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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第五章 邂逅と別れ

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82/200

第七十七射目

 まだもう少しホークアイ家及びユウリの日常(?)回を進めていきつつ、要所要所で今後活躍するであろう人や物を入れていきます。


 それにしても77って縁起が良い数字!


2023/10/07

 属性付き隼のファルコクローの名称を○(色名)ファルコから○(色名)爪に変更しました。

 既に更新済の物もこれからの更新分は全て修正していきます。

 披露会から二週間経ち、もう秋の二十五日目と秋が既に半分過ぎた。

 年末年始から今日までが早過ぎて飛ばしてしまったんじゃないかと錯覚してしまうくらいだ。

 会が終われば日常に戻り、毎日やるべき事をやって、やりたい事をやっている。


 ウィルが正式に義父となった事により、僕の業務をホークアイ侯爵家当主代理として行えるので僕が執務に追われる事が殆ど無くなった。

 勿論、重要な案件は僕にまで回ってくるけど、それ以外の全権をウィルに預けている。

 丸投げと言えば聞こえが悪いけど、ウィルからの申し出であり、本人も喜々としてやっているので、問題無い。……と思う。

 また、亡命者の中で元々内務に携わっている人を雇い、ウィルの手助けをしてもらっている。

 その中でも特に優秀な二人を(当主)ウィル(当主代理)の秘書官としての役職に就いてもらった。

 僕の秘書官は、アーロン。

 彼は二十五歳にして、公国の商業ギルドで幹部をしていた人物。

 年齢の割に冷静沈着で、何事も卒なくこなしてしまう。

 ウィルの秘書官は元々ブルーローズ家の内務を担当していたパリスと言う女性で、面識が有り文武の実力も申し分無いのでそのままうちで働いてもらう事になった。

 他にも従者や衛兵を亡命者から雇っているので、そこそこの大所帯となってきている。

 まだ騎士団は誰もいないけど、今のところ問題は無いので、追々集めていくつもり。


 そのホークアイ侯爵家は貴族年金を辞退しているので、財源確保の為にある一つの計画を実行した。

 元々僕とクレアクルトがディーセス邸の地下で行っていた回復錠(タブレット)関連の研究開発部門に加えて、亡命者にマロさん・ノイさんの部下にいた錬金と鍛冶の加護持ちの一部を合わせた魔道具・装備開発部門を統合した【ホークアイ研究開発所】を設立。

 設立に関しての細かい手続きは全部マロさんとノイさんがやってくれたので、僕は何もしてない。

 別に僕が何もせずにふんぞり返ってる訳じゃないからね?話してみたら翌日、知らない内に全部終わってただけだから。

 本部はホークアイ邸の地下三階、所長は僕で副所長にクレアクルト姉弟を指名した。

 本当はクレアを所長、クルトを副所長にするつもりだったけど、僕が一番上じゃないと駄目らしい(クレア談)。

 その中でも目玉は、ある一人の子どもに信託の儀を受けさせたところ、僕の求めていた加護と職種持ちだったので、急遽その子を特別待遇で雇い、三階の一部屋を幹部以外立ち入り禁止にして研究してもらっている。

 その内容は追々。

 因みに内容を知っているマロさん曰く、『それが完璧に軌道に乗れば、僕なんか目じゃない程の大商人になれる』そうだ。

 一人ならまだしも、侯爵家として収入が増えるのは万々歳なので良しとしよう。


 個人的に一番の変化はフランが正式に婚約者となり、この家に住む事になった件だ。

 ノイさんから『花嫁修業も兼ねて一緒に暮らしたら良い。孫はいつでも大歓迎だよ』と茶化された結果、フランの指示でまたディーセス邸の執務室に穴が増えたのは些細な事。


 色々な事があったけど、現在はこんな感じに落ち着いている。

 午前中は必要な書類に目を通して、昼食後に研究所に顔を出して進捗確認、その後はフランの戦闘訓練が続く日々。

 勿論、防衛任務は常に怠らず、定期的に《鷹の目(ホーク・アイ)》で近海や街の様子は視ているし、アリアの緊急時には加護が発動する。

 傍から見たら何もしてない様に映るけど、そこら辺は理解してもらえているので助かっている。


 さて、こんな日常の最中、今僕は屋敷の庭にいる。


「では所長。よろしくお願いします」

「じゃあ、いくよ。…………ふっ!」


 僕が放った矢が海にいる魔獣に当たり、爆発を起こす。

 威力的には火属性中級魔法程の威力。


「ど、どうでしょうか……?」


 恐る恐る僕に感想を求めているのは、この爆発する矢を造った張本人、魔道具開発主任のモルツ。

 人族と土人(ドワーフ)のハーフで、背は平均より低いが見た目はほぼ人族と変わらない。

 父親は同じくホークアイ研究所職員で装備開発主任のラガーで、母親は数年前病死してしまっているらしい。

 ラガーと性格は真反対で引っ込み思案だが、研究に関しての情熱は父親以上かもしれない。


「良いんじゃないかな?威力もちゃんとあるし、射程も及第点。ただ、命中精度が安定していないのと、消費魔力が中級魔法より少し多いから、連発出来ないのが難点かな?」

「は、はい!ご意見ありがとうございます!す、すぐ改善します!」

「いや、旦那様?あんな遠くの獲物に寸分違わず着弾しているのに加えて、かれこれ一時間は射続けていますけど……?」


 僕の意見を素直に受け取るモルツとその横で呆れているクルト。


「射程が五キリル、威力が中級魔法。それが多少の魔力消費の増加で使えるのなら問題無いでしょう?それに、ちゃんと頭に当たっているじゃないですか」

「そうなのかなー?海上は遮蔽物が無いから、本当は十キリルはほしいし、魔力消費が多いなら近付いて来たのを中級魔法で殲滅した方が効率が良い。それに、本当は口の中狙ったのにズレて頭に当たっちゃったんだよ?」

