01~ 天然偽善者の日々 ~
初めまして、真田友汰です。
今回初めて小説を書き始め、小説家になろうに投稿してみることにしました。
初めてで面白くないところもあるかもしれませんが、読者の皆様が面白いと思えるような作品を書いていきたいので感想や誤字脱字など教えてくださると嬉しいです!
面白い作品に出来るように頑張って行くので応援してくださると嬉しいです!
⚠1話から4話ぐらいまで、1話1話の文字数が多いのでそこは、気をつけてくださいね。5話からは少なくなってます!
朝の日差しが窓から俺の顔を照らした。
俺は眩しくて目が覚めた
「ふぁ〜よく寝た」
グググッと背伸びをし、時計を見た。
「はぁ?! もうこんな時間?! やっべ!! 」
既に時刻は8時を回っていた。
高校生活初日から遅刻はやばいって!
家から学校まではチャリ通だ。だが自転車を全速力でこいでも30分以上かかる所にある。
「くっそ、こんな時に限って母さん仕事かよ」
朝食をとる時間もなく急いで制服に着替え家を出た。
俺は交通ルールに気を付けながら自転車を全速力でこいでいた。
はぁはぁ、やべぇこりゃ完全に遅刻だな。
そう思った時だった目の前の横断歩道で倒れているお婆さんを見つけた。
大丈夫か? あのお婆さん早くしないと信号変わっちまうぞ。
俺は急いでお婆さんの所に自転車を走らせた。
どうせ遅刻するんだ、人助けぐらいしといて遅刻した理由にするか。
俺は自転車を急いで停めお婆さんに駆け寄った。
「お婆さん、大丈夫ですか?! 」
「うぅ、ちょっと足をつってしまってね。手伝ってくれないかい? 」
「つったんですか? 大変ですね。ちょっと我慢してくださいね」
俺はしゃがみこみ、お婆さんの肩に腕を回し立たせた。そしておんぶをして自転車を停めた方に一旦戻った。
大丈夫なところまで来てお婆さんを背中からゆっくりと降ろした。
「助けてくれてありがとねぇ」
「いえいえ、全然っすよ! それより、足は大丈夫ですか? 家まで送りますよ! 」
「いや、いいよー。学校に遅刻しちゃうよ? 」
「いえ、もうどうせ間に合わないんで気にしないでください」
俺は頭を掻き苦笑いをしながら言った。
「そうかい? それならお言葉に甘えさせてもらうよ」
お婆さんは嬉しそうな顔をして言った。
人助けするって結構いいもんだな〜。
俺はお婆さんが持っていた荷物を自転車のカゴに入れ、お婆さんの歩くスピードに合わせてゆっくりと自転車を押しながら歩いた。
「ほんとに助けてくれてありがとねぇ、名前は? 」
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ!
名前は真田刀夜です」
「刀夜くんは何歳なんだい? 」
「今は15歳です。今日から高校です!」
「おや、初日から遅刻かい? 」
「あはは、ちょっと寝坊しちゃって」
などと何気ない会話をしながら歩いていた。
「もうここだから、いいよ。色々ありがとねぇ」
「はい、では俺はこれで」
俺はお婆さんに荷物を渡し、自転車に乗り急いで学校に向かった。
結構時間かかっちゃったな。着く頃には入学式は終わってるだろーなー。
俺はやっとの事で学校に着き、急いで教室へと向かった。
ガラッ
ドアを開けるとちょうど先生がこの学校についの説明などの話をしていた。
「おい、真田! 遅刻だぞ! 何時だと思ってるんだ! 」
ザワザワ
「いや、すみません。寝坊して急いでたらお婆さんが倒れてたので家まで送っていたら遅くなりました」
「寝坊した時点で遅刻してただろ! 」
「あっ」
「「「「プッ」」」」
やべ、寝坊した事隠すの忘れてた。なんかクラスの人に笑われたし。
「もういい席に着け、次からは気を付けるんだぞ」
そう言われ俺は自分の席を見つけ席に着いた。
隣の人をふと見ると、黒髪のロングストレートの清楚な人がいた。でも、顔立ちから見るにちょっと口数少なそうな人だな。美人だけど。
はっ、いかんいかんあまり見てると変態扱いされる。
それから自己紹介があり、隣のクールで美人な人の名前は塩崎 春香というらしい。
塩崎っていかにも塩崎さんが塩対応って言ってるもんじゃん。
心の中で笑っていると視線を感じた。顔を上げて視線を感じた方をみると塩崎さんがこっちを見ていた。
えっ、心読まれた?! それとも顔に出てたか?!
