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腕なし様(2)

 以前から仏壇の上に置いていた父の写真の隣に、新しく飾った母の写真を見つめる。


 柚子は線香を上げると、両手を合わせて目を閉じた。十秒ほど経ってから目を開くと、手を離して立ち上がり、荷物を持って部屋を後にした。




「終わったー!」


 ホームルームが終わるなり、柚子は大きく腕を伸ばして歓喜の声を上げた。


「これで少しは落ち着けるわね」


 椿が呟く。


「お疲れー」

「はー、疲れたー」


 勝元と沙也香が二人の元に近づいてきてそう言った。


 あれから三週間ほどが経過した。今日は中間試験最終日であり、翼の友人たちと約束していた日でもある。


 柚子はたまにつぐみの指導を受けつつ、仲間たちと共に訓練や座学をこなし、数回ごく簡単な任務にも就いていた。


 今日は二時に彼らと中央公園で待ち合わせだ。柚子はスマートフォンの画面をつけた。現在時刻は十二時過ぎ。腹も空いてきた頃だ。柚子はそのままスマートフォンの画面をタップして、あるものを探していた。


「お昼どうする? 待ち合わせまで大体二時間あるけど……」


 沙也香がそう言って、黒板の上に設置されている時計を見上げた。


「どこかで適当に食べよっかー。四方通りにでも行く?」

「ねえ私これ食べたい!」


 勝元が言い終わるや否や、柚子はスマートフォンの画面を三人に見せつけた。そこには、大量のフルーツが盛りつけられた大きなパンケーキが映っている。


「期間限定なんだって!」


 そう言ってキラキラと目を輝かせる柚子に、三人はたじろいでいる。


「美味しそうだけど……すごい量ね……」


 椿は冷や汗をかいて言った。


「お店には甘いもの以外もあるよ!」

「えっ?」


 勝元は柚子の勢いに気圧されている。


「いいんじゃない? 食べたいものがある人がいるならそれ優先で」


 沙也香が言った。柚子が「ありがと!」と言って沙也香の腕に抱きつく。


「他に希望がなければ行きたい!」


 柚子は勝元と椿の方を見て言う。二人は顔を見合わせた。


「じゃあそうしよっかー」

「そうしましょう」

「やった!」




 一同は、四方通りにあるとあるハワイアンカフェへと向かった。爽やかな外装からはお洒落な雰囲気が漂っている。思ったほど混んでおらず、一同は十五分ほど待ったところで席に案内された。内装も涼しげで可愛らしい。壁にはハワイの風景をモチーフにした写真やイラストのポスターがいくつかかけられている。


「これ、ちょっと気になるけどやっぱ多そうだな……」


 沙也香が通常メニューとは別にテーブルに置かれたポップを見て言った。先程柚子が見せた、期間限定メニューである「フルーツパンケーキ・スペシャルバージョン」が載っている。この店の人気商品、「フルーツパンケーキ」をその名の通り特別仕様にしたもので、パンケーキのサイズが大きくなるだけではなく、トッピングの数も増えている。


「もし嫌じゃなければ、半分ずつ食べるのはどうかしら」


 椿が言うと、沙也香は笑顔になった。


「うん! それでちょうどよさそう」

「柚子は……」


 椿がそう言って、柚子の方を見る。


「私は一人で行ける!」

「柚ちゃん結構食べるよね」

「うん、食べるの好きだし。勝元は? 決まった?」

「うん。俺はポキで」

「はーい、じゃあ頼むね。お願いしまーす」


 柚子は近くを歩いていた女性店員を呼ぶと、四人分のメニューを注文した。


「今更だけど、一橋くん呼んだ方がよかったかな?」


 注文を終えた柚子は、水を一口飲んでからそう言った。席に案内されてすぐに運ばれたこの水は、ほんのりレモンの味がする。


「でも仲間たちと一緒にいるんじゃないの?」


 沙也香はそう言ったが、椿はスマートフォンを取り出した。


「一応聞いてみるわ」


 椿がそう言って、翼にLINEを送る。数秒で返事が来た。


「来るって」

「一橋くん、俺たちのこと結構好きだよね」


 勝元が言う。それからしばらくして料理が運ばれてきた。


「お待たせいたしました。お先にフルーツパンケーキ・スペシャルバージョンお二つ失礼いたします」

「ありがとうございまーす」

「うわ、ほんと多いね」


 運ばれてきたメニューを見るなり、沙也香が呆れたような声で言った。


「パンケーキが見えないわね」


 椿が深刻な顔で言った。大きな皿の上には大量のイチゴやブルーベリー、バナナ、リンゴ、オレンジが盛りつけられている。それからハイビスカスの花が一輪と、更にバニラアイスが二つ。なんとも色鮮やかだ。パンケーキは二枚あるらしいのだが、フルーツに埋もれておりまったく見えない。


