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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第五章 邂逅と別れ

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第八十射目

 僕とフランが目指しているのはアリアの港から東へ十キリル海に出た所にある小さな無人島だ。

 正確には、そこから更に北へ三キリル進んだ海底。

 いつも通り屋敷の庭から、相も変わらず南下してくる海蛇竜(シーサーペント)を狩っている際に発見した海底にある謎の遺跡。

 判断を仰ぐ為にノイ様に報告したものの、辺境伯家の歴史書の中にも手掛かりは無く、結局陛下へ報せる事になった。

 そして帰ってきたのは、『海の事は我が国でも把握は出来ていない。危険が有るかもしれないので、監視並びに可能であれば遺跡の探索後、その詳細をこちらに教えてほしい』との事だった。

 海底にある遺跡への行き方なんて分からないので、監視を続けていたのだが、ある日ふと『フランの精霊の力を借りたらどうだろう?』と安直な思いつきをした。

 実際に本人へと聞いてみると、マリンの力ならある程度の時間なら海に潜る事は可能らしく、探索をする事が決定した。

 しかしあれよあれよと時間が過ぎ、本日やっとその探索に乗り出す事が出来た。

 それが今回の経緯だ。


「このまま順調に行けばお昼頃には着くと思われます」

「ユウリが居るのに順調に着く訳無いじゃないですか、先輩」

「僕が疫病神かなんかだと思ってません?」

「こら、リック。お前は副隊長代理なのだからもう少し緊張感を持て」

「いや、まだ副隊長は健在ですから。居なくなったその時考えますよ」

「全く、調子良い奴め」


 これはつい最近になって聞かされたのだが、不沈艦第三部隊副隊長のソーラさんはフランの専属護衛となる為に、辞任する旨をノイさんに伝えたらしい。

 ノイさんもその事を薄々感づいていたらしく快諾され、代わりに副隊長としてリックさんが推薦された。

 何でも魔獣戦線(スタンピード)の際や亡命者の件、その他北の情勢に関する事で陛下と辺境伯から直々の命を言い渡されて、それに対して期待以上の成果を上げた事によって、認められたらしい。

 本人はとても嫌そうだが。


「俺は人の上に立つなんて向いてないんですよ。ユウリもそう思わないかい?」

「そうですか?リックさんは人当たりが良いので、優しい上司になれると思いますよ?ちょっとあれですけど」

「あれって何かな?あれって」


 とまぁ、雑談しながらのんびりと航海は進み、予定通りお昼過ぎには島に到着した。

 リックさんが危惧していた様な問題は一切起こっていない。

 勿論、合間合間で危険そうな魔獣は僕が全部間引いていたが……。


「あぁ〜。気持ち悪い……」

「リックさんって乗り物駄目だったんですか?騎竜したり御者したりしてるのに」

「その時は自分の意思で動かせるけど、今回の船みたいに誰かが動かして、自分の意思と関係無く動くのは苦手なんだよ…………」

「それは残念だ。気分が優れないなら昼食は取らず、休んでいた方が良いだろう」

「大丈夫です!今治りました!」

「お前は本当に…………」


 小さい無人島なので危険は少ないと思われたが、念の為僕が島全域を視てから森へと入り、滞在中の簡易拠点を構える。

 その後、少し遅い昼食を取りながら、明日からの行動についての再確認を始める。


「じゃあ改めて、明日からの行動を整理します。まずは僕とフラン。僕達はマリンの力を借りて、朝から遺跡周辺の海域の調査。問題無さそうなら、一度拠点に戻って情報共有した後に今度は遺跡の入口を探す」

「うん、任せて!」

「マリンもよろしくね」


 フランの精霊マリンも声は出せずとも、首を縦に振り、肯定の意思を示す。


「そして、ソーラさん・ロビンさんは島の探索と調査を。僕が視た限り危険度が高い魔獣や魔物は居ないと思うけど、念には念を入れたいのでお願いします」

「本当は付いていきたいが……。だがその任務、任された」

「あぁ、問題無い。無事完遂しよう」

「お二人共、もっと気楽で良いですから……。それとリックさんは拠点の防衛とそれぞれへの情報伝達をお願いします。何かあった時には直ぐにアリアへ帰還して報告、必要なら応援を呼んで下さい」

「任せて。のんびり昼寝でもしながら待っとくよ」

「昼寝中、誰かにいきなり矢で射抜かれてもしれませんよ?」

「そんな事出来るのユウリしかいないでしょ?分かったよ、ちゃんと見張りをしとくよ」

「お願いしますよ?」


 リックさんは口ではそう言ってるけど、やる時はやってくれるので心配はしていない。

 一応時々視ておくけど。


「明日の予定の確認はこれで終わりです。まだ日は高いですが、明日に備えて各々ゆっくりして下さい。特に夜の見張りをしてくれる三人は出来る限り休んでいて下さいね」

「侯爵閣下に昼の見張りを頼んで我々だけ休むのは心苦しいが……」

「ロビンさん、今は侯爵としてだけでは無く、半分は冒険者ユウリとして来ています。だから、さっきも言った通り気にしないで前みたいにお願いします」

「ロビン、お前は真面目なのは良いが、行き過ぎて頑固になる傾向がある。目上からの心遣いを素直に受け取るのも大切だぞ」

「って先輩いつも言われてますよね」

「うるさいぞ、リック」

「今は副隊長代理ですよ、ロビン君」

「こういう時ばかり貴様は……」

「まぁまぁ……」


 真面目過ぎるロビンさんと一部適当過ぎるリックさんは水と油なのに何で二人で行動する事が多いんだろう?

 今度ゆっくり話を聞いてみるのも面白そうだな。




 無事無人島に到着して、一日目は何事もなく過ごした。

 そして、本格的に行動を始める二日目へと突入する。

 リックの『自分の意思で動かしてる乗り物以外は酔う』って乗り物酔いする人あるあるですよね。

 因みに作者は公園のブランコやシーソーでも酔う位に三半規管がクソ雑魚ナメクジです。

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