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生まれ変わって神竜目指します!  作者: ハグキング
12/12

11 はじめての友達


 頭がぼーっとする。

 なんだ?何が起きた・・・?

 確かくそデカいイモムシと戦っていて・・・


 ズリ・・・ズリ・・・


 聞き覚えのある不快な音が耳を撫でる。

 だんだんと晴れてきた視界に、巨大なイモムシが遠くから這ってくるのが見える。


「ガハッ!!」


 そ、そうだ、バラモンデスワームだクソ!

 膝が急に折れて、その隙に突進を食らったんだ。


 そりゃそうだ。あんな無茶な動きを続けてスタミナが持つはずがない。

 う、頭が痛い・・・。


 にしても、まともに食らったのによく生きてたな。



****


リュウLv.10

種族 ヤングレッドドラゴン(変異種)

体力 4/800

魔力 0/480

攻撃力 550

防御力 550

素早さ 620

称号 【竜を愛する者】【エクスプロージョン】【サイレントキラー】【逃走者】

スキル 《火炎放射》《鑑定》《爪貫き》《爆裂パンチ》《爆破耐性》《竜言語》


****



 うわ、ギリギリだな・・・。

 良く生きてたもんだと言いたいところだけど、体が動かないや。


 ズリ・・・ズリ・・・・


 バラモンデスワームがすぐそばまで近寄ってくる。

 全身から緑色の血を滴らせ、その顔についている8つの目はすでに6個つぶれている。

 見るも無残な姿だ。


 結構削ったはずだ。






****

バラモンデスワームLv.96


体力 156/3600

魔力 0/1000

攻撃力 1580

防御力 2860

素早さ 400

称号 【食王】【バラモンの森の主】【厄災】【無限胃袋】【妄執】

スキル 《衝撃吸収》《強酸胃液》《食事回復》《忍び足》

****



 くっそー、やっぱあっちも瀕死か。

 惜しかったなあ・・・



 残念だけどここまでだな。

 あーくそ、短かったな、俺の竜生。


 今回は運よく?記憶を持ったままドラゴンに生まれ変わることができたけど、次はそううまくはいかないだろう。

 そもそも何かに生まれ変われるのかさえ定かじゃない。


 エイリューンたんのように美しいメスに会うことはきっと二度とない。

 それだけが心惜しい。


 バラモンデスワームが大きな口を開き、黄色い触手を俺の体に絡める。

 俺が抵抗できないのをわかっているからか、自身も満身創痍だからか、バラモンデスワームの動きはひどくゆっくりだ。


 ねちゃねちゃとした唾液が体中にへばりついて気持ち悪い。


 だんだんと体が引きずり込まれ、死が近づいてくる。


 ―――――その時だった。



「《邪槍》!!」


 突如上空から現れた紫色の人影が、バラモンデスワームの最後の2つの目をつぶす。



「ブオオオオオオオオオオオオオオ!!」



 慌てたバラモンデスワームは俺を吐き出してしまい、のたうち回る。


 この声と技・・・もしかして



「大丈夫か!リュウ!」



 あーやっぱりか。

 華麗な槍捌きで俺を助けたのは、決別したはずのグラディオだった。


 まったく、付いてきたのかよ。お前のレベルじゃ、あっという間に殺されちまうぞ。逃げろ。

 と忠告したいが、声が出ない。



「森のあちこちで轟音がするからもしやとお前を探してみたが、ずいぶんとこっぴどくやられたみたいだな。」



 一応あっちも瀕死まで追い詰めたんだぜ?


 バラモンデスワームは、完全に失った視界に戸惑い、狼狽えている。



「話は後だ、我の血を飲め。」



 グラディオはジャバランスの穂先で自分の腕を傷つける。


 は?何やってんだいきなり、血?


 そしてダラダラと垂れ出した血を俺の口元まで持ってくる。

 いやー!やめろ!なんか菌とか入りそうじゃない?大丈夫!?てかそもそも何やってんの!


 わずかに残された気力を振り絞って、抵抗の意を見せるが、頭をがっしりとホールドされてしまう。

 力の入らない喉は、あっさりとグラディオの血を通していく。


 うげえ。



「逃げるな、大丈夫だ。我の血にはどういうわけか回復作用があってな。傷ついた動物なんかも癒したことがある。」



 回復作用のある血?

 確かにだんだん体が・・・軽くなってきた。



「どうだ?そろそろ動けるはずだ。」



 両手をニギニギしてみる。うむ、動くな。

 明滅していた視界もはっきりしている。


 バッと俺は立ち上がると、自分を鑑定してみる。


****

リュウLv.10

種族 ヤングレッドドラゴン(変異種)

体力 50/800

魔力 0/480

攻撃力 550

防御力 550

素早さ 620

称号 【竜を愛する者】【エクスプロージョン】【サイレントキラー】【逃走者】

スキル 《火炎放射》《鑑定》《爪貫き》《爆裂パンチ》《爆破耐性》《竜言語》


****



 「おお、本当に回復してるな。」


 まさか本当に回復作用のある血があるとは。


 「よし少しは動けるはずだ、奴が戸惑っているうちに早く逃げよう。」


 グラディオはバラモンデスワームを指さす。


****

バラモンデスワームLv.96

状態:呪い

体力 100/3600

魔力 0/1000

攻撃力 1580

防御力 2860

素早さ 400

称号 【食王】【バラモンの森の主】【厄災】【無限胃袋】【妄執】

スキル 《衝撃吸収》《強酸胃液》《食事回復》《忍び足》

****


 目をつぶされたってのに大したダメージになってないな。

 いや、単純にグラディオの攻撃力が低く、バラモンデスワームの防御力が高いのだ。攻撃したのが目でなければ、ダメージが通っていたのかも怪しい。



 今は狼狽えてるみたいだけど、そのうちまたこっちに気を向けるだろう。

 【妄執】がある以上、きっと視力がなくても俺を追跡できるはずだ。


 今のうちに逃げるだけ逃げたほうがいいな。体力は回復したがスタミナはほぼ空だ。


 《邪槍》の効果で呪い状態になっているから、時間を稼げば稼ぐほどこっちの有利になるはずだ。



「グラディオ、奴が狙っているのは俺だけだ。何とか動けるようになったから先に逃げてくれ。」


「何を言っている!先ほどの血の量ではわずかしか回復しない!足もまともに動かないであろう。早く掴まれ。」


「お前のステータスじゃ相手にもならないってんだ!無駄死にしたいのか!」



 かすれた声を振り絞って怒鳴るが、グラディオは無視して俺の腕を肩に掛け、持ち上げる。



「我の命はあそこ・・・リザードマンの集落で終わっていた。しかしお前が生きる道を切り開いてくれた。ならばこの命、お前のために使おう!」



 馬鹿が・・・それじゃ助けた意味ねえだろうが。


 そう思いつつもグラディオの覚悟を俺は無碍にできないでいた。



「悪い、助かる・・・。」


「なあに、無事に生き延びたらまた美味い飯を食わせてくれ。」


「ふっ、約束するよ。」



 俺より少し小柄なグラディオの肩を借り、二人でひょこひょこと場を離れた。


 俺の胸の中が温かい感情で満たされる。前世でも経験したことのないこのぬくもりは、きっと”友情”というのだろう。


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