生で一番濃い時間を過ごした気がする。魔法使ったり、空飛んだり、銃で撃ち殺されそうになったり、魔物に食われそうになったり…


そう回想しながら割り当てられたテントに入った。中は思っていたよりずっと広かった。カーテンのような物で区切られている。


ん?ふと、カーテンの奥から人の気配を感じた。


誰かいるのかと思い奥のカーテンをめくると、、


そこには、ブラジャーのホックを外している最中のシーナの後ろ姿が…


カーテンをめくったことで振り向くシーナ。二人の目があう。


―――思考停止―――


数秒の沈黙……。

瞬き一つせず固まる。


「えーと。あんまり見られると恥ずかしいんだけど…。」


―――思考再開―――


「ゴ、ゴメンなさぁーーーーい!!!」


俺はそう叫ぶとすぐさまテントから飛び出て退散する。さっきの光景が(ひとみ)の裏に焼き付いて離れない。


ブラを外しているのにも関わらず凛として形を保ったままの胸に、真っ白な肌…。それに、あの大きさ…。おそらくDいや、Eはあるだろう。


向こうからバルハラが近づいて来た。


「バルハラぁぁぁぁー

なんで俺のテントにシーナがいるんだよ!!」


「あぁ、すまないね。伝え忘れていたよ。

何かあったのかな?」


「何かあっただとぉーー大ありだよっ!!

もうシーナと顔合わせられない……。」


こっちが真剣に悩んでいるというのにバルハラの野郎は笑っていやがった。


「魔物にテントがいくつか破壊されてだな。

現状、テントが足りない状況なんだ。それで君と静奈君は同じテントになったってわけだよ。」


「いや、それで納得できるかよっ普通、男女同じテントになんかするかよ!!」


「静奈君と一緒の方が嬉しいかな、と思って。君への御褒美のようなものだよ。」


「まー御褒美にはなったが…。って、シーナの人権完全無視だなっ」


「静奈君にはちゃんと許可を得ているよ?」


そこんとこ抜かりのないバルハラであった。


「そ、そうなのか…。」


ちょっと照れる俺。


「そう言えばもう一つ君に伝えることがあった。君には、しばらくここで過ごしてもらうことにした。」


魔法を使える者は極わずかしかいないため、直ぐにでも戦場に行くことになると思っていた…。


「ちょっとまてぇぃ!

その間、ずっとシーナと同じテントっていうことか?」


「いや、それはないよ。静奈君には明日の朝、現実世界に戻ってもらう。」


「どうして俺だけなんだ?」


「君もわかっていると思うが、、、君がイレギュラーな存在だからだよ。

この話の続きは、また明日の朝にしよう。君も疲れただろう、ゆっくり休むといいよ。」


確かに魔方陣なしで魔法が出たけれど……。そんなに凄いことだったのだろうか?


バルハラの言う通り身体中がくったくただったが、今テントに戻るとシーナと気まずくなること間違いないだろう。

なので、少しの間辺りをぶらぶら散歩することにした。


辺りは日がすっかり落ち、月明かりだけが唯一の明かりだった。


陣地の端、魔法の練習をした木々のあるところまで来た。雲が月にかかったのだろうか、辺りが真っ暗になった。

その時、


「やっと夜になったか…」


トオルは、突然の声に周りを見渡す。

しかし何も見えない。というか、気配すら感じられない。

空耳だろうか…。


「ここじゃよ。我が御主人様よ。」


幼い子供の声が確かに聞こえる。


「ここってどこだよ?何も見えねーぞ。」


月が再び雲から顔を現し周りが明るくなった。


そこにいたのは、周りの闇に溶け込むような黒髪にロングヘアーの幼女の姿だった。


2週間ほど更新できないと思います。

本当に忙しくて…。←サボりじゃないです。

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