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ステラ伝説  作者: 人外倶楽部
第1章『一等星を追いかけて』

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1/6

プロローグ

おぎゃあ、おぎゃあ────………。




「………いいのですか?」

「いいよ。もうじき僕は死ぬからね」


 ツノの生えた男が赤子を抱き、目の前にいるローブを身に纏う青年を見る。青年とは言っても、もうそんな歳ではないのだけど。


「ステラを頼んだよ」

「───マルジン」

「分かるだろう?僕は禁忌を犯した。これだけで、訪れる未来は明白だ」


 ひらひらと青年は手を振り、笑みを浮かべる。ツノの生えた男はそれをいつものように憎たらしいと感じつつ、これが最後かと寂しく思った。


「分かりました。では、貴方は勇敢だったと語り継いでおきましょう」

「ハンサムなのも忘れずね」

「はいはい」


 ツノの生えた男はローブの青年に別れの挨拶を告げると、その場から立ち去る。残ったのはローブの青年と、彼に寄り添うように地に咲き誇る花々。青年は花々を優しく見つめ、そっと呟いた。


「───さようなら、ステラ。君の未来に、幸せがあらんことを」


 月明かりが差し込み、彼の表情が月光の元明らかになる。さようなら、と口にしながらも、彼はまるで花が開くような笑みを浮かべていた。







 その後、この青年───マルジンは遺体となって発見された。マルジンは身体中を何かで引き裂かれて死んでいたらしく、とても見れたものじゃなかったらしい。



 ───だというのに。


 彼は、微笑んで死んでいた。







─────────────







 世界の成り立ちについては諸説ある。

 神が生んだとか、自然発生したとか、奇跡が起こったとか。成り立ちなぞ、人それぞれだ。僕すら分からないのだから、人が知っているわけないけどね。


 だが、世界が成り立った後の物語だけは。それだけは、変わることはないと。

 僕は信じている。






 ────『五賢者』マルジン

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