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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第三章 果てしなき大地、気高き欲望を持つ変革者達【第一部3】

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3-182 エドラドとのチェイスバトル

 エドラドが運転する車はわかる人にはわかる、コロナクーペと呼ばれるスポーツカーだった。


 洗練されたデザインには隠れたファンも多いが、同時期の名立たる名車の影に隠れてしまったイマイチ語る様なエピソードがない不遇な車だ。


 しかし決して駄作ではないどころかむしろ評価する愛好家も多く、タイミングさえ良ければコロナクーペは往年の名車として語り継がれていたかもしれない。


「オラオラァ! ナーゴ特製、猫弾Cボムをたんまりと食らいやがれッ!」


 妨害にやって来た彼は自らハンドルを握っており、車体後部の窓から身を乗り出した部下は爆弾を放り投げ背後のランナー達を妨害する。


「フギャー!?」


 爆弾には殺傷能力はないものの、強い光や催涙ガスをまき散らす爆弾を食らってまともに立っていられる参加者はおらず脱落者が続出してしまう。


 今更このデスロードなマラソン大会のレギュレーションにツッコむつもりはないが、少しは伝統を大切にして文化的なイベントにする努力をして欲しいものだ。


「ギャー!?」


 またランナーの中には彼が支援していたカルーネ男爵もいたが、特に見せ場もなく有象無象のモブとして脱落してしまう。あんた何しに来たの。


「エドラド様ァ!? カルーネ男爵が吹っ飛んじゃったデシ!」

「知るかッ! この際あいつはどうでもいいからどさくさに紛れてあのクソアンジョをぶっ殺せェッ!」


 どこかで聞いた特徴的な語尾の部下の忍びは悲鳴を上げてしまうが、当然彼は全くそんな事を気にしていなかった。やはりエドラドは俺しか眼中にないらしい。


「やるしかないだろうな。他の皆はポロビーさんを頼む!」


 しかし言い換えればポロビーさんには全く興味がないという事でもある。


 どの道戦う以外の選択肢はないし、上手く囮になれば彼を援護出来るかもしれない。


「了解ッ! バックアップはサスケ一人で十分だな!」

「ああ、問題ない!」

「責任重大でヤンスね……けど任せるでヤンス、姐さん、アニキ!」


 リアンの指名で俺の相棒にはサスケが選出される。彼は期待に応えるため小刀を握りしめ刃に勝利を誓った。


「オラオラ、どんどんブッこんでいけッ!」


 エドラドは基本的に運転に専念しており、左右の後部座席の窓から身を乗り出した黒服が攻撃役を担っている。


 その間俺はずっと走りながら猫弾Cボムを回避しているのでまるでミニゲームをしている気分になる。しかし一方的に攻撃されるのも癪だし反撃してみるか。


「サスケ、風魔法でも手裏剣でも投げてくれ! 命中しなくても牽制になればいいから!」

「はいでヤンス!」


 ここはもちろん睡眠弾の一択だ。俺はM9の弾丸をばら撒き応戦、短期決戦でケリをつける事にした。


「うお!? テメッ、俺のコロナクーペに何をしやがるッ! ぶっ殺すぞッ!」


 弾丸は部下に命中して一人を撃破する事に成功したが、エドラドは反撃された事よりも愛車に傷をつけられた事に激高してしまった。


「クソがッ! おい、やっちまえ!」

「のおお!?」


 エドラドは本気を出し事前に仕掛けた爆弾を起動、岩肌が崩壊し巨大な岩石が降り注ぐ。


 往年のカンフー映画の様に避けられる俺も凄いが、当たったら普通に死ぬしガチで殺しにかかってきてやがる。


「サスケェ! 三時の方向の黒服を狙え!」

「はいッ!」


 だけどこれはチャンスだ。サスケは風魔法で待機していたエドラドの部下を攻撃、爆発のタイミングをずらす事に成功した。


「ギニャー!? 俺のコロナクーペがあ!?」


 結局爆発はしてしまったが、エドラドの愛車に岩石がぶつかり車と彼のメンタルに甚大なダメージを与えた。


 しかし走行する分には問題は無いし、戦いはまだまだこれからだろう。

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