「美味しそー!」


 柚子は大きさに驚くこともなく、スマートフォンを構えた。


「これは映《ば》えるね」


 沙也香が、椿と協力してフルーツとパンケーキを取り分けながらそう言って笑う。


「ね! かわいー」


 柚子はそう言って、パンケーキの写真を撮った。


「これパンケーキもだいぶでかいね」

「半分にしてよかった……」


 沙也香と椿が呟いている。そこで女子たちの様子を眺めていた勝元が「先食べてていーよ」と声を上げた。


「じゃーお言葉に甘えて!」


 柚子はそう言うと、別添えで皿に置かれたホイップクリームとシロップをかけ、両手を合わせた。


「いただきまーす!」


 ナイフとフォークを手に取り、フルーツとパンケーキを思いきり頬張る。


「んー、美味しい!」


 柚子は嬉しそうに声を上げた。


「それじゃ、私たちもお先に」

「いただきます」


 沙也香と椿もパンケーキを口に運ぶ。その瞬間、二人は目を瞬いた。


「美味しい!」

「これ、パンケーキも甘くしてあるのね。美味しいわ」


 柚子たちが満足げにパンケーキを食べているうちに、勝元のポキも運ばれてきた。ポキとはハワイの料理で、マグロやアボカド、キュウリなどの上に卵の乗せた丼のようなものだ。勝元も料理に手を合わせると、ポキを食べ始めた。


「それ美味しそうだよねー」

「美味いよ。一口食べる?」


 柚子が興味深げにポキを見つめていると、勝元はにやりと笑って尋ねた。


「えっいいの?」

「あ、マジで食べる?」


 柚子の返答に勝元は少し驚きつつも続けた。


「じゃあ取っていいよ、この辺口つけてないから」

「やったー。ありがと」


 柚子はそう言うと、スプーンを手に取ってポキを一口分掬った。


「あ、美味しい!」


 二人のやりとりを見て沙也香が思いきり嫌そうな顔をしていると、急に椿が手を振った。見れば、店の入口近くに翼がいる。キョロキョロと店内を見回していた翼は、椿を見つけるとこちらにやってきた。


「この店一人で入るのハードルたけえよ!」


 翼はそう言って、ソファ席に座る椿の隣にどかっと腰かけた。


「テストお疲れ! 何か頼む?」


 柚子が聞くと、翼は首を横に振った。


「もう食ったからいいわ」

「友達と一緒にいたんじゃないの?」


 沙也香が尋ねる。翼は背もたれに寄りかかった。


「ゲーセンで時間潰してたけど適当に抜けてきた」


 そう言って、翼は椿の食べているパンケーキに視線を落とした。フルーツとパンケーキは半分ほどの量まで減っている。


「一口!」


 翼が勢いよく言うと、椿は一瞬固まってから、今しがた口に入れようとしていたフォークを無言のまま翼の目の前まで持っていった。


「お、うめえ」


 翼は口をモゴモゴさせながら言った。


「そーいえば、結局都は来ねえのな」


 翼はパンケーキを飲みこんで言う。


「そうなんだよねー」


 柚子はそう言いながらスマートフォンの画面をつけてLINEを起動した。昨夜、六人で使っているグループに涼介から「明日やっぱり無理だ」「ごめん」と連絡が来たのだ。


「ムーンアイランドとか行ってねえから、ちょっと羨ましいくらいに思ってんだけど俺」

「いや、ムーンアイランドの時も都くんは来てないよ」


 勝元が言うと、翼は目を丸くして「マジで?」と声を上げた。


「何がそんな忙しいんだ? いつも気付いたら既に帰ってるよな」


 翼の言葉に、椿が小さく溜息をついてから真面目な声で返した。


「慣れ合うのがあまり好きじゃないっていうことなら……正直その気持ちは分かるわ」


 真剣な面持ちで言う椿に、翼は笑い声を上げた。


「お前が藤原たちと仲良くしてるって知った時すげービビったぜ。嫌いなタイプだろ」

「んっ……そ、それは……」


 翼のはっきりとした言葉に、椿はちょうど飲んでいた水を吹き出しそうになるのを慌てて堪えた。


「……そんなの人の勝手でしょう」


 顔を赤くしてそれだけ返す。


「あれはねー、柚ちゃんが気合いで仲良くなりに行った感じだね」


 勝元がからかうような声音で言う。


「私も反省してるから……」


 柚子も頬を染めて申し訳なさそうに言った。


「でも一橋さん、パートナーがあんな感じだと少し不安じゃない?」


 勝元が尋ねた。椿は遠慮がちに「まあ……そうね……」と言うと、残りのパンケーキを食べることに集中し始めた。


 ちらりとスマートフォンの画面に目をやって、昨夜の涼介のメッセージを確認する。柚子のお気に入りのキャラクターが「ごめんね」と謝っているスタンプが最後に送られてきたメッセージだ。


