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戦闘テスト

戦闘でアベルと話していたので、俺が最初に戦闘テストを受けることになった。


門の前に立つ教師が、門の扉を開けて

「では心の準備が出来次第入ってください」


「それじゃあもう行きますね」


心の準備なんて必要なかったから直ぐにそう言うと少し驚たようにして

「そ、そうですか、魔物と言っても、学園で管理されているゴーレムですので、ケガする心配はほとんどありません、でも、全く攻撃しないわけでは無いのでそこは気を付けてくださいね」


教師たちも初めてのテストで心配事が多いのだろう、説明もかなり丁寧に行われていたのを思い出す

開いた扉の先を見ても、木々が重なり合ってよく奥まで見えない


一応、教師に言われたので腕を回したりして準備していると、

「はっはっは、タツヤよ!お前の実力じゃ到底俺にはかなわないだろうが、出来るだけ頑張るがいいぞ」


アベルが腕を組みながら威張るように言う


「あーはいはい、お互い頑張ろうなー」


「おい!なんだその適当な返事は!・・・まあいい、その、なんだ、お互いにAクラスに入れたら、

俺の屋敷でご飯をごちそうしてやらんこともない・・・ぞ、友達になったんだし・・」


「え?」


「な、なんでもない!さっさと行け!」

むっとして横を向いてしまった


なんだ、声をあげたり急にぼそぼそ話したりと、よくわからん奴だ

でもまあ


「応援してくれてるのは伝わったよ、じゃあ行ってくる」


そういうと表情を明るくして大声で

「ああ!」


と言ってきた、

開いた門の前に立つと、教師が魔石を取り出す、

「ゴーレムを倒したら個の魔石にタイムが計測されますので、落とさないように、それでは、・・始め!」


俺は門の前から出来る限り奥へと疾走する



さて、問題のゴーレムの倒し方だが


これは試験だし、見られていないはずがない訳だ、つまり、この世界では絶対に見られないゲームの魔法を発動した時点で、異常だと思われるだろう、あいにくこの学園で目立つわけにはいかない立場だし

それは避けたい


始まる前に思いついた方法が一つある、でもこれを使うと今後学校ではずっとこれを使うことになりそうだが、まあ問題ないだろう


(シス、サーチを頼む)


(了解)


放たれたソナーにより、最も近くにいる敵の位置を掴む、だが、そのソナーに違和感があった

俺を中心に出たソナーが、ある場所ですべて消えてしまったのだ


・・・まあいいか、取りあえず目の前の敵をやろう


少し移動すると、目標のゴーレムが見えた


身長は2メートルくらいで腕が大きく、皮膚はコンクリートのようなもので出来ていてかなり遅そうだ


俺は自分の腰に手を回す

そう、俺が使うのは今まで完全にただの飾りとなっていたブローソード、剣だ。


これならばゲームの魔法を発動する必要もない、


いやー、実はシオンや達が剣を使ってるのを見て俺も自分で剣を振ってみたかったんだよね

仮面の騎士の時にデュランダルは使ってしまったし、ここで出すわけにはいかないよな


銀に輝くまだ一度も使ったことのないブローソードは出番を待っていたかのように輝いている



一応っと


『シャープネス』


いま剣にかけた魔法はエンチャント魔法で、剣の切れ味を倍にするものだ、今ままでデュランダルが優秀すぎるせいで使わなかったけど。

エンチャント魔法なら、見られても何をしているか分からない、


ゴーレムとの距離を一気に詰て、そのままの勢いで剣を横に振る

すると、ゴーレムは豆腐のように真っ二つに切れた


こ、これは・・!


自分の手で剣を使って斬った感触はデュランダルを浮かせて斬ったのとは全然違う!

これははまりそうだ


ゴーレムを見ると、全く動かなくなっており、俺の魔石が一瞬光った


よし、まず一体目。


そして、次に俺はソナーが遮断された場所に向かった、

その場所につくと、ガラスのように透明な壁があった、


これって、


(はい、結界の一種です、かなり大人数を必要とするそれなりに協力な結界ですね)


なるほどな、戦闘能力を試すと言っていたし、この結界を破るのもその一つなのだろう


それにしても、そんな強い結界をはっても魔法が得意じゃない生徒は破れないと思うが・・・


試しにブローソードで結界を斬りつけてもびくともしない


まあいいか、初めての試験だしな。


そして、俺は再びブローソードをエンチャント魔法で強化する、シャープネスだけじゃ足りない


『アンチ魔法』

『剛力』

『フレイムエンチャント』

『スピーダー』


よしこんなとこかな、


これで多分デュランダルど同程度にはなったはずだ、

結界を斬ってみると、紙きれのように斬れた。


そうして、再びソナーを放つとさっきのゴーレムがまだかなりの数いることが分かった


よーし、久しぶりに走り回るか!!