「貴方、今失礼な事考えてなかった? 」
「え?いや、そんなことナイヨ? 」
「そう、なら良いのだけれど」
ふぅー、良かった。完全にはバレてないんだな。てか、何故こんなにも勘が鋭いのだろう。怖いからなるべく関わらないようにするか。
今日は入学式だったという事で午前中に帰ることになっていた。
皆がポツポツと帰り始めているので俺も帰ろうと帰る支度を始めた。
「よー! もう帰んのか? はぇーなー! 」
なんだ、俺に話しかけてるのか? 誰だろう。一応返事しておくか。
「そうだね。特に何もすることがないから帰るよ」
「遅刻しといて帰るの早いってちょっとズルくないか? 」
ニヤニヤと笑いながらその人はそんなことを言ってきた。しょうがないだろお婆さんを助けてたんだから。
まぁ、普通に寝坊もしちゃったから何も言えないわけだが。
「ズルいと言われてもどうする事もできないしね。ところで君の名前は? 」
「俺の名前は、谷川 洋太よろしくな真田刀夜くん! 」
「あ、あぁよろしく」
「それにしてもお前身長ちっせぇな! 何センチなんだ? 」
「あぁ? 166じゃ、ボケェ! 」
クソ、身長小さいのは言われたくないな。下に見られてる気分がして嫌だ。
「ちっさ、可愛いなぁ? 」
ほらみろ。こんな風に笑ってくるやつがいるから嫌なんだ。
俺はこいつと話すのが嫌になったからさっさと帰ることにした。
「じゃあな、俺は帰る」
「あぁ、じゃあな。明日は遅刻すんじゃねーぞー? 」
「うっせ! 」
はぁ、なんか初日から疲れたな。隣の席の塩崎さんは怖いし、谷川とか言うやつはウザイし。
明日から1年間ずっとこの1年B組かー。
ま、のんびり過ごすかー。
◆◆◆
それから数日特に何も無い日が続いていた。
俺は今日何となく家に真っ直ぐ帰りたくない気分だった。てきとうに自転車を走らせていると、気になるものを見つけた。
「なんだこれ」
それはガチャガチャだった。
目立つように赤い字で、先着1名様! 今日限りしか手に入らない特殊なアイテム! と書いてあった。
いかにも詐欺くさかったが何故か目を引かれ気づけば俺は自転車を停めてガチャの前に立っていた。
「まぁ、300円だしやってみるか」
俺は安かったので興味本位で引いてみることにした。
チャリン ガチャガチャ、ガチャガチャ
コトンッ
おっ、ちゃんと出てはきたな。よかったよかった。
んで、肝心の中身は何なんだろう?
パカッ
中にはカードの様なものが入っていた。
なんだこれ? どうやって使うんだ?お、丁寧に説明書まで付いている。ありがたい。
説明書を読むとこう書いてあった。
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このカードの数値が1000になると指定した1人の女性から好意を持たれます。なお、この数値は良い事をすると1上がります。貴方は既に良い事を1回しているので、カードには1が表示されています。なお、逆に悪いことをすると数値が2減るのでご注意を
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なんだこれ、なんか凄いの手に入れたような気がするんだけど。もしかして、いい事めっちゃしたらハーレム作れる?! やべテンション上がってきた。よし! いい事しまくるぞ!
これは神様がくれたチャンスか? いや、ご褒美かも? あのお婆さんを助けたご褒美かな? まぁ、いいやこれからの生活が楽しくなりそうだ!
でも、まだ能力使ってないから本当に効果が出るのかわかんないな・・・
ま、特にやることはないからとりあえず1000貯めたら分かることか!
俺は寄り道する気がなくなったので、そのまま家に帰ることにした。
帰ってる途中に自動販売機があった。そこには飲み干された缶がポイ捨てしてあった。
俺はほんとにさっきのカードが機能するのか確かめるために空き缶を近くにあったゴミ箱に捨てた。
カードをポケットから取り出し確認した。
■善2 悪0 計2■
わぉ?! まじで上がってる! すげぇー!
俺は感心しているともう日が暮れかけていることに気が付き、家に帰った。
いやー、まさかこんな物が手に入るなんて。でもまだ1000にならないとよくわかんないんだよなー。頑張って地道に1000にしてみるか。
てか、いい事って何を基準にしてるんだろうなぁー。
俺はそんなことを考えていたらだんだんと眠くなってきた。
まぁ、明日からいい事やってくか。そして俺は眠りについた。
「ふぁ〜」
もう朝か。
よし! 今日から頑張るぞ!
俺は家を出てから落ちているゴミを拾ったり、道に迷っている人を案内したりしながら登校した。
学校に着いていたからカードをみると数値が13もあがっていた。
今のカードの表示はこうだ
■善15 悪0 計15■
おー! 13もあがってる! 結構順調だなぁ。この調子でどんどんいい事していこーっと。
「朝から何ニヤニヤしているの? 」
「いや、別に?! 」
俺ニヤニヤしてたか? 気持ち悪がられた? 気をつけよう。
隣の席の塩崎さんはいつもいきなり話しかけてくるからビックリするんだよなー。
塩崎さんはこの高校に入学してすぐなのに、その恵まれた容姿や頭脳、身体能力で学校で知らない人はいない存在になっていた。この学校の美人ランキングトップ5に入るほどだ。ちなみに塩崎さんは4位だ。美人だが性格がキツイからだろうか。
その他の人はよく分からないが、トップ1、2、3は全員俺と同じ学年の人らしい。同じ学年に美人のトップの人が4人もいるなんて凄くないか?
