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うえるかむわーるど  作者: 夜皇帝
第一章
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第九話

早めの投稿とか言いながらまたまた遅くなり申し訳ございません。

大変お待たせ致しました。お楽しみいただければ幸いです。

翌朝


「行ってきます」


いつも通り美蘭は両親に挨拶してから外に出る。


「「美蘭!」」


外には瑞香と明乃が待っていた。


「ありがとう助けてくれて。まさか美蘭がきてくれるとは思わなかったよ」


「あの後助けに行ったんだね。明乃だけじゃなくてみんなも助けるなんてすごいね!」


「無事で良かったよ。明乃」


友達の無事と元気な様子を見て美蘭は嬉しく思う。


「でも、どうやって助けられたの?」


「え?」


「私も気になる!どうして場所がわかったの?誘拐犯とかどうしたの?」


「え……えっと……」


ケンヤたちのことを言えるはずがなく、うまい言葉が出てこない。


「秘密……かな」


「え~!?なにそれ!?教えてくれないの!?」


「これは言うことができないの。ごめんね」


「なにそれ~」


明乃は不満げに口を膨らませる。


「美蘭には私たちの知らない秘密があるのかな」


「うん。そうゆうことだよ」


「瑞香は気にならないの?」


「誰にだって言えない秘密はあるよ。無理やり聞くのは良くないでしょ」


「ありがとう瑞香」


「わかった。私も聞かないよ」


「明乃もありがとう」


深く尋ねてこなかった友達に美蘭は感謝を述べた。


「立ち話はここまでにしてそろそろ行こう」


「そうだね」「うん」


集まった三人は高校に向かって歩き始めた。


・・・・・。


「東!」「東さん」


教室に入った美蘭を出迎えたのは、美蘭が助けた数人のクラスメイトだった。


「助けてくれてありがとう」「もうだめかと思ったよ」「すげーな東!」「本当にありがとう」


「え……えっと……」


色々と言われて美蘭は困惑してしまう。


「一気に人気者ね、美蘭」


「あはは……」


「東」


すると一人の男子生徒が近づく。美蘭が最初に助けた相庭だった。


「相庭君」


「ありがとう」


「こっちこそ協力してくれてありがとう」


「なんだなんだ?もしかしてそう言う関係だったのか?」


「なに言ってんだよ……」


クラスメイトによって笑いに包まれた。


(みんな……無事で良かった……)


その時、教室の扉を開けて教師が入ってきた。


「ホームルーム始めるぞ。席に着け」


生徒全員が席に着き通常のホームルームが始まった。


・・・・・。


下校中


「あ!お姉さんだ!」


美蘭に小学生くらいの子供が寄る。美蘭に姉妹はいないので知らない子だ。


「お姉さん。助けてくれてありがとう!」


連れ去られていた子供のようだ。


「どういたしまして。怪我とか大丈夫?」


「うん!」


元気な笑顔を見せる。


「あっママ~!このお姉さんが助けてくれたんだよ!」


子供の母親が近づく。


「うちの子を助けていただいてありがとうございました。なんとお礼をしたら……」


「いえお礼なんて、私も友達を助けたいって思ったら体が勝手に……」


「本当にありがとうございました」


「ありがとうお姉さん」


頭を下げて親子は去っていった。お礼を言われて少し嬉しくなった美蘭は軽やかな足取りで帰った。


・・・・・。


「はあ……」


自宅に帰った美蘭はテーブルの上に突っ伏す。


「お疲れ様でした」


ケンヤが美蘭に飲み物を用意する。


「ありがとうございます」


「どうしました?」


「色んな人からにお礼を言われて、友達とかクラスメイトとか他のクラスの人たちからも、部活の人から知らない親子からも……」


「美蘭英雄だな」


マザンが笑いながら美蘭をモテ囃すが、嬉しくないのか少し嫌な表情を見せる。


「お礼を言われるのは別にそんな嫌なことじゃないだろ?」


「誘拐犯を捕まえたのはケンヤさんたちじゃないですか」


美蘭が起き上がり飲み物を口にする。


「“どうしてわかったの?”“誘拐犯倒したの?”ってみんなに言われて、返答に困りましたよ……」


「私たちのことは言えませんか?」


「秘境界の人間に他世界から来たなんて信じられないと思うけどな」


「僕たちの存在がバレるのはだめ」


「じゃあしんせきの人が協力してくれた。なんか俺たちのことそう友達に伝えたんだろ?」


「それなら誤魔化せるかもしれない。明日から聞かれたらそう答えな」


「わかりました」


美蘭はスマートフォンで現在時刻を確認する。


「そろそろ夕食の準備始めますね」


「今日はマザンにも手伝ってもらいますよ」


「え~なんで僕も……」


「いつも美蘭さんは私たちにとても美味しい料理を作ってくれるのですよ。料理だって簡単に作れるものではないんです。お礼として少しでも力になろうとは思わないんですか?」


