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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第四章 運命の日

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68/200

閑話

 またもやあとがきに悪ふざけを書きました。

 興味の無い方は飛ばしていただいて構いません。

 今回でこの章は終わり、次話から新章に入ります。

【三人称視点】




「では、失礼いたします」


 そう丁寧に礼をしてユウリとフランは部屋を出た。

 それを見送り、国王ノーベルト=フォン=シンフォニアは深く溜息をつく。

 それを見て苦笑しながら、紅茶を差し出す執事のセバスチャン。


「お疲れ様でした、陛下」

「本当に。まさか影まで見抜かれるとは。奴の目はもう魔眼か何かになってはおらんか?」

「ただ目が良いだけ。では説明出来ませんね。目で見て、鼻で嗅ぎ、耳で聞いて、肌で感じ、舌で吟味する。五感全てで周りを視ているのでしょうな」

「正に遥か上空から全てを見通す【鷹の目(ホーク・アイ)】。ディーセス卿も中々的を射た二つ名を与えたものだ」


 ユウリの常人ならざる能力に身震いするノーベルトと難しい顔をするセバスチャン。


「成人したと言ってもまだ十五歳の少年。それなのにあそこまで能力を使い熟しているとは中々のものですな」

「お主もやはりそう思うか。詳しく聞かせてくれ」

「はい。あの少年は此の部屋に陛下と私が入ってから常に私と影に意識を割いていました。疑っている訳では無いのでしょうが、いつ何があっても対応出来るように。現に私が少しでも動く気配を見せれば、表情一つ動かさずに私の警戒を強めておりましたので」

「お主の動きをか。儂は全く分からなかったが」

「それはそうでしょう。陛下に対してはどちらかというと……」

「何だ?はっきりと申せ」

「こいつ、何て事をやってくれたんだ。という感情が強かったですかね」

「それは中々に不敬な考えだな」

「処罰いたしますか?」

「馬鹿を言うな。国の英雄を多少の無礼で罰したとなれば、末代までの恥だ」

「冗談ですよ」

「お前の冗談は分かりにくいわ。…………因みにどうだ?可能か?」

「ふむ。可能かと言えば可能。ですね」


『ユウリの暗殺は現実的に可能なのか?』


 この話は戯れとして聞いている訳では無い。

 ノーベルトは王として、もしユウリが国に敵対した場合そういう手段を取らざる得ない場合がある。

 その際の可不可は重要だ。


「お前らしくない答えだな」

「それはお許しを。あれ程人の動きや気配に敏感な者を馬鹿正直に暗殺は中々に骨が折れます。その場合手段を選んではいられません」

「人質か?」

「その通り。その際に適任となるのはフラン様でしょう」

「確かにそうだが……。フラン嬢の加護と職種は大丈夫なのか?」

「その辺りは知っていれば問題ありません。ただ、まず誘拐するのに一苦労でしょうね」

「誘拐した上で人質に取り、相手の降伏を促すと?」

「それが良いと思います」

「誘拐せずにフラン嬢を…………」

「っ!?陛下。その先は口にしない方が宜しいかと?まだ城内にいる彼から凄まじい殺気がこちらまで飛んできましたので」

「魔道具で守られているここでの会話すら聞こえているのか?」

「はい。情報によれば、魔封じの魔道具は彼には効かないらしいので、魔道具の類は信用せぬほうが宜しいかと」

「……本当に、恐ろしい奴だ」


 ノーベルトが口にしようとした発言、

『先にフランを殺してしまえば』

 これを実際に行った場合のその後はノーベルトもセバスチャンには何となく分かっていた。

 あの竜種を一撃で葬った流星が自分に向けられる。

 しかも、普通は認知出来ない場所から。

 認知出来たとしてもその頃にはもうこの世には居られないだろう。

 あれ程のものをそう簡単に使用出来ずとも、人を壁越しに射抜く事など彼にとっては造作もないのは、彼の実力を知る者ならあの一射で考えずとも分からされてしまった。

 純竜種を超える力を持つ竜の逆鱗に触れる行為なのだ。

 それを止める為にはどれ程被害が出るのか。

 人一人の身では国を滅ぼす程は無くても、一時的に国がまともに動けない状況は免れられないだろう。

 その間に良からぬ事を考えるもの達が好機とばかり動けば、それこそ国は滅びてしまう。

 たった一人の少年。

 されど、その影響力は計り知れない程に膨らんでいた。


「伝説級職種《暗殺聖(アサシンエンペラー)》に加えて、英雄級加護《闇の精霊の加護》。その二つを併せ持つ持つお主がそう思うのであればそうなのだろうな」

「おや?私は何も言っておりませんが?」

「何年の付き合いだと思っている。顔を見れば分かるわ」

「おやおや。私もまだまだ修行が足りませんねぇ」

「儂もお主も。だな」


 歴史に名を残す事は無い暗殺者。

 その頂点に立つセバスチャンはこの国を文字通り影から支え続けてきた立役者でもあった。

 毒をもって毒を制す。

 しかし、国王も決して綺麗でも神聖でも無い。

 自分の手は汚さずともその足元は血に塗れ、数え切れない屍の上を踏み越え、国の為と敵を闇へと葬っていく。

 その決断をする国王とそれを実行する執事長兼暗殺の長。

 自分達が死後行くのは地獄だろうが、それでも構わない。

 次の代やその次の代、自分達の跡を継ぐ者達が少しでも綺麗でいられる様ならば、喜んで手を、心を汚そう。

 その先にある明るい未来を夢見て。





 二人の目にはその確固たる意志が宿っていた。

【本文のほんの少し後】

天井裏の影の人『なんか良い感じに終わったけど、私はいつまでここにいれば良いのかな……』

某国王「そういえばユウリが感謝を伝えてほしいと言っていったぞ」

天井裏の影の人『それ今言います!?』

某執事長『それよりも監視に就き、すぐにバレたと言っていたので、彼女には何かしらの罰を与えなければなりませんね』

天井裏の影の人『あ、私、終わったわ……』



 影の人の名前は今のところ出す予定はありません。

 今のところは。

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