「……」


 柚子は何とも言えない気持ちでそのスタンプを見つめた。確か、姉もこのキャラクターが好きと言っていたはずだ。このスタンプを手に入れたのはその姉のためかもしれない。だが、このグループでこのスタンプを送ってきたのは、柚子もこのスタンプを使用していると知っているからだろう。そのちょっとした遊び心からは別に嫌われているわけではないだろうと思えるのだが、普段の態度を思い出すと、やはり彼には少し取っつきにくさを感じてしまう。


 別に、誰かと必要以上に親密になるのが苦手ならばそれでいい。無理に自分たちと付き合おうとしなくていい。椿とは結果的に仲良くなれたが、そういう人もいるのだということを知った。だが、いつも就業時間が終わると何も言わずにすぐ帰ってしまう涼介を見ていると、どうしてもいい気持ちにはなれない。


「陰陽師になる以上、ある程度は慣れ合わなくちゃいけないんだけどねー」


 ポキを食べ終えた勝元が、のんびりとした口調でそんなことを言った。




 頃合いを見て店を出ると、柚子たちは中央公園へと向かった。


 中央公園は、この新陽区で最も大きな公園だ。近くには動物園や博物館があり、家族連れにも人気の場所である。遊歩道にはストリートミュージシャンなどの姿もよく見られる。


 柚子たちは、公園の中心部にある大きな池の近くで会うことになっていた。そこにはテーブル付きのベンチが備えつけられた東屋《あずまや》が複数建っている。そこで「腕なし様」のおまじないをする予定だ。


 中央公園の池へ辿りつくと、少年たちは既に一つの東屋を陣取っていた。翼に連れられて彼らの元へと向かう。


「お、来たー」

「よろしく……」


 とりあえずちゃんと挨拶をしようと柚子が口を開いたその瞬間、四人の少年たちが一気に周りに集まってきた。


「天才空手少女ちゃん久しぶり!」

「今日の髪型も可愛いねー」

「その制服猷秋? 超似合うね!」

「てかLINEやってる?」

「もうそれほんとやめてー!」


 柚子は思わず悲鳴を上げた。


「柚子です。藤原柚子。天才空手少女じゃないです!」

「ごっ、ごめんね柚子ちゃん!」


 むきになる柚子に、四人は慌てて謝った。


「光宗勝元でーす」

「天野沙也香です」

「翼の姉の椿です」

「あ……あの時はすみませんでした……」


 少年たちは気まずそうな顔をして謝った。


「もういいです。あきらさんに説教されているところを見てどうでもよくなりました」

「……」


 椿の無機質な声に、少年たちは黙りこくった。


 あの日、敦は身体の様子を診るために陰陽団基地へと連れられ、残りの不良少年たちはあきらにみっちりと説教されたと椿から話を聞いた。その時のあきらはとても真剣で、その言葉には妙に説得力があったらしい。彼らは不甲斐なさと敦の起こした事件への責任からか、多少は自分たちの素行を見直すことにしたようだった。しかし、敦が今どうしているのかは分からないという。


 四人はそれぞれ、真《まこと》、誠也《せいや》、正義《まさよし》、英雄《えいゆう》と名乗った。よりによって一体どうして不良になる選択をすることになったのかと問いたくなってしまうような名前ばかりだ。


「英雄? かっこいい名前だね」


 柚子が思わず口走ると、英雄は嬉しそうな顔をした。


「そーお? ありがとー。柚子ちゃんって名前も可愛いよー」

「今んところ言動全部名前負けしてっけどな」


 翼が無慈悲に言う。


「うるせーよ!」

「柚子ちゃん、こいつのことは『えいゆう』じゃなくて『ひでお』って呼んでいーから」

「お前それマジでやめろ!」


 正義の言葉に英雄が吠える。しかし、柚子は今までの仕返しとしてニッコリと微笑んだ。


「ひでおくんよろしくね」

「あークソー! いやでもひでおくんってちょっと可愛いな……」

「この人たち見てると光宗くんがましに見えてくるなー」

「えー、沙也香ちゃん今なんか言ったー?」

「何も言ってませーん」

「あの……『腕なし様』は……」


 椿のツッコミは、誰の耳にも届かずに空の彼方へと消えていった。


 やがて、無駄話を終えた一同はようやく本題へと入った。ギュウギュウに詰めて東屋の下の椅子に座り、テーブルを介して向かい合う。どうやら、真と誠也が水地小学校出身らしい。