それに1位の人は俺と同じクラスの佐藤 優花さんだ。
同じクラスに美人ランキングトップ1とトップ4がいるって凄くない?
凄いよね!
「またニヤニヤしてる気持ち悪いわね」
「酷い言われようだな! おい! 」
「正直な感想を述べたまでなのだけれど? 」
「あ、はいそうですか」
俺は何も言えなくなって黙り込むしか無くなった。
・・・・ん? んんん?! 待てよ? 俺がガチャで引いたカードの能力使って1000貯めればこの学校の美人と付き合えるんじゃね?! うおー! やる気出てきたー!!
おっと、いかんいかん。またニヤニヤしてしまうところだった。
これからどんな感じでポイントを貯めていくかを考えたりしていたらいつの間にか昼休みになっていた。
「よっ、刀夜! 生きてるかー? なんか今日はいつもより授業集中してなかったな」
「いつもよりってなんだよ! いつもはちゃんと集中してるよ!」
全く洋太は失礼なことを平気で言ってくるからタチが悪い。
まぁ、そこが一緒にいて楽しくて落ち着くからいいか。
俺と洋太は入学式の日話した次の日からもちょっとずつ会話をしていくようになり、今ではいつも一緒に居るようになった。
「ハハハ、何か考え事でもしてた? もしかして好きな人の事とかか?」
「ふぁっ? べ、別にそんなんじゃねーし! 」
まずいぞ、カードの能力を知られるわけにはいかないからな。絶対に変なことは言わないようにしないと。
「ふ〜ん。とうとう刀夜に好きな人が出来たのか」
「だから、違うわ! 」
否定してるのに問いただしてくるなー。めんどくせー。
まぁ、気になってる人はいるっちゃいるんだけど。
「誰々? もしかしてこのクラスの塩崎か? 隣の席だもんなー?」
「いや、ない。あの性格は怖すぎるよ?! 」
「あはは、そうだなー。あ、じゃあ美人ランキングトップ1の佐藤優花か? 」
「ハッ?! そ、そんなわけナイダロー? 」
くっ、こいつ気になってる人を当てやがって。
なんとか誤魔化せるか?
「お、図星かなー? 」
「ナンデワカルノ? 」
なんでバレてるんだ? え? こいつもしかして
「お前、なんか心を読む的な能力持ってやがるな?! 」
「何言ってんだ刀夜。お前嘘つくの下手クソすぎるだろ。図星だとカタコトになってんだよ」
「え? 嘘。俺的には完璧に誤魔化せた気がするのに」
心読む的な能力を本当に持ってないか怪しいところだな。
今はそんなこと考えてる余裕ない・・・
「んで、佐藤さんのこと好きなんだろ? 」
「い、いや。別に好きってわけではなくてだな・・・ただちょっと気になってると言うかそんな感じ」
俺は恥ずかしすぎて手で顔を隠した。
「ふ〜ん。ま、美人ランキング1位の佐藤はそうとうレベル高いからなー。頑張れよ。相談ならいつでも乗ってやる」
洋太はドンと来いと言わんばかりに胸を張って親指でグッドサインを送ってきた。
「お前に相談とかしたくない・・・けど他に相談する人もいないからその時はよろしく頼む」
「おう! 」
そんなこんなで俺は気になっている人(?)を洋太に知られてしまった。
まぁ、考え方によっては相談相手になってくれるから良かったのかもしれないが。
俺はふとカードが気になって見てみると
えっ?!
そこにはなんとポイントが5ポイントあがっている表示がされていた。
■善20 悪0 計20■
なんで5ポイントもあがってるんだ?
洋太と話しただけだよな。いい事がどこにあったんだ? 洋太が喜ぶようなこと言ったっけ?
まぁいいや。話すだけでもポイントがあがる事がわかっただけ大発見だな!
