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これが私の生きる道~国を追われた美の国第4王女~「私が貴女をマダムに変える、美の国王女の名に懸けて」  作者: 明けの明星


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テレーザと「家族」

ついにテレーザ王女と瑛子家族の再会です

ーオルト爺と婆の家でー


テレーザは自分に起きたことを話していた。

王族フェスタの「姫君格付けランキング」で最下位だったこと。

すると、婚姻予定の彩の国の態度が変わったこと。

結果、「消滅」が決まるも、寸でのところで姉たちに助けられて、この国へ飛ばされてきたこと。


その時。


その話になった時、テレーザの表情が曇った。

自分がここに居られるのは、犠牲があったからだ。

美の国が自分を探しもしないのはそのおかげだ。


「もうそれ以上、話さなくていいわ」

と婆さんが言う。

テレーザのつらそうな表情を見て察したのだ。


「あんたは、誰かの犠牲の上でここに逃げおおせたんだね。

その現実から目をそらしてはいけないよ。あせらなくてもよいが、しっかりとうけとめなくては。あんたが避けてばかりではうかばれない」

と婆さん。


「しばらくここに居るといい」

と爺さんが言う

しかし、


「そう言ってやりたいんだが」

と続けた。


「そうはいかない方向に進みそうだ」

と爺さん。


「ほらな」

とドアの方を見る爺さん、それとほぼ同時に、

ドンドンと扉を叩く音がした。


外からは数人の話声がする。

テレーザがハッとした顔をした。

この声は。


「お前さんを迎えに来たようだ」

そう言いながら爺さんがドアを開けた。


「あの、ここに女の子はいませんか?銀に近い金髪で、色が白くて笑顔が可愛い子」


「探しているのよ、いなくなっちゃって」


「早く見つけないと、夜も遅くなってきた」


「あの子がいなくなるなんて」


玄関先で口々に叫ぶ。


「さあ、お入りください」

爺さんがそう言って皆を招き入れた。


そこにいたのは、瑛子たちだ。

尊の位置情報を頼りに、この家を探し当てたのだ。


「みなさん」

テレーザが言う。

驚いた表情で。


「テレーザ!」

皆はそう言いながら駆け寄った。


「何をしているの?ここで。なんで勝手にいなくなるの。

皆どれだけ心配したか、どれだけ探したか」

瑛子が語気を強めて言った。

テレーザの手を握りしめながら。


今まで見たことがないような、険しい表情だ。

テレーザの手を強く握りしめてから、抱きしめた。


「やっと見つけた。よかった、無事で」

そう言いながら。


それから、

爺さんと婆さんの同席のもと、テレーザは都留田一家とすべてを話をした。

自分の事、今までの事、自分の身に起きたこと。


「私は美の国の第4王女、テレーザ」

そう言う姿は確かに気品があり、一般庶民とは違う。


が、しかし。


「ねえ、それほんと?なんか信じらんない」

と葵が言う。


「美の国っていったら5大王国だよな。そんなすごい国のお姫様、なん?おまえ」

と駆。


「王女がこんなところで一人、旅行者やってるって、マジ?」

と尊も不思議そうだ。


「数日でもきみがうちにいた以上、無関係というわけにはいかない。

今後を見届ける義務がある」

孝太郎が、堅苦しく言う。

なんとか追い出そうとしていたこと、は触れずにいるつもりのようだ。


「ねえ、これからどうするの?あなた一人でどうにかできるものじゃないでしょ。

一人で抱え込まないで、みんながついているのよ」

と瑛子。


「あなたのこと、もう家族のように思っているから」

と。


「家族」

テレーザがつぶやく。

そんな事を言われたのは初めてだ。


「そうよ、テレーザ。家族だよ」

と葵も言う。


その言葉に涙ぐむテレーザ。

自分のことを気遣ってくれる人たちがいる。

それが嬉しかった。

こんな誰も知る人のない、辺境の地なのに。


「まずは自分で生きていく術を身に着けることだね。一人でどうにかできるもんじゃないよ」

と婆さんが言う。


「それ、俺たちが手伝うよ」

と尊。


「テレーザ、剣術の修行すればいいじゃん、筋がいいってオオヤマさんが褒めてたし」

と駆も。


「姫さん、あんた。姉さんが迎えに来る、本気でそう思ってるのかい?

残念だが、わしにはそう言う未来が見えない」

と爺さん。


「このままこの国で暮らせばいいじゃない。それであなたが平穏に過ごせるなら」

と葵。


故郷との決別は辛い事だろう、しかし、そうすれば安泰なのだ。

それならば迷うことはない。


「テレーザ、おまえさんが今ここにいられるのも」

と爺さんが言った時、


テレーザの脳裏に、とある光景がうかんだ。

光の矢だ。

光の矢が一直線に何かを貫く。


「何があってもあんたは無事でいなければならん。それがあんたの義務だ。

あんたのために犠牲になった者たちへの弔いだ」

と爺さんが言う。

まるでテレーザの心情が分かっているようだ。


「そうね、私は私だけのものじゃない。

私は何としても生き延びる」

とテレーザ。


「みんな、協力するわ」

と瑛子。


「家族だから」


その言葉にうなずくテレーザ。

なんだか、勇気をわいてきた。


その表情をみた爺さんと婆さんが

「これがお前さんの運命ってやつだよ」

とつぶやいた。

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