↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陽キャラ、陰キャラになる  作者: 二篠秋士
2/2

満、ペアを組む

周りが次々とペアを決め座っていく中、自分の足と視線はそこらじゅうを彷徨っていた。


体育のペアとか隣でいいじゃん、なんで体育でぼっち晒されなくちゃいけないんだよ・・・

ちなみに整列時に隣に座っていたやつは真っ先にペアを見つけて座っている。自分も少し前まではあっち側の人間だったなとふと思いながら辺りを見渡すともうほとんどが座り終えていた。このまま立ち尽くしていてもしょうがないのでとりあえず目に入った悲しくもまだ立っている人の元へ向かう。


「ペア、決まってないなら組まないか?」


あくまで事務的に素っ気なく誘いをかける。向こうはいきなり話しかけたことが原因なのかビクッとしていたがすぐに頭を縦に振り承諾のサインを出した。ペアの人はそそくさと座ると俯いてしまった。話しかけてくるなオーラが出てる気がするまだ入学したてなのに嫌われているのだろうか?身に覚えがないが地味にショックである。

それはそれとしてその容姿に目を向ける。先程見た顔は整っているように見えたし染めているようには見えない茶髪の髪もボサボサなことはなくある程度セットされていることが窺える。同じクラスのやつだったよな・・・?


この学校では体育は3クラス同時に行われる。一学年9クラスあって一クラス約40人在籍しているので学年の人数は約360いて、この場には約60人がいる。なに?計算が間違っているって?いやいや男女別々だから計算は合っている。ちなみに男子は現在体育館だが女子は校庭で体育を行なっている。一週間交代で校庭と体育館を交互に使うらしい。女子にかっこいいところ見せたかった男子ドンマイ☆


向けていた視線に気づいたのか茶髪イケメン(俺視点)が顔を上げた。


「君、同じクラスだっけ?」


「ん、ああ、そうだけど・・・」


なんか返事めっちゃ素っ気なくなっちゃったじゃん!やっぱり事務的じゃない話は苦手だ。そもそも相手もなんかトゲトゲした言い方だったし?それにつられてしまったんだそうに違いない。


「ふーん・・・」


「・・・・・・」


いやなにこの空気耐えられないんですけど、もっと会話を広げる努力してくださいよ!人のこと言えないけど。なんとも言えない空気に包まれて黄昏そうになっていると


「よし全員ペアは決まったな、まずはそのペアでバスケットボールのパス練習を行なってもらう、その後はシュート練習だ」


先生が指示を終えると生徒たちが次々とボールを持って広いスペースに広がっていく。なにをそんなに急ぐのか少し走った程度で増える時間などたかが知れているというのに・・・

目の前の生徒たちと重なるように浮かんできた中学の頃の体育の時の自分の様子を頭から追い出すとやや遅れて場所取りに向かった。




なんなのだろうこの時間は・・・

先程から私と目の前の茶髪イケメンはパス練習をしている。バウンドさせてパスしたり、ノーバウンドでパスしたり、山なりにパスしたり、練習をしているのだが何かが足りない。そう、それは周りを見ればわかる。周りでは楽しそうな笑い声と共に人によっては変な回転をかけたパスをしていたり、高速パス練習といってパスの速さを競っている奴もいる。


彼らにあって次自分たちにないもの・・・そう、会話だ


普通ペア練習っていうのは談笑しながら行うものだろう。周りの彼らを見習ってほしい、ふと周りに耳を向けると聞こえてくる賑やかな声だが目の前に意識を戻すと聞こえてくるのはボールが床を跳ねる音やキャッチする音だけ。

なにこのサイレント空間、もしかしてあなたナ◯ナ◯の実の能力者だったりします?それともいつの間にか俺が口にしていたのかっ!


「ぶへっ」


くだらないことを考えていた罰なのだろう鋭いパスを取り逃がして顔面キャッチしてしまう。痛みで顔を抑えていると走り寄る足音が聞こえてきた。


「ごっ、ごめん」


「ん、ああいいよ俺が惚けてただけだし」


「ほんとにごめん、鼻血とか出てないか?」


「ああ、大丈夫だ」


おや?こいつ以外にいい奴なのでは?今は言葉に棘があるように聞こえないしさっきまであった話しかけるなオーラも出ていない。ひょっとして・・・


「なあお前、もしかしなくても人見知りだったりする?」


「っっ!、じ、実はそうなんだ。さっきから言動が刺々しくなってたかもだけどわざとじゃなくて・・・」


「皆まで言わなくていい、俺も同じようなものだ」


「そ、そうなんだ。僕はてっきり嫌われているのかと」


「それはお互い様だ。俺も最初はそう思ってた」


「じゃあお互い様・・・だな」


お互いに少しシンパシーを感じ取ったところでパス練習に戻る。なんだ案外話してみれば仲良くなれそうではないか。それにしても自分も周りからさっきの金髪イケメン君みたいに刺々しいと思われているのだろうか。ふとそんなことを思い浮かべつつ重大なことに気がつく。


「そういえば名前言ってなかったな俺は工藤満だ」


「工藤君か、僕は佐伯拓(さえきたく)よろしく」


よろしくと返すとそこでシュート練習に移れと指示が出た。工藤君か・・・普通入学時にできる友達は早く仲良くなるように下の名前で呼び合った方がいいと思ったが向こうが苗字で呼んできたからこちらも苗字で呼ぶべきだろう。というか中学ではできていたが今は俺もできる気がしないないきなり名前呼び。


「佐伯行こうぜ」


淀みなく名前を呼ぶことはできたが、授業終わりまでの時間あまり会話は弾まなかった。


どうやら佐伯も人見知りに加えてコミュ障らしい・・・





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。