「そういえば、刀夜。お前っていっつも弁当自分で作ってるのか?」
「ん? まぁね。お母さんは仕事で忙しいからね」
「へ〜偉いな。俺だったらてきとうに買って食うぞ? それにしてもお前少食過ぎない? 」
「しょうがないだろ? 俺も好きで少食になったわけじゃねーよ!」
俺は家族以外誰にも話したことは無いが、ある事がきっかけで少食になったのだ。
「てか、弁当作るの上手いな」
洋太は何故か意味ありげな笑みを浮かべてきた。
なんだ? 気持ち悪いな。
「あ、ありがとう」
とりあず褒められたことには変わりはないからお礼は言っといた。
「あ、そういえば聞いたか? 」
「なにを?」
「美人トップ2位の〜〜〜〜〜・・・」
などと日常的な会話をしながら、俺と洋太は昼ご飯を食べた。
昼休みが終わり午後の授業が始まった。
もう5月に入りそろそろ委員会などを決めないといけないらしい。
委員会か、面倒くさいな。どうせ入るつもりは無いし寝とくか。そう思い、机に突っ伏して眠りに入った。
「〜きて、〜〜〜くん。〜き〜。〜な〜くん! 」
誰かが俺を呼んでいるような気がする・・・
眠いからまだ寝とこ。そう思った瞬間体を揺さぶられた。
「んぁ〜ん? 」
誰だよ全く、人がせっかく気持ちよく寝ていたのに。
「真田くん、起きた? 」
「うん〜、起きたよー」
眠くて棒読みになってしまった。
ん? てかこの優しい声聞いた事あるな。
俺は寝ている脳をフル回転させ記憶の中から探しだした。
この癒されるような優しくて甘い声は?! もしかし美人ランキング1位の佐藤さん?!
「えぇぇー?!!! 」
俺は思わず声をあげてしまった。
美人ランキング1位のそして、俺が今気になっている人に起こされた衝撃で眠気が一気に吹っ飛んだ。
「わっ、どうしたの?急に大きな声出して」
「あ、いやごめんなさい。ビックリしちゃって」
なぜ佐藤さんが俺を起こしてくれたんだろう?
その理由は佐藤さんが次に言った事でわかった。
「次、教室移動だよ? 急がないと遅れちゃうよ? 」
「えっ? あぁ、忘れてた! 起こしてくれてありがと佐藤さん。でもなんで俺なんかを起こしてくれたの? 」
「目が覚めた時1人だけ教室にいると混乱するでしょ? それに授業に遅れたらダメだからだよ? 」
佐藤さんは優しく微笑んで言ってきた。
うわぁ〜。なんて優しい人なんだろう。なんか癒されるなぁ〜。
「佐藤さんって優しいんだね」
「そんなことないよ? というか、早く準備して! 急がないと!」
「あ、うん」
俺は急いで準備をして佐藤さんと一緒に移動した。
授業にはギリギリ間に合ったが、教室に入った瞬間ものすごい注目を浴びた。
そりゃこんな美人で可愛い人と一緒だと目立つよな。てか男子の視線が痛い・・・
急いで席に着くと隣の席の塩崎さんに話しかけられた。
「あら、やっと起きてきたのね。それに佐藤さんと随分仲良くなったみたいね」
「佐藤さんが起こしてくれたんだ。佐藤さんは誰かさんと違って優しいからね」
「誰かさんって私の事? 」
「他に誰がいるの? 」
俺は冗談で言ったつもりだったが、塩崎さんが睨んできたのですぐに謝った。
「冗談です。ごめんなさい」
あ、これって悪のうちに入るのかな?
そう疑問を持った俺は急いでカードを確認した。
■善35 悪2 計31■
あー!!! やっぱり減ってた。ん? でもなんで悪の表示が2なんだろう。
気にしてもしょうがないか。
嫌なことを言ってもポイント減るとは・・・結構難しいな。いや、我慢して1000ポイント目指すぞ! やっと俺にも春が訪れるだから!
「真田くん。そういえば貴方委員会、文化委員に決まってたわよ」
「え? 嘘だよね? 」
「嘘じゃないわ。貴方が寝てる時に決まったのよ」
「・・・・・・なんだってぇーーー!!! 」
くそ、寝とくんじゃなかった。文化委員なんて掲示物貼ったり文化祭とか色々行事ごとについて活動する委員会だったよな。くっそ面倒くさいじゃん! ただでさえ、ポイント貯めなきゃいけないのに最悪だぁー!
◆◆◆
俺は文化委員の仕事を黙々とやりながらポイントを貯めていった。
どんな事でポイントを貯めたかというと、同クラスで同じ委員の佐藤さんの手伝いなどをして貯めていた。
いやぁー、佐藤さんと同じ委員だったからまだましか。いや、マシというよりラッキーじゃん! よっしゃ! いい事して好感度もアップしていこ!