「そういえば、陰陽師に水地小出身の人がいて、自分の頃は『脚なし様』とも言われてたって言ってたけど、何か知ってる?」


 沙也香が問う。真と誠也は頷いた。


「親とか『脚なし様』って言う人もいるな。『腕なし様』の方がよく聞くけど」

「そっか」

「おまじないをした生徒が死んでしまった噂があるっていう話も聞いたけど……」

「あー、それはよく聞いたぜ」


 椿の言葉に、真は気に留める素振りすら見せずに言った。


「学校側が俺らを怖がらせるために流した嘘の噂だろ。今はみんな都市伝説なんて信じねえし、そんなこと言わなくてももう誰もやってなかったと思うぜ」

「ふーん……」


 誠也が言う。柚子は曖昧に相槌を打った。


「それで、信じる気になったからやってみたいって?」


 勝元が言うと、二人は頷いた。


「俺もちゃんとは聞いてねえからなー。どんなおまじないなんだよ?」

「簡単だぜ。準備もしてきた」


 翼が尋ねると、真がそう言って正方形のメモ帳を取り出した。「馬」「牛」「女」と書かれたメモがそれぞれ三枚ずつ挟まれている。真はそのメモを取り外して、全員に一枚ずつ渡した。真と誠也と正義が「馬」、英雄と翼と勝元が「牛」、柚子と沙也香と椿が「女」のメモを持つ。


「この『馬』と『牛』と『女』の紙を、人数分用意する。で、適当に並べて」


 真が説明している間、誠也はそれぞれに渡したメモをテーブルの上に置くように指示した。


「で、順番にこの紙を一回ずつ叩く。こうやって指全部くっつけて、この手の横で叩く」


 真はそう言うと、指をぴったりとくっつけた右手を一同に見せた。小指側の側面で紙を叩くとのことだ。


「で、全員終わったら、人数分『どうぞ』って言う。そんで『腕なし様、どうか願いを叶えてください』っつったら願いが叶う、っていう都市伝説」

「え……それだけ?」


 真の説明に、柚子は拍子抜けしてしまった。


「ん。こんなんで願いが叶うわけねーだろ? でも水地ではあんな噂が流れたりして禁止されてたんだよな」

「でも妖怪がいるなら、なんか出るんじゃね? と思って柚子ちゃんたちを呼びましたー」


 柚子たちは信じがたいという表情でテーブルの上に並んだ紙を見つめていた。しばらくして、沙也香が首を捻った。


「馬、牛と来て……女?」

「変な組み合わせだよね」


 柚子も呟く。すると、椿が口を開いた。


「生贄だわ」

「え?」

「古代、神様への生贄として捧げられていたものの代表例よ。牛も馬も……女も」


 椿の言葉に、その場の空気が一瞬凍りついた。だが、すぐに気を取り直して正義が「とりあえずやってみようぜ」と言う。


「じゃ、俺から時計回りで」


 真が言った。真、誠也、正義、英雄、翼、勝元、沙也香、柚子、椿の順番だ。


 真からそれぞれ順に紙を叩き始めた。柚子は左の掌を紙に見立てて、同じタイミングで右手の側面で叩きながら見守った。


 この手の動き、なんか馴染みがあるんだよなー。なんだっけ? そう考えながら自分の番を待っていた柚子は、あることを思い出した。


 小さい頃、飯事《ままごと》で料理をする時にこんなことをした記憶がある。あの時は、手を包丁代わりにしたものだ。柚子は自分の手を見つめた。そう、この手の形は手刀と呼ばれるもの。手を、刃に見立てている。


「柚子の番だよ」


 沙也香が言った。柚子はハッと我に返ると、一同を見回した。


「あのさ、これやめた方がいいと思う」

「怖くなっちゃった? 大丈夫だよ!」


 柚子は真剣にそう言ったのだが、英雄がへらへらと言った。


「だって、この手の形……刃物だよ。おかしいと思ったことなかった? 私たち、今生贄を斬ってるんだよ。気持ち悪くない?」


 柚子の声に、勝元と沙也香と翼は何かピンとくるものがあったようだが、四人の少年たちは笑っている。


「ただの紙だよ、これは」

「そーそー。大丈夫だって」

「え……でも生贄を斬るって……どこを斬ってるの……?」


 柚子の頭には、最悪の考えが浮かんでいた。神への贄としての供物……きっと、斬れたらすぐに死ぬ部位を斬るのだろう……斬れた瞬間に頭と体が真っ二つに分かれる場所を……。


「椿はどう思う? ……椿?」


 先程からずっと黙っている椿に意見を求める。だが、椿は俯いており何も言わない。一向に返事がないので、一同は心配して椿に声をかけ始めた。


「椿? どうしたの?」


 柚子が椿の顔を覗きこもうとすると、椿はようやく顔を上げた。


「大切な儀式の途中だ。中断するでない」


 その場にいた全員の顔から血の気が引いた。


 だらりと力なく傾いた椿の顔は病人のように青白く、目には光がない。小さく開きっぱなしになった口からは、椿のものでありながら椿のものとは思えない声が響いている。


「続けろ」

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