「そもそも五キリルの距離をちゃんと見て射れる人間は旦那様以外いません。それにその距離での魔力消費量と誤差数十リルなら許容範囲内です。モルツはしっかり要望を形にしてくれています。そこのところは分かっていますか?」

「は……、はい」


 クルトの有無を言わせぬ圧に僕はただただ頷く。

 僕が侯爵になって以来呼び方を旦那様と変えたのだが、同時に副所長になってからは僕にちゃんと意見してくれるようになった。

 普通は言語道断な筈だが、僕自らこういった関係を望んだので、むしろクルトはちゃんと応えてくれている。

 なんか兄みたいだ。


「ふ、副所長。お、おいらは大丈夫ですから。しょ、所長のご要望に沿えず、申し訳ありません。ま、まだまだ改良します!」

「モルツもモルツだ。そんな無茶をしているといつか身体を壊すぞ?」

「む、無茶なんかじゃありません。す、好きな事をやらせてもらっているんですから、それに応えていきたいんです」

「……はぁ。ここにもまた一人、旦那様と同じ異常人物が…………」

「クルト?そろそろ泣くぞ?」

「し、所長と同じなんて光栄です!」


 異常認定されて反論したい僕と何故か光栄と感じているモルツに、溜息をつきつつ、話を本筋に戻してくれる。


「それより続きをお願いします。アーロン、残りはどれくらいだ?」

「はい、残る海蛇竜(シーサーペント)は六匹。その内三匹は海中に潜航中です」

「了解。海面に顔を出してるのはモルツの矢で。残りは普通にやるよ」


 実は今、魔獣の討伐任務を遂行中だ。

 冬になると暖かい海を求めて、様々な生物の大移動が起こり、魔獣もそれに従い南下してくる。

 その際に貿易船や漁師の船が襲われる事があるので、この時期になるとこうやって数を間引く。

 アーロン曰く、『本来海蛇竜(シーサーペント)は銀階級冒険者を集めるか、その領地の騎士団を動かして討伐する』らしく、一人で家の庭から殲滅している僕は異常以外の何者でもないそうだ。

 また異常って言われた、酷い。


 そのついでに魔道具開発部門が造った魔道具の弓矢、魔法弓【(ファルコン)】と魔法矢【隼の爪(ファルコクロー)】。

 矢に属性の刻印を刻んで、弓を通して魔力を流し込む事で一定時間経つか何かに衝突すると起動する。

 今回は火属性の刻印を刻んだ魔法矢、通称赤爪の試験運用をしている。 

 これの開発に至ったのは僕の弓矢の特性。

 自分で言うのも何だけど、僕の矢は純竜種を射抜く程の貫通力を持つが、複数程度の敵ならまだしも大量の敵を瞬時に攻撃出来る殲滅力が無い。

 多少時間を掛ければ可能だとしても、それだと間に合わない可能性があるので、それを克服する為に考えていた案を実行出来ずにいたところにモルツが現れる。

 そのモルツの刻印術に目を付けて僕の考えを話すと、ほんの数日でその原型を作り上げ、今では実際に海蛇竜(シーサーペント)を一撃で倒せる弓矢を開発してくれた。

 現在は赤ファルコだけだが、これが実践で実用可能になればその他の属性矢もいずれは着手してもらう。

 まずはこれを僕が普段使いして今後発足する予定の騎士団に配備、その後、信頼のある人達へホークアイ研究所から受注販売する予定だ。

 まぁ販売するにしても、安全性や汎用性・素材や販売価格等の課題はまだまだ山積みなので、あと数年は掛かると思うけど……。


「よし、終わり。素材回収が必要なら研究所かろ冒険者ギルドに依頼をしておいて」

「旦那様を見ているとあの海蛇竜(シーサーペント)がまるでそこら辺にいる海蛇の様に見えてきますね……」

「つまりは?」

「旦那様、狂ってます」

「ねぇ、アーロン?君は僕を嫌いなのかな?」

「そんな事ございません。心よりお慕いしております」

「それなのに狂ってるはおかしくない?」

「事実ですから。それはそれ、これはこれ。です」




 この家の人間はほんっっっっっと遠慮が無いなぁ!

 …………………………まぁ、悪い気はしないけどさ。

 時間の流れは前話の都合で秋の五日目に設定した為、細かい時系列に矛盾が発生しているかもしれません。

 作者がざっくりとしか決めてなかったのが原因です。

 申し訳ありません。


 読んでる皆様の中にはモヤモヤする方がいらっしゃるかもしれませんが、『この作者ならそんなもんだろう』位で考えていただけると幸いです。

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