「真田くんいつも手伝ってくれてありがとね」
「いいよいいよ、俺も助かってるしね」
「え?私特に何も手伝ったりしてないけど? 」
あっ、やべぇさっき考えてた事で変なこと言っちゃった。何か言わないとなんて言えば・・・
「え、えとーあっ! そう俺委員会なんて面倒くさくてやりたくなかったけど、佐藤さんと話してると楽しいし、俺あんまり女子と喋るの得意なほうじゃないから助かってるっていうかそんな感じ? 」
「あ〜! そゆことね。でもあんまり無理しないでね? 頑張りすぎても体に悪いから」
「あ、うん。全然大丈夫! むしろもっと頼ってって感じだよ!」
「そう? なら必要ときはまた頼らせてもらうね? 」
「うん」
はぁ〜。佐藤さんとこんなに楽しく話せるなんて入学してすぐの頃は思ってもなかったなー。
「あ、そういえば真田くん。さっき委員長がこの掲示物貼り終わったら1階の掲示物の方手伝いに来てだってよ。結構量が多くて大変みたいだから」
「ん、わかった。もう終わるから行くか。そういえば俺まだ委員長の顔見た事ないな」
「そうなの? じゃあ今から見れるから良かったじゃん! 」
「そうだね、一応挨拶もしないとだしね」
何が良いのかはよく分からないが、会って挨拶はしておこう。何やら美人ランキング5位の2年生らしいからな。
俺と佐藤さんは掲示物を貼り終わったため、1階の方に手伝いに来た。
「そっち、貼っといてくれる? 」
「わかりました」
などと、忙しそうにしていた。
「委員長、2階の掲示物貼り終わったので言われた通り手伝いに来ましたよ! 」
「お〜、ありがとな〜。結構量があって大変なんだよー! 」
と言いながらこちらに振り返えって言ってきた。
「え? 刀夜お前文化委員だったのか? 」
「ん? えっ!!! みゆ姉ちゃん?! 」
まさか、美人ランキング5位の2年生で文化委員の委員長やってる人がみゆ姉だったとは。まぁ確かに顔も美人でポニーテールのちょっと茶色い髪と目でスタイルも抜群だけどまさか美人ランキング5位の人がみゆ姉とは思いもしなかったな。
言ってなかったが佐藤さんの髪は赤っぽいピンク色でボブだ。
「みゆ姉が美人ランキング5位って、他にもっと美人な人とか可愛い人いそうだけど・・・」
「おい、刀夜!酷いぞ?! お姉ちゃん傷ついたよ? 」
「あー、ごめんごめん。別に可愛くないって言ってるわけじゃないよ? 」
「じゃあ、刀夜からはどう見える? 」
あ、めっちゃニヤニヤして聞いてきてる。これはドSスイッチ入っちゃったな。でもここで可愛くないって言うと殴られそうだな、それに佐藤さんからの好感度が下がっちゃう。
「可愛いと思うよ? 」
いざ面と向かって可愛いって言うのってやっぱり恥ずかしいぃぃぃ。
俺が下を向いて顔を赤くしていると、みゆ姉が下から覗いてきた。
「あれぇ? 顔赤くなっちゃってかあわいいー! お姉ちゃんと結婚する? 」
「んな! やっぱり可愛くない! 」
あれ、俺なんでこんな恥ずかしいんだ? 結婚する? とか言われたからか。
「ニヒヒ。昔はよく、みゆ姉大好きって言ってくれたのになぁ?」
うぉぉぉ、昔の事言わないでぇ!
それに佐藤さんも聞いてるからぁ〜!!!
そこで、ずっと微笑んで会話を聞いていた佐藤さんが口を開いた。
「真田くんと委員長って姉弟だったんですか? あれ? でも委員長の名前って確か橘深雪でしたよね? 」
「あ、あぁ。ほんとの姉弟ではないよ。昔よく俺のお世話してくれて、お姉ちゃん的存在だったからみゆ姉って呼んでる」
そう、俺とみゆ姉はほんとの姉弟ではないのだ。
だから結婚しようと思っても本当に出来ちゃうからめちゃくちゃ恥ずかしかったんだと今気づいた。
「昔の刀夜はもっと素直で可愛いかったのにねぇー? 」
「うるせぇ! 」
なんでみゆ姉は平気でこんなこと言えるのかが不思議でたまらない。
「橘先輩と真田くんってそんな関係だったんだー? なんかいいね! 」
「何もよかねぇーよ! 」
前までは色々と助かってはいたが、この歳になるともう迷惑でしかない。
「あ、もうこんな時間だ。刀夜はあっちの方やって。佐藤さんはこっち手伝ってくれる? 」
「わかったよ」
「わかりました」
そんなこんなでやっと全部の掲示物を貼り終わった。
「真田くんお疲れ様。それにしても凄い量だったね」
「佐藤さんもお疲れ様。ほんとビックリするぐらい凄い量だったよね。しかもみゆ姉がからかってくるし」
「アッハッハ、まぁいいじゃないか。可愛い可愛い弟みたいな存在なんだからな! しかも反応が一々面白いしな」
「確かに真田くんの反応って見ていて飽きないですよね」
え? 佐藤さんまで何言っちゃってるんだ?
「お〜! 佐藤さんはわかってくれるか! 流石美人ランキング1位だな! 」
「いえいえ、そんなランキング1位とか別に関係ないですよ? そもそもあんまり興味ないですしね」
これだよこれ。佐藤さんは褒められたりしても自慢したりしない謙虚な所がまた好感度高いんだよね。
「ま、今日は2人とも手伝ってくれてありがとな。また手伝いに来てくれよ? 」
「はいはい、わかったよ」
「わかりました。また手伝わせてください! 」
やっと委員会の仕事が終わった〜!