少しの沈黙の後マザンがため息をついた。


「わったよ」


渋々と立ち上がった。その言葉にケンヤは満足そうに微笑んだ。


「ありがとうございます。マザンさん」


「四人も密集して鬱陶しいとか思わないの?」


「全然思いませんよ。部活でもみんなと作ってますから、むしろ楽しいですよ」


「あっそう」


美蘭は三人に手伝ってもらいながら夕食の準備を進めていった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

夕食には美蘭の家族とケンヤたちの六人分の料理が食卓に並んだ。とても華やかな見映えから美蘭の料理の腕の高さが窺える。


「「「「「「いただきます」」」」」」


手を合わせてから美蘭の料理に手をつける。


「うん。今日も美味しいよ」


「ありがとうお父さん」


一度口に運ぶと次から次へと箸が動く。


「どうですか?自分が手伝った料理を食べるのは」


ケンヤがマザンに聞く。


「なんも変わんない」


ケンヤは嘆息をもらした。


「また上手くなったわね」


「いつも部活でやってるから」


美蘭の料理の腕前は両親の自慢でもあった。


「そういえば、誘拐事件解決したんだってね」


美蘭の父親が話題を作る。


「拐われた人たちが戻ってきて本当に良かったわ」


「事件の間、美蘭を守ってくれてありがとう」


「少しでもお力になれて良かったですよ」


代表してケンヤが言葉を返した。


「本当にいい人たちだね。いっその事僕の息子にならないかい?」


「お父さん、冗談はやめてよ」


父親の冗談にみんなが賑やかに笑った。


「………」


こんな良い雰囲気がずっと続けばいいのに、美蘭はそう思っていた。


「では、私たちはそろそろ帰りますか」


(えっ…!?)


「誘拐事件は解決したし、もう残る理由はないな。さすがにこれ以上迷惑はかけられないし」


「そうだな」


「………」


三人の言葉に一気に現実に引き戻される。異世界から来た三人はいつかは帰らなければならない。この世界で共にはいられない。


「いつ帰るの?」


「もう明日の朝にでも」


「そんなに早く?」


「もう少しゆっくりしてもいいんだよ」


「居候の分際で長居できませんよ」


「そっか」


「短い間でしたけど、お世話になりました」


ケンヤ、キザミ、マザンが同時に頭を下げた。


「こちらこそありがとう」


「気が向いたらいつでも遊びに来ていいからね」


「ありがとうございます」


両親からの温かい言葉にケンヤが笑みで返した。


「………」


その後も、三人は秘境界での最後の晩餐を美蘭の両親と共に楽しんだ。とても楽しい雰囲気のはずなのに、美蘭は一人気分が沈んでいた。


・・・・・。


晩餐を終えて美蘭の部屋に戻ってきた四人。豪華なご馳走を食べた三人が早速くつろぎ始める。


「久々の秘境界だったな~色々と巡れたしもう満足」


「マザンはともかく、俺たちは滅多に来れない世界だから新鮮で楽しかったよ」


「そうですね」


異世界から来た三人が口々に感想を言う。もう少しで帰ってしまうと思うと胸が締め付けられる。


「美蘭さん。部屋をお貸しいただきありがとうございました。美蘭さんと過ごした日数はわずかですが、とても楽しかったですよ」


ケンヤが少女のような優しい笑みを見せる。キザミもマザンも同意して頷いてくれた。眩しい笑顔は込み上げてくるものがあり、


「あ……あの!」


我慢できずに、しばらく黙っていた美蘭がようやく口を開く。三人は美蘭に視線を向ける。


「ケンヤさん、キザミさん、マザンさん」


心の底からの想いをはっきりと伝えた。


「私も……私も一緒に連れてってください!!」


「えっ……?」「ん?」「はい?」

ここまで読んでくださりありがとうございます。今回も話を少し区切って投稿しようと思います。次話も楽しみにしていただければ幸いです。

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