28.竜人族 国王視点
竜人族 陛下視点
「うま〜い!!!!!」なんだこれは!興奮し、竜の尻尾がバシバシと地面を叩きつける。
もぐもぐむしゃむしゃ・・・
食べるの止まらない。手と口の周りが油でベトベトである。
あれ???もうない。
うぅ・・・足りない。ぐるるるる思わず喉が鳴る。
このドーナツ??といった食べ物は美味すぎる!!!
甘い物は苦手だったが、これなら何個でもいける。
ふわふわ、サクサクの無限ループ···口いっぱいに幸せな味が広がる。あぁ〜何個でも食べられそうだ。
あぁぁぁぁ···幸せは短かった。
あの創造神が来るときはいつも厄介事を持ってくるのだが、今回はまともだった!
ただいつもよりも苛ついたけどな。
あの創造神の焦った顔、、、ハハハ
「ごめんこれあげるから許して。」って言うから遠慮なく貰った。
そして貰った物を食ったらすごく旨くて驚いた。
あの召喚騒ぎの者が作ったと言っていたな〜しかも神になっとか···ふむふむと腕を組み考える。
よしドーナツの神に会いに行くか!!!
そうと決まれば、弟に仕事を任せて、部下に指示を出されなければいけない。
「ルダス すぐ弟を呼び出せ。あと騎士団長、宰相も一緒に呼び出しておけ。」
ルダスは俺の従事者で仕事が早い。
「もう呼び出し済みですよ。本当にこのドーナツ?は美味しいですね。私ももちろん貴方と一緒に行きますからね。」
うぅ〜こいつが来るとなると、弟の仕事は大丈夫か?
あいつは脳が筋肉に支配されてるからなあ。
あと弟にこの件が伝わったら「絶対に行く」って言われそうだ。
弟はなんたって日本という異世界が大好きで、連れ戻したとき大泣きしていたからな〜
弟がいきなりいなくなって家族共々大パニックを起こしたが、当の本人は異世界満喫なんて、、、俺も日本に行ってみたい。
每日泣いてばかりの弟に、
「日本のことを教えて欲しい」と言った途端、泣き止んだかと思えばマシンガントーク。
毎日毎日日本がいかに素晴らしか聞かされた。
食べ物の話、筋肉の大会の話、動く箱、精密な絵はど···
そのせいで俺まで日本が好きになってしまった。
コンコンコン
この足音は弟か?
「兄様 お呼びですか?」
「あぁ待っていた。この後騎士団長と宰相も来るからその時に詳しく説明するが、暫く私は視察に出向かなければならないからお前に仕事を任せたい。」
「え〜視察ですか?私は冒険者ですよ。いい加減返して下さい。ギルドに緊急呼び出しがあったから帰ってきたのに···もう帰らせて下さい。」
あぁ〜弟は大分苛ついてるな。
「あれは悪かった。母が私達2人共に結婚をしていないからと···えーとなんだ心配らしい。私も何人もお見合いさせられた。」
「はぁ〜兄様は国王なんですから、政略結婚をして早く世継ぎを作って下さい。私はこの国の女とは結婚しません。あんな気が強い女は嫌です。」
昨日も自己主張が強いお見合い相手からすり寄られて吐き気がしていた···香水と身体から滲み出ている嫌な匂いに「臭い」と思わず呟くと頬を叩かれた。王弟にも関わらず···いい加減帰りたい。
「はぁ〜私もお前のせいで女が苦手になったよ。日本人?という国の女は思いやりがあるんだろう?そんな女性と結婚したい。」
この国の女性は強い。
竜だから強くて当たり前だが、身体の強さだけじゃなく、言葉も強い。
妻に一方的に捲し立てられている部下を何人も見たことがある。
また妻は子供を生んでから一切育児に携わらない。
なぜか?それは長寿の種族は子供が生まれにくい。そのため子供を生んだ女は周りから褒められ労われる。
産めない男はせめて子供を見ろと···後は全て旦那に丸投げである。
それだけじゃない。女は男に求めて当たり前という風潮があるため、ドレス、アクセサリーを要求される。
求めに答えられない者は離縁をされる。
私はドレスやアクセサリーを求められるのは別に良い。お金にも特に困ってないからな。ただ結婚をするならば、お互いに尊重し合える夫婦になりたい。
一方が無理をする、我慢するのではなく、どうすればもっと良くなるかなど、、、話し合える夫婦関係に憧れている。
これは弟から日本の女性の話を聞いたせいだ。
それまではこんな考えを持っていなかった。
父が母の無理難題をいつも聞いていたのが当たり前だった。
今ではその姿を目にすると嫌になる。
竜は運命の番と言われる者には愛を尽くすが、それ以外の政略結婚や恋愛結婚などの場合は、いくら男性が尽くしても女性側からの一方的な離婚もあり得る。
だから父は母のために頑張るのだ···そうでないとあそこまで国王が言いなりとは···ありえない。
男性は1度離縁をすると難ありだと思われ再婚が難しい、、、
過去に王族が離縁した時があった。その時は王宮が物凄く大荒れしたと聞いた、、、だから父は怖いのだ。
そのような風潮を変えたいがために、私はまだ結婚をしていない。
運命の相手を見つけたいが、早々見つかるものではない。せめて運命で結ばれていなくてもお互いが愛し合いたい、、、はぁ〜どこかにいないかな??そんな女性に出会いたい。
コンコンコン
「陛下、お呼びでしょうか?」
あぁやっと全員揃ったか。入れと声をかける。
「急に悪かったな。2人共。これから私は視察に行くことが決まった。だいたい2,3ヶ月視察にはかかる予定だ。その間の仕事を頼みたい。弟にも仕事をお願いしている。」
「急ですね!どちらに視察に?しかもそんなに長い期間開けるだなんて、いったいどこへ?」
宰相目ざといな···流石俺が見込んでスカウトした男だ。
「神獣の森だ。」
「「え?」」
弟まで驚いている。
「昨日創造神が来た。この前の異世界召喚を覚えているか?その時に召喚された者が新たにこの国の神となったらしい。まだ勉強中らしいが、この世界に害になるのか確認をしてくる。」
「神に??また創造神様は凄いことをされますね。かしこまりました。護衛の手配を騎士団長お願いできますか?」
「は!かしこまりました。神獣の森ですと何名ほど連れていきますか?」
「うーんそうですね。2名でいいのではないでしょうか?陛下はそちらのルダスも連れて行くのでしょう?」
「もちろん。連れて行くぞ。」
「いつ出発されますか?」
うーん、早く行きたいから
「出来れば明日出発をする。神と入れ違いになったら嫌だからな。あと神獣の森は神獣に会えるまで時間がかかるだろう。早めに出発しておきたい。」
「かしこりました。では手配と、弟君にしっかり引き継ぎを御願いします。」
では準備を致しますので、失礼します。バタン
ふぅー無事に行けることが決まって一安心である。
弟には今から引き継ぎをして、母には見合いをやめるように伝えなければ。
「ルダス 母に早急に会えるように取次を。」