「真田くんそれじゃ、また明日ね! 」
「うん。また明日」
はぁ〜〜〜。今日はめちゃくちゃ疲れたな。
ポイントどんな感じだろう。
■善642 悪21 計600■
お、ちょうど600ポイントか。あと400ポイントで1000だ!
それにしても結構悪ポイントが高いな。みゆ姉との会話では全然悪ポイントは全然あがってないな。よかったー。
よし、俺も帰るか。
俺は靴を履いて外に出るともう結構日が落ちていた。
「うわ〜、結構暗くなってきたな。早く帰らないと母さん心配しそうだな」
急いで帰るか。母さんは心配性だからな〜。
昔友達と遊んでいて中々帰らなかった時なんかは誘拐されたんじゃないかと心配して警察に通報したぐらいだ。
ホントにあの時はビックリしたなー。あ、やべ急いで帰らないと。
そうして俺は急いで家に帰った。
「ただいま〜」
「あっ! おかえり刀夜。いつもより遅かったから心配したわ」
「ごめんごめん。委員会の仕事に結構時間かかっちゃって」
「あら〜。そうなの? じゃあ次から遅くなる時は連絡してね?」
「わかったわかった」
ほんとに心配性過ぎてこっちが逆に心配だな。
俺は風呂に入り、母さんと食事をしながら会話をしていた。
「あ、そういえばみゆ姉って俺と同じ学校だったんだね」
「あー。そうよー? 今日会ったの? 」
「うん。同じ文化委員で委員長してた」
「みゆちゃんが委員長ねー! 凄いわ。あ、そうだ今度またうちに遊びに来てねって伝えといてね」
「わかった」
母さんもみゆ姉とはかなり仲が良く昔はうちでいつものように遊んでたっけな。懐かしいな。
いつだっけなみゆ姉と出会ったのは・・・。
あれはある年の12月の真冬におこった事故のあと・・・
うっ・・・思い出そうとするとものすごい頭痛に襲われる。
頭が痛くなったのでこの事を思い出すのをやめ、もう寝る事にした。
「母さん、もう寝る」
「わかった。おやすみなさい」
母さんが俺が急に頭痛に襲われたことを察して心配そうな顔をして刀夜の後ろ姿を見つめていた。
(まだあの事が・・・心配だわ)
俺はあまりに頭が痛かったのですぐに眠りについた。
昨日は早く寝たからか今日はやけに早い時間に目が覚めた。
時刻は4時を回っていた。
早く起きすぎたな。なんもすることなくて暇だな。
そう思い俺はカードをぼ〜っと眺めていた。しばらくして裏面を見てみるとそこには
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能力の効果が切れるまでの期間は2ヶ月です。2ヶ月を過ぎても効果を継続させるにはカードの性能をレベルアップして能力を使った相手の好感度を上げる必要があります。
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んな?! 能力の効果切れるまで時間制限あるの?! まぁ、流石にそうかずっと効果が続いてたらやばいもんな。カードをレベルアップ? して好感度を上げるのか。いやそれもう能力いらなくね?好感度が見えるだけやないかい!
でも好感度が見えるだけでも凄いか。レベルアップってどうやってするんだ?
そう思ってカードをじーっと見つめていると表のポイント数値が書かれていたところに文字が浮かび上がってきた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
レベルアップにはポイントを500消費します。
レベルアップしますか?
YES \ NO
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
うわっ、まじか。レベルアップに500もポイント消費するのか。結構高いな。ん〜でもレベルアップはしといた方がいいよな。
せっかく夢にまで見た青春ラブコメが出来そうなんだ! レベルアップするしかないよな!
俺はそんなに考えることなくYESの表示の方に赤ペンで丸を付けた。すると、さっきまで表示されていた文字が消え新しい文字が浮かび上がってきた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《レベルが1.5になりました》
次のレベルアップには500ポイントが必要です。レベルは5まであります。
《レベル1.5の新機能》
・人からの好感度の可視化(平均)
・能力を使った相手の好感度の可視化(現在1人まで可)
・善ポイント収集率2倍
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
れ、レベル1.5かよおい。全部でレベルが5なら500も使うのも納得かな。好感度が見れるようになったのか。みんなからの好感度はどのくらいだろうな学校行ってからみるか。能力使った相手からの好感度が見れる人数は1か。
善ポイントが貯まる速さが2倍か・・・。すげぇー! いいやん! 今より楽して貯めれるぞ!
