23 霧島 口説く
霧島がレクサスを受け取ってから一ヶ月ほどたったある日、霧島の通う大阪大学法学部ではある話題が持ち上がっていた。
大学の駐車場に、とてもいかつい車が止まっており、なおかつそれが生徒所有のものであるという話題である。
その話を学内の友人から聞いた霧島は
「(やべぇ、十中八九俺の車じゃん)へえー、そうなんだー、ちなみになんて車なん?」
「なんか、レクサスのでっかい四駆らしい」
霧島「(そうです、大学生のくせに1200万のレクサス乗ってます)そうなんや、めっちゃ高級車やん」
と言いつつ平静を装った。
とにかく、その話を聞いた霧島は
(どうかバレませんように)と祈っていた
講義室で、学生が、
あのレクサス乗ってみたいなー
などと言うのを聞くたびに、そう言うことを言う奴は絶対に乗せないと霧島は心に固く誓った。
それからというもの、霧島は法学部から少し離れた駐車場に車を止めるようになり、学生に、特に知り合いの学生になるべくバレないように自動車通学をするようになった。
知り合いやら顔見知りにバレて車にいたずらなんかされたらめんどくさいしな
とはいうものの、季節は夏真っ盛りで、溶けるほど暑い大阪の夏。
わざわざ涼しい車で大学に通いつつ、学生にバレることを気にして法学部から離れたところに車を止め、暑い太陽に照らされながら法学部に通うことなど、意志薄弱な霧島にはできるはずもなく、その計画は早々にリタイアした。
霧島はそんな夏、ある計画を練っていた。
サークルにも入ってないし、ましてや部活にも入っていない霧島だったが、友人と旅行に行きたいなと思っていたのだ。
サークルをやめた一年の冬に彼女と別れ、(むしろ同じサークルにいた彼女と別れた冬に、サークルを辞めたともいう。)そこから半年と少し彼女がいなかったか霧島。しかし、最近になって少し様子が変わっていた。
たまたま同じ授業で隣に座った女子大生と仲良くなり、そこから定期的に連絡を取り、良い感じの仲になりつつあったのだ。
その彼女は、名を結城ひとみという。
霧島は、そのひとみ嬢と旅行に行きたいなと思っていたのだ。
ここで霧島の容姿について説明しておこう。
一言でいうなら容姿は普通である。
取り立てて優れた容姿ではないが、10人が10人好印象を持つような、優しそうな顔である。
コミュニケーション上手で、話し上手。物事を少し気にしすぎなきらいがあるが、血液型はO型のためおおらか。しかし、その反面こだわりが強い部分があるが、許容できないほどではない。といったところの性格で、彼を初対面で嫌いという女性はまずいない。
しかし、本人から女性に対して積極的にアプローチすることはあまりなく、彼の周りの女友達たちは少し物足りなく感じているというのが現状である。




