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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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訪問

「休みの日とか何してるの?」

「休みの日はバイト行ってるか本読んでるかとかしてる」


「早乙女君、バイトしてるんだ。前回の期末テストうちのクラスで2番目だったよね。バイトしながらそんな成績取れるなんて、すごいね」

「ああ、ありがとう」


 俺は普段話しかけられない女子から質問攻めにあって、少々困惑していた。


 さっきから瑞希がこっちをジーっと見ている。俺なんかしちゃった?


「私、もうそろそろ帰ります」


 俺をジーっと見つめた後、男子たちに話しかけられるのも疲れたのか、打ち上げが始まって1時間頃経ったころ、席を立った。


「涼風さん、もう帰っちゃうの?」

「はい、門限がありますので」


 嘘つけ、うちに門限なんて存在しない。


「そうなんだ、気を付けて帰ってね」

「はい、ありがとうございました」


 遥紀の言葉を聞くと、瑞希はそそくさとお店を出て行ってしまう。


 瑞希が出ていくと、あからさまにクラスの男子たちの元気がなくなる。それでも、少しでも話せた男子たちは満足げだったが。


「司、もうこんな時間だけど、明日用事あるから早く帰らないといけないんじゃないのか?帰らなくていいのか?」

「? ああ、そうだな。じゃあ俺もそろそろ帰るか」


 明日に用事なんてなくて、一瞬何のことなんだが分からなかったが、瑞希が帰った今、遥紀の計らいで俺も帰そうとしたのだろう。


「もう帰っちゃうの?」

「ごめん、明日用事あるから」


 帰ろうとしたところ、先ほどまで話していた女子に引き留められる。


「じゃあ、ラインだけ交換してくれない?」

「・・・いいよ」


 別に俺は何か彼女たちとメッセージのやり取りをする気はあまりないのだが、クラスメイトだし、ここで断るってのも変な話だろう。

 水上さんの件みたいにならないことを祈りながら俺は彼女たちと交換した。


「じゃあ、先帰るわ。ありがとう」


 遥紀に打ち上げのお金を渡し、礼を言った後、お店を出て、瑞希を追いかけた。


 瑞希はそこまで遠くに行っているわけではなかったので、少し小走りで走るとすぐに追いついた。


「あれ、司ももう帰ったの?あの子たちと楽しくおしゃべりしてればいいのに」


 あれ?なんか機嫌悪い?


「男子たちの相手に疲れたからって俺に当たるなよ」

「そういうことじゃなーい!」


「じゃあ、何なんだよ。俺が女子と喋っちゃいけないのかよ。瑞希も男子たちと大勢話してただろ」

「それもちがーう!」


 瑞希は最後までなんで怒っているのか教えてはくれなかった。


 なんやかんや言っていたら、ここのファミレスから俺の家は近い距離にあるので、あっという間に俺の家のマンションまで到着した。


 ロビーでオートロックを解除していたところ、後ろから聞きなじみ深い声が聞こえてきた。


「息子よー、今帰ったのか。ちょうどよかった」

「げ、父さんかよ」


 振り向くと、そこにいたのは俺の父と母だった。


「どうしてここに?」

「今日お前の文化祭に行ったのだがな、会議に出席していたせいで、会えなかったんだよ。せっかくこっちまで来たし、息子の顔を一目見ておこうと思ってな」

「だから、会議のせいじゃないですってば」


 そこで、父さんが俺の後ろにいた瑞希の存在に気づく。


「あれ?あなたは今日、息子のクラスで会った綺麗な女性ではないか、あなたもこの家に住んでいるのか。これは運命だね。どうだろううちの息子と・・・ぐふっ」


 父さんがふざけたことを言うから、母さんに腹パンを食らった。


「2回もごめんなさいね。でもこの家に住んでいるなんて、本当に奇遇ね」

「そ、そうですね」


 まさか一緒に住んでいるなんて、思いもよらないうちの両親はたまたまだと勘違いしているようだった。


「じゃあ、会えたんだし、もう帰るんだよな。仕事も忙しいだろうし」

「いや、今日は息子の家に泊まるぞ」


「「え!」」


 俺だけじゃなくて、瑞希も驚いた声を出した。


「聞いてないよ」

「言ってないからな」


「仕事はあるんじゃないの?」

「この人いうこと聞かなくて、今日は息子の家に泊まるって言ってこれからの仕事全部キャンセルしたんですよ」


「マジか・・・」

「息子が怠惰な生活を送っていないか見ないといけないからな」


 やばい、家まで入られたら確実に俺と瑞希が同居しているのが絶対にバレる。瑞希もさっきから顔が真っ青になっている。


「よし、じゃあ行くか」

「あ!待って!」


 両親になので、一応合鍵を渡していたのだが、それを使いオートロックを解除して、どんどんと俺の家に進んでいく。

 そして、俺の静止も振り切って、とうとう玄関まで到着してしまった。


「ん?そこの綺麗な子もこの階なのか、本当に奇遇だね。どうだろう、せっかくだし上がっていかないか?お茶でも出すよ」

「困らせちゃいけません。断っていいからね」


「いえ、上がらせてもらいます」


 瑞希は、他に行く当てもないので、両親の誤解に乗じて、家に上がった。


「おーーー、綺麗にしているじゃないか」

「ちゃんと自炊もしているっぽいし、いい感じね」


「まあね」


 だが、家をあちこち見て回るにつれて、段々違和感に気づいてくる。


「あれ?歯ブラシが2本もある」

「あら?女性ものの服が干してあるわ」


 そこまで気づかれたとき、もう俺と瑞希は誤魔化すことは諦めて、正直に事情を話すことにした。


「父さん、母さん、ちょっとこっちに座って。話がある」


 俺の真剣な表情に何かを感じた両親は素直に座って、俺の話を聞いた。


 俺は、母が倒れて困っていた瑞希を見て、同居を提案したこと、それから瑞希のお母さんを説得して、今まで一緒に住んでいいること。これまでの経緯を包み隠さずに説明した。


その間、両親は俺の話を黙って聞いていた。


前回のように、そして次は俺の両親を説得する番かと思い、何を言われても俺はこの生活を守るために言い返す覚悟を決めた。


「・・・よくやった」

「え!?」

66話も読んでいただきありがとうございます。

序盤のエピソードでは文章の間に改行が入っておらず、入れた方が読みやすいと読者様に指摘いただきまして、以降のエピソードでは改行を入れるようにしていました。そしてこの度、序盤のエピソードも含め、すべてのエピソードに改行を入れさせていただきました。

改行を入れ、以前より読みやすくなった思いますので、よろしければ以前のエピソードに戻って読んでみてください。

これからも応援よろしくお願いします。

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