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海賊の極意?

 そんなこんなで、キャプテンはある一つの船に狙いを定めたのだが……なんか、イルカの国の軍隊のものっぽいぞ!?

「キャプテン!中は軍人まみれなんじゃねーの?勝ち目ねーよ!」

「フッフッフッフッフ……ハーッハッハッハー!」

……前言撤回。付いて行ってはいけないキャプテンだった様だ。

「あのー、大丈夫ですかー?」

「ワタシの力なら、海の上で負けるなんて事ありえマセーン!」

キャプテンはボートから少し身を乗り出し、指先を海水につける。と、海は巨大な船を渦の中に閉じ込めた。

「えええええ!?」

「突入デース!」

海の水がせり上がり、俺たちと船との間に橋が出来た。

キャプテンに続いてそれを渡り、甲板に足を乗せる。

「これからどうすんだ?」

「全員倒しマース!」

「……はぁぁぁぁ!?」

キャプテンは何の迷いもなく、軍人たちの前に立つ。

「今甦りし、『キャプテン・ソウマ』!海の藻屑になりたくなケレバ、大人しくこの船から脱出するのデース!」

と言いつつ、船をどんどん海へと引き摺り込んでいく。

軍人たちは勿論キャプテンを攻撃した。なのに、全て当たらなかった。

「無駄デース!ワタシが海の上にいる限り!傷つけるなと到底出来まセーン!」

軍人たちは何やら話し合っていたが、上司を思われる人が出て来て、

「……あなたは」

と、怯え出す。

軍隊と言えば、王族、貴族に次ぐ絶対権力。そのどちらでもなさそうなキャプテンを怖がる理由なんて無いだろうに。

「ぬ?話が分かるのが来て良かったデース」

「……せめて、私どもがあなた方をお送りする形にして頂けないでしょうか?」

「……よきよき」

渦は跡形もなく消えた。


 なんだか落ち着かないくらいの接待を受けつつ、俺たちはイルカの国まで送って貰っていた。

「……キャプテンってもしかして無敵?」

「『海の上では』そうデース。デモ、その代わり力を得てから一ヶ月で死にマシタ」

「……へ?」

「ワタシは海の上で生き、最強になりたかったのデース。ダカラ、そういう“条件”であの力を得マシタ」

「……それくらい、欲しかったのか?」

「その通りデス。ワタシには、海以外要らなかったのデス。……どうせ、長くは生きられない定めデシタ」

「……」

キャプテンの顔が初めて曇った。俺は返事なんて出来っこ無かった。

「今思えバ、馬鹿らしい事デス。『百日天下』なんて言葉がありマスガ、三十日もありマセン。それでモ、死ぬまでに天下をとる。それガ、一人の海賊としてノ、極意ってモンデショウ」


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