でも結局1000貯めても能力の効果なかったら意味無いよな。そんなんだったら俺の今までの労力と時間無駄になるよな・・・
ま、それでもしゃーないかな? こんなのが本当にあったら色々とヤバいしな。暇つぶしにもなるし別にいいか。
そんな感じでカードをレベルアップさせ新しい機能を確認したら時間は5時になっていた。
ん、もう5時か。そろそろ母さん起きる頃かな。俺はベッドから降りてぐ〜っと伸びをした。
扉を開けると母さんが眠そうな顔を擦りながら出てきた。
丁度今起きたみたいだな。いつも眠そうだな、大変なんだろうな。
俺の母さんはテレビ関連の仕事だ。だからいつも朝が早く夜はたまに遅い時がある。父さんは俺が産まれてすぐに病気で死んでしまったらしい。父さんは明るくてよくみんなを笑顔にしていたらしい。俺はそんな父さんを見たこともなかったので、見てみたかったなと思っている。父さんが死んでからというもの母さんは女手一つで俺と“妹”を育てていた。
「あら、おはよう刀夜。今日は早いねー」
「あぁ、うん。昨日早く寝たからかな」
母さんは独特的な喋り方だけど、優しい声で包まれるようでとても落ち着く。
それから俺と母さんは久しぶりに2人1緒に朝ご飯を食べた。ニュースをみながら他愛もない話をしたりした。
「それじゃあ、お仕事行ってきま〜す」
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
「刀夜も学校行ってらっしゃ〜い。頑張ってねー」
「うん」
母さんはさっきも言ったがテレビ関連の仕事をしているので朝が早い。いつもお昼ご飯はコンビニのお弁当を食べているらしい。
明日から俺が弁当作ってあげるか。
俺はそんな事を考えながら自分の弁当を作っていた。
弁当を作り終えた頃には7時半を回っていたので、俺は急いで学校の準備をして家を出た。
いつも通りの道を自転車で走り時間に結構余裕を持って学校に着いた。
俺は教室に入るとすぐに自分の席に着いた。
すると、もう教室にいた友達の洋太が話しかけてきた。
「おはとう! 今日は珍しく早いな」
「おはよう。今日はちょっと早く目が覚めたからね。あと、おはとうってやめろお砂糖見たいでなんか嫌だ」
「あはは、そーかそーか。それより今日1日中体力テストだぜ? キツイよなー」
おはとうの件は無視かよ。まぁいいか。どうせ言っても辞めないし。
「1日中ってほんと殺しに来てるよね。体育祭が近いって実感するわ」
この学校は体育祭で代表者が出る種目が何個かある。その代表者をクラスで話し合って決めるために体育祭の前に体力テストを1日かけてやるそうだ。
「ま、そんなこと言っても変わることは無いから頑張んないとな? 刀夜身長小さいから運動神経悪そうだな」
「はぁ〜? お前な、相当な偏見だぞ? 身長小さいからって運動出来ないとは限らないぞ? 」
「わりぃわりぃ。で、運動できんの? 」
「・・・まぁ、そこそこは? 」
「なんだそれ、心配だなー」
俺は小学生までは運動神経はよかった。だが、中学になってみんな体が成長し身体能力も上がって平均ぐらいになってしまった。
それからというもの悔しくて毎日ちょっとずつトレーニングをしたものだ。それでも俺が通っていた中学は部活が盛んで帰宅部の俺は成長した気が全くしなかった。
「小学生の頃は皆から凄いって言われたんだぞ? 」
「それは昔のことだろー? 」
「むっ、じゃあ勝負だ!今日の体力テスト負けたらジュース奢れ! 」
「はっ、望むところだ! 刀夜なんかに負けてたまるかよ」
そんなこんなで、俺と洋太は勝負をすることになった。
まず1つ目の種目は50メートル走だ。
運がいいのか悪いのか俺と洋太は一緒の順番に走ることになった。
「よう、刀夜。一緒に走れるな! 」
「燃えるな! 絶対勝つからな! 」
「負けてたまるか! 」
お互い闘争心を燃やしながらスタートを待った。
「位置について、よーい」
バッッ
先生が旗をおろしたタイミングで俺と洋太は駆け出した。全力ダッシュだ。
スタートダッシュは洋太が前に出ていたが、俺は後から追い上げていくタイプだ。
だが、なかなか追い抜けずにあと10メートルでゴールだ。やばい、もっと動け脚!!
「うおおぉぉぉぉぉぉ! 」
「負けるかぁぁぁっ〜! 」
俺は最後の力を振り絞りなんとか洋太を抜いてゴールした。
「はぁはぁ、クソっ。刀夜に負けるとかまじか」
「はぁはぁはぁ、はっ! だから言っただろ? 舐めんなって」
ザワザワ
「おい、あの2人みたか? めちゃくちゃ速かったぞ」
「何あの2人凄い! 」
などと、周囲が驚いていたのも納得できる
洋太のタイムは5.8だ。俺のタイムは5.2というかなりの好タイムだ。因みに俺は過去最高記録だ!
