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失望…絶望…
所構わず嘔吐をする弟
また出掛けられない日々が続いた
出掛けたとしても
常にビニール袋をポケットに忍ばせて
弟が咳き込み出せば
身体に電気が走る
そんな感じの毎日だった
"もう一生、出掛けることもましてや旅行なんて
出来ねぇんだな…"
と絶望していた
この頃
俺22歳
翔15歳
俺はもう社会人になって二年目に
なっていた
職場は、
弟みたいなしょうがいのある方を支援する
デイサービスのようなところだった為
上司は理解してくれた
"ここでなら本当の自分を出していいのかな?"
所々、躊躇しながらではあるが
自分が自閉症のしょうがいのある弟の兄であることを
堂々とさらけ出していた
ただ、それでも"嘔吐"のことは言えず
自閉症なんだということ以外は
一切秘密にしていた
誰かの旅行話なんか聞きたくなかった
耳を塞ぎたくもなった




