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【完結】流星を放つ鷹【鷹の眼の射手】  作者: まっしゅ@
第三章 出会いと激変

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第十九射目

「予定は少々変わってしまったが、無事にトルネネに着いたな」

「じゃあ、このまま宿に行きますか?」

「そうだな。ただ、ユウリ君の身分証は発行したほうが良いだろう。ロビン、案内してやれ」

「承知しました」

「リック。我々はそのまま宿へ向おう」

「了解です」

「では私とユウリはここで降ります。行くぞ」

「あっ、はい」


 入ったらすぐお別れだと思ってたけど、よくよく考えればこの街の地理が全く分からないから助かる。


「では、お嬢様、ソーラ様。また後ほど」

「ありがとうございました。とても助かりました」

「……?あぁ、また後で」


 フラン様達は宿屋街に、僕達は商人街をの入口にある冒険者ギルドにそれぞれ向かうことになった。

【冒険者ギルド】とは世界中に存在し、総本部はこの国の遥かに西、ラ・ミリアム聖教国を挟んだ先にある【ロイズ共和国】で設立された冒険者の管理や仕事の発注・身分証の発行や預金の管理等を行う所謂何でも屋さんだ。

 冒険者として登録した者を依頼達成率や実力・ギルドへの貢献度や貴族・商人等の信用度を考慮して七段階の階級に分けて、其々に見合った依頼の提供を行ったりしている。

 階級を決めるのに身分も種族も関係ないとしているのが、貴族が存在しないロイズ共和国らしいやり方だ。


「着いたぞ。ここが冒険者ギルドだ」

「おぉ。本で見た通りの建物だ」

「冒険者ギルドは色んな地域にあるが、すぐ分かるように総本部以外の全ての建物を統一しているらしいからな。じゃあ入るぞ」

「はい!」


 本で見ていたのが目の前にあるのは不思議な感じだ。

 子供の頃は縁が無かったからね。


「あそこの受付で身分証の発行をしてくれる。詳しい話はそこで聞いてこい。俺はここら辺で待っている」

「何から何までありがとうございます。行ってきますね」

「あぁ」


 ロビンさんに言われて受付に向かう。

 キョロキョロするのも変だから、周りを視ているけど、思ったより荒れてないというか小綺麗というか……。

 荒くれ者の溜まり場ってイメージだったから意外。

 この時間は皆依頼に出て人が少ないから、人が多いとまた違うのかな?


「すみません。身分証を作りたいのですが」

「はーい。ではギルドへの登録用紙に記入をお願いします」

「いや……、ギルドへ登録はしない予定なんですが……」

「あ、申し訳ありません。冒険者ギルドにいらっしゃるのは初めての方だったんですね。簡単にご説明しますと、ギルドへ登録した際のギルドカードが身分証代わりとなるんですよ」

「成る程。登録したら何かしなきゃいけない事とかはあるんですか?」

「いいえ、義務は特に存在しません。強いて言うなら、登録したギルド以外で依頼を受ける際は必ず一度そのギルド支部に寄っていただいて、拠点の移動申請をしていただく程度です。あとは、登録に手数料が必要なくらいですね」

「分かりました。ここの欄、村の名前が無いので出身地が記入出来ないんですけど、大丈夫ですか?」

「記入出来ない、もしくはしたくない場所は空欄で構いませんよ」

「それによって、何か不都合とかはありますか?」

「そうですね〜。不都合はないですけど、一応加護や職種が珍しい方は他のパーティの方に声を掛けられやすいとか、貴族や商人の信用を得やすい。程度ですかね」


 助かった……。

 書けないことが多いし、書いても信じてもらえない事ばっかりだし。

 嘘だとバレたら面倒だから、加護と職種も空欄で良いや。


「じゃあ、これでお願いします」

「ありがとうございます。って名前以外空欄ですが、本当にこれで大丈夫ですか?」

「はい、身分証が欲しいだけですし、パーティを組む予定もありませんので」

「…………分かりました。では、こちらに魔力を少しで良いので流して下さい」


 眼の前に台座に置かれた水晶が出された。

 これ、魔導具じゃん。

 確か、【識別の魔晶石(アイデントストーン)】だ。

 魔力を流した本人の魔力情報を読み取って、真偽や本人確認したり、犯罪歴とかを調べるって、爺ちゃんが言ってたと思う。

 あと、爺ちゃんの師匠が子供の頃に自分の大事にしていたお菓子を食べた犯人をみつける為に作ったとも。

 これで加護とか職種の嘘を付いてたらバレるところだったんじゃないかな?危なっ。


「はい、特に問題ありませんので、登録完了です。では登録発行の手数料として銅貨三十枚いただきます」

「はい、これでお願いします」


 鞄から銀貨一枚を渡して、お釣りとして銅貨七十枚を返してもらった。


「では、こちらがギルドカードになります。身分証としては勿論、預金の管理や街に入る際に犯罪歴を調べたりするのに使うので、失くさない様に大事にしておいて下さい」

「分かりました。ありがとうございます」


 僕は貰ったカードを鞄の中(本当は鞄に入れた振りをして魔空庫の指輪(ストレージリング)の中)に入れた。


「一応、今後依頼を受けたりする際に必要な知識を皆様にご説明しているのですが、聞かれますか?」

「はい、せっかくなので教えて下さい」

「かしこまりました。あちらに移動してご説明致しますね」




 こうして僕は身分証(ギルドカード)を手に入れた。

 これで、ユウリという人間がこの世界存在する証を貰ったのだと考えると感慨深い思いがある反面、今の今まで考えなかったが、ユリウスという人間が完全にこの世に存在しなくなったんだと思うと未練なんて全く無いけど、少し寂しい気持ちにもなった。

 まだまだユリウスとして生きてた時間が長かったからね。




 でもとりあえず、お姉さんの話を聞いてみて、気が向いたら依頼をこなしてみるのもありかも。と密かな楽しみが増えた僕だった。

【補足説明】

お金は大陸共通となっており、銅貨・銀貨・金貨・白金貨の四種類。

銅貨一枚で日本円換算百円程。

銅貨百枚で銀貨一枚

銀貨百枚で金貨一枚

金貨千枚で白金貨一枚

となる。

白金貨は国や一部の上位貴族や大商人以外は持っておらず、流通も殆しない。

金貨単位では枚数が多くなり過ぎ、金貨の流通が滞ったり偏ったりする可能性がある為に作られた貨幣。

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