2 どうやって爵位は産まれた?
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爵位には大きく分けて五つがあることになっています。細かいのでよく聞く公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵について解説していきますが、その他を最初にいくつか触れておきます。
王侯貴族という単語、聞いたことありますか? 偉い人達みたいなね。それと直接は関係あるかどうか知りませんが、王(皇帝も)は爵位ではありません。もし呼ぶならば中国から借りて天爵でしょうか、人爵が普段のやつです。最高位に居る者は天からの啓示を受けて君臨しているので、一般人とは違うんだよっていう、唯一無二の立場って話ですね。そういうことで陛下と呼称されるのは極稀な少数になります。呼称も後程綴りますね。
貴族とは爵位を持っている本人、これは家単位に与えられるので、100個の爵位を持っていても、家族では家長だけが保持しているものとされます。子供に分け当たるようなものではりません。一人で全てを相続します。(無論例外はありますが)
貴族の範囲は爵位持ちと妻、伯爵以上の息子、娘、子爵の嫡男と妻、男爵の嫡男と妻までを指します。そこより遠いと貴族から外れることになります。
話を戻して爵位、五つが最初からあったわけではありません。伯爵と男爵がまずありました。大雑把に伯爵が都市や城塞、或いは軍隊の司令官や部族の長などに与えられた称号で、男爵が王領の派遣代官のようなイメージです。もちろん地主、土豪が王に帰順してそのまま男爵や伯爵もありましたよ。
その後、王子を公爵にして権威を持たせました。そのうち臣民でも功績絶大な人物に公爵を与えました。暫くしてから侯爵なるものが登場します、イングランドでね。他ではもういたはずですが。王の友達、お気に入りに侯爵をプレゼント、いぇい! んでもって、アイルランド公爵にもしてやった。ダチだからw
暫くして、子爵が追加される。伯爵の子供に……ではなく(そういう側面もあるけど)カウントの補佐にヴァイカウント、副伯爵を作ったわけですね。それが子爵。軍隊になりますが大佐の代行に中佐が作られたり、大尉の副長に中尉があったり。日本語では解りづらいですが、このような表記です。
count カウント。なおイギリス君主に忠誠を誓っている、イングランドの貴族はカウントではなく earlアールと呼称されています。だからわかりづらいだけ。これが伯爵。
Viscount ヴァイカウント。子爵。Visが副とか補佐の意味合い。
Colonel カーネル。大佐。陸軍ではタイサ、海軍ではダイサって呼んでたって日本では。騒音で聞きづらいからかな、海では。
Lieutenant Colonel ロイテナント、ルテナン カーネル。中佐。代行、副長。大佐は出資者貴族、中佐が指揮官傭兵みたいなね。
Captain キャプテン。大尉。中隊長。海軍では船長ですね。
Lieutenant ルテナン。中尉。副長。なおこれはイギリス、もしドイツで中尉をルテナンって言ったら殴られます、ドイツでは少尉がルテナンで、中尉はオーバールテナンです(苦笑)
こういった補佐、副長、監視役の意味合いから生まれたとか、そうでないとか。少なくともイギリスでの順番はこうやって生まれてきました。