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異国の武器

 アルトの案内で辿り着いた武器屋は俺が利用させてもらっている宿から冒険者ギルドを挟んで反対側に位置する場所にあった。 店の中に入るとその辺の〈戦士〉より筋肉質な店主がカウンターにいた。


『おうっ、前にうちで剣を買ってた奴とパーティを組んでた嬢ちゃんか。 今回はそいつの武器を買いに来たのか?』


『ちょっと! 店主さん! 嫌な記憶が蘇ってしまうから前のパーティの事は思い出させないでください!』


 『おっと、お前さんの事情をよく知らないものだから嫌な思いをさせてしまったのなら勘弁してくれ…その代わりと言っちゃあなんだが気に入った商品があれば少しサービスしてやるぜ。』


 『そう言ってくれるなら…ラッキー、良い武器を安く買えるチャンスよ!』


 店の商品を一通り見て回ると、刀身に反りがあり、片側だけに刃が付けられている馴染みのない剣が一本飾られていた。


 『すいません、〈戦士〉のジョブで使えるロングソードを探していたのですがこの剣って?』


 俺が気になって店主に質問しようとすると慌てた様子でアルトが止める。


 『あれは駄目だよ、ラッキー…あの武器には強い怨念を持った亡霊が宿ってる。 一流のネクロマンサーなら自身の魔力で扱えるように出来ると思うけど、今の私には無理だよ…』


 『嬢ちゃんには何か見えるみたいだな。 コイツは刀という武器で遠い異国で作られたものだ。 鋭い切れ味で持つ者を魅了するが今まで所持してきた連中はことごとく悲惨な死に方をしたそうだ。 皆、気味悪がって引き取り手がいないのでうちの店で置いているが駆け出しの冒険者が持つには危険すぎる! その代わり、兄ちゃんにおすすめの商品がある。 先日、入荷したロングソードなんだが鍛治職人の加護が備わった物だ! 鍛治職人が作成した武器には稀に加護と呼ばれる力が備わり、通常の物よりも威力が強くなるんだ。 兄ちゃんがよければコイツは通常のロングソードと同じ金貨一枚で売ってやる!』


 『ラッキー、それにしたらどうかな? 加護付きの武器は普通なら倍値でも買えないはずだよ。』


 『アルト、アドバイスしてくれてありがとう。 店主さん、そのロングソードを俺に売ってください。』


『毎度あり! 手入れが必要になったらいつでも店に持ってきてくれ。』


 『ありがとうございます。 大事に使います。』


 こうして俺は、またしても懐が寂しくなってしまったが強い武器を手に入れる事が出来た。 生活費がカツカツで宿代にも困った為、アルトにしばらくお金を借りる事になってしまった…明日からまたしっかりと稼がなければ!

アルトと夕方に別れる前に日課の杖を借りて魔力を循環させて〈魔法使い〉のポイントを20ポイントこの日は追加で稼ぐ事が出来た。


 翌日、俺達は新しい依頼を受ける為、メリーさんの元へ行く。


 『丁度良かった! 二人にお願いしたい依頼が来たの。 街の墓地で墓荒らしをしている不届き者が現れたのよ。

 アルトちゃんの力があれば犯人に繋がる有力な情報を墓に眠る死者から聞き出せると思ったんだけどどうかな?』


 『どうするアルト?』


 『私は問題無いわ。』


 『じゃあ決まりだね。 メリーさん、依頼を受けさせてください! 墓荒らしを捕まえるぞ!』

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