洋太には僅か0.6秒差という僅差で勝てた。結構ギリギリだったな。
てか、俺めっちゃ速くなってね? 中学の時はもうちょっと遅かったぞ? トレーニングしたおかげか?
なんかあんまり成長してる実感なかったから嬉しい!
「まだまだ勝負は始まったばっかだ! 次は負けねぇ! 」
「俺だって負けてたまるか! 」
そうだ、まだまだ始まったばっかり気を抜いてたらすぐに負ける。
俺達は呼吸を整えながら次の種目が始まるのを待っていた。
その次の立ち幅跳びは洋太の勝利。多分立ち幅跳びは身長差の問題で負けた。きっとそうだ!
その後の種目も互いに奮闘した。クラスのみんなは最初は驚いていたものの、徐々に「まだやってんのか」みたいな目で見られたり苦笑されたりした。
「はぁ〜〜〜〜〜、疲れた」
「はぁ〜〜〜〜〜、きっつ」
俺と洋太は昼休みになるまで全力で競い合っていた。もちろん種目間の休憩はあったものの数分では体力が完全には回復しなかった。
「刀夜、お前そんなちっこい体して運動神経エグイな? 」
「はっ、ちっこい体でもこんなに洋太と戦えるんだぞ?! 」
体が小さいことでデメリットは多いが、小さくても俊敏さなど身軽な動きが出来るというメリットもあるのだ!
「あとは、昼挟んで午後からの持久走だな」
「ここまでで、同点とか凄すぎない?! 」
午前中の激闘の末なんと同点だった。勝負の行方は午後の持久走にかかっている。何としても勝たなければ、俺のプライドが許さない!
「午後の持久走次第だな。俺は長距離得意だぜ? 」
「俺もそこそこ自信あるぞ! 」
「はっ、そこそこって言ってる時点で勝ったな」
「んだと! イキリ! 」「あぁ? 黙れチビが! 」「はぁ? クズ! 」「バカ! 」「アホ! 」
「どうしたの〜? 喧嘩? それより2人とも凄かったね! 」
俺達が言い争っていると佐藤さんが話しかけてきた。
「いやいや、佐藤さんも十分凄かったって。なぁ? 刀夜」
「んぁ〜? うん、凄かったね」
佐藤さんは1年B組の女子の中ではトップだ。塩崎さんも凄かったけど。
「そんな事ないよー。2人に比べたら全然だからさ」
まぁ、そりゃ男と女だから全然なのかもしれないが、それでもものすごい運動神経だった。
「2人は中学の時部活してたの? 」
「ん、俺はサッカーしてた」
「え?! 洋太お前サッカーしてたの?! 」
初耳だ、まぁ顔的にサッカーしてそうだったが・・・
「真田くんは? 」
「あ〜、俺は部活はしてなかった。クラブとかも全く」
部活をしてる時間は俺は毎日家でゆっくりしていた。土日とかは暇だったから筋トレとかしてたけど。
「えっ?! 部活してなかったんだ! 今年は何か入るの? 」
「いや、入るつもりは無いかな〜。面白い部活じゃないと」
「もっっったいな」
「そういう、洋太はなんか入んのか? 」
「いや、俺も面白い部活じゃないと入らねぇ」
はははっと笑いながら言ってきた。洋太も入らないなら言えねぇーだろ!
しばらく話して佐藤さんが友達の所に戻り、俺と洋太はいつも通り一緒に昼飯を食べた。
午後の持久走が始まる直前。
「よ〜し、これがラスト勝負だ! 全力で行くぜ〜!」
「絶対負けないかな! 」
このやり取りを何回繰り返したことか、もう覚えていない。
旗がおろされた。スタートの合図だ。それと同時に俺と洋太は頭1つ飛び出して走り出した。
「またやってるぞあいつら」
「よくそんな体力もつな」
そんな声が背中の方から聞こえてきたがちょっと前を行く洋太に離されないように必死について行く。
やべ〜、昼ご飯食べ過ぎて横腹痛くなってきた。我慢するしかないな。ジュースがかかってるんだ!!
それから俺は頑張って洋太の背中にピッタリと引っ付き走った。
残り200メートルの所から洋太がどんどん速く走ったのでそれにつられて俺もどんどん速く走った。残り100メートルぐらいの所で最速スピードになったが、洋太はまだ速くなった。
「っっっ?! クソっ! 」
俺はそんな言葉を口にしながら必死に走った。だか、洋太には追いつくことが出来なかった。
「はぁはぁはぁ──」
俺はゴールした後すぐに肩で息をしながら、地面に横たわった。
「ははっ、やっぱ俺の勝ちだったな! 」
そんな言葉を言っていたが俺と同じように方で息をしていた。どうやら余裕そうに話しかけてきたのは強がっていたらしい。
「くっそ〜! あと少しで勝てたのに」
「じゃ、ジュース奢りなー! 」
その後授業が終わってから俺は洋太にジュースを2本も奢らされたのだった・・・
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