そして俺は全力でこの広い森の中で、見つけたゴーレムをかたっぱしに斬りながら走り回った


数分後


よし、これで終わりかな


これでこの広い森の中にあるゴーレムはすべて倒した、なんか途中にかなりの速度で攻撃してくるゴーレムもいたけど、あれも試験の一環なのだろう


剣を腰に戻して、うーんと背を伸ばしていると、俺の背後から

「ま、待って、・・はあはあやっと止まってくれた」


それはこの試験が始める前に説明をしていた教師だった、ずっと走っていたのか、かなり息が切れている


「先生、どうしたんですか?」


教師は息を整えると、

「あなた何者なんですか?この距離を走っても息一つ切れてないし、訓練用の強化ゴーレムもあっさり倒しちゃうし、教師全員で作った結界も破っちゃうし、あれを破るのは私でも結構時間がかかるのに・・・」


「え?結界って破っちゃいけなかったんですか?」


「はい、あの結界はこのフィールドの一部にゴーレムを一体配置して、生徒が奥に行ってしまわないようにするためのものなんですよ?」


あの結界はそういうことだったのか、だから生徒が簡単に壊せないようになってたんだな

とういうか、そのフィールドにゴーレム一体ってまさか・・・


「タイムを計るのは、結界で区切られたフィールドのゴーレム一体を倒すまでのタイムですよ」


どうやらいつの間にかやってしまっていたらしい



その後、


少し待たされて、教師に校長室のようなところまで連れてこられた


大丈夫、特に異常なところはまだないはず、結果のことも、破るのが得意といってなんとかごまかせそうだし、


「失礼します」


校長室に入ると、結構歳のいった白髪のおじいさんがいた


「おお、君がゴーレムをすべて壊したっていうタツヤくんか、よく来てくれた、座ってくれ」

「はい」


ソファーのようなフカフカの椅子に座り、目の前の校長を見る、

「そんなにかしこまらなくていい、別になにか怒ろうとしている訳じゃないんだ、ゴーレムを一体だけじゃないと勘違いさせてしまったのも、こちらの説明不足だしねえ、」


「そ、そうですか」


「優秀な生徒が入ってきたと聞いて、一目見たかったんだよ、」


それを聞いてほっと胸をなでおろす

「君のような優秀な生徒はたまにしか入ってこなくてねえ、最近ではフリル君がいい感じだったけど、

今はなにかいろいろ大変そうで、あまり学校に来ていないみたいなんだよ、それにしても、ブローソードでゴーレムを斬るなんてすごいねえ、そうとう剣の腕を鍛えてきたんだろうねえ」



「え?あーはい、剣だけを極めていました」


「そうだよねえ、他にもなにかやってきたことはあるかい?例えば・・・・



数分後・・・


校長の話は長い、これはどうやら式だけの話ではなかったようだ


俺は今後校長からの呼び出しがあったら逃げることを心に決めた


長い話を要点だけまとめると、

俺はどうやら明日からAクラスに入るらしい、筆記の点数もよくて、戦闘テストもいろいろあったけど

一体目のタイムはAクラスに入るには十分なタイムだったようだ、そして、今日の戦闘テストは

俺がすべてのゴーレムを倒してしまったことで中止、明日、また作られたゴーレムを使って行われるらしい、今日は教師達は徹夜で作業をする羽目になったらしく、本当に申し訳ない



そして、話しを聞くと、俺はどうやらそこまで異常な生徒とは見られていない、

少し優秀で、剣による切断の能力を持つ生徒という印象を持っていたように思える

剣を使ったのが良かった、その分スピードもかなり落ちていたしな


危なかった、初日からいろいろ危なかった



外に出ると、すでに空は赤くなっていた、


俺が校舎から外に出ると、

「あ、タツヤ!」


校舎を出てすぐ、声が聞こえてきた

「ハル、それにリンも」


「うん!タツヤが最初に戦闘テストに入って、なにかトラブルが起きたって聞いたから心配になって

待ってたんだよ」


「そうか、二人ともありがとう、トラブルのことも何があったのか俺もよく分からなかったし、大丈夫だよ、リンもありがとな」


「い、いえ、待ったって言っても三十分程度ですし、かまいませんよ」


「そうなんだ、よかったよかった、それじゃ帰ろうか、私たちは宿暮らしで城下町なんだけど、タツヤもそこ通る?」


「ああ、大丈夫だ」


そして俺達は一緒に城下町まで行って、そこで別れ、家に向かっている途中、


「あ!タツヤじゃないか!」


「おーアベルじゃないかー」


帰りの途中でアベルと出くわしてしまった、


「トラブルと聞いたが大丈夫だったのか?」

ほう、どうやら本当に心配してくれたらしい


「ああ、大丈夫だ、お前に会わなければ本当になんの問題も無かったんだけど」


「なに!?」


昼の恨みだ、あれのせいで回りにかなり目立ってしまったし


アベルを見ると、本当に泣きそうになってしまっていたので急いで冗談冗談という



「ふん!まあいい、今日はなにかあってこの俺の天才的な戦闘を見せることが出来なかったが、明日は存分に見せてやるから覚悟しておけ!」


「はいはい、まあ応援してるよ」


アベルはそういわれて満足したのか、スキップで帰っていく


アベルと別れた後、街を歩いていると、ふとあることを思い出した


そういえば、龍と戦った時、エメラルドになったんだった、

いろいろありすぎて忘れていたが、これで俺は新しいエクストラスキルを獲得しているはずだ


魔石が置いてある広場は結構離れている、周りもすでにだいぶ暗くなっている


うーん、まあ今は特に確認しなくてもいいか


そうして俺は初めて学校に行った日を終えた。


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