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異世界ダンジョンにコンビニごと転移したら意外に繁盛した  作者: あぼのん
第三章 婚約、魔王十二宮での闘い
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第四十八話 怒れる獅子の咆哮、犬の師匠は猫だった?の巻①

 異世界ダンジョン十二宮も第四の宮まで攻略することができた。

 それでもまだ三分の一である。これまでに要した時間はおよそ十時間半、もう少しでタイムリミットの半分を過ぎようというのに進捗はあまりよろしくはない。

 休憩を挟まずの移動と連戦による疲労に関してはドリンクで回復できるのだが、俺はここでこれまでの戦いの反省点をこいつらに言わなければならなかった。



「あまりにも酷すぎないか?」



 俺の言葉に全員が「なにが?」みたいな顔をしている。

 まあそう言う反応をすると思っていましたよ。わかっていたらあんな卑怯な不意打ち戦法や、下種極まる発言で相手を追い詰めるような戦い方はしないであろう。


「いや、あのさぁ。俺が言うのもなんだが、もうちょっとこう正々堂々と言うか、真っ当に戦うことはできないのかね君たち」

「はぁ? なにを言っているのですかべんりさん。私は正々堂々逃げることなく戦いましたけど?」


 おまえがそう思うならそうなんだろうおまえの中ではな。

 て言うかぽっぴん、おまえが一番酷い、これまでの言動の所為で好感度ランキングの中ではおまえが最低(ワースト)と言っても過言ではない。仮にも俺達は物語の主役なんだぞ? 正義の側なんだ。それがあんなまるで悪役のような考え方で魔法を使うなんて最悪すぎるだろう。


「そうですよべんりくん。遊びでやっているのではないです。この戦いは命の取り合いです。綺麗ごとだけでは勝ち残り、生き延びることはできないんですよ」


 ローリンはローリンでこれだ。まあ言ってることはその通りなのかもしれないけれど、おまえはもう元の世界に戻っても普通の生活はできそうもないな。


 残念ながらこいつらに反省を促すことはできなかった。

 はっきり言ってまともな戦いをしたのが犬だけって、情けないことこの上ないパーティーであるが仕方がない。戦えるのがこいつらしかいないのだから。


 そんなことを話しながら先を進むと次の宮に到着するのだが、そこでまた俺は次の相手の予想をする。


「次の相手はおそらく、人格者であり実力も申し分なく男気に溢れる、そんな絵に描いたような兄貴分的存在の人だ」

「べんりくんのその根拠のない予想は一体なんなんですか? 適当なことを言っている割には具体的なので信じそうになりますけど毎回当たってませんよね」


 ローリンが訝しむように俺のことを見てくる。うんまあ、根拠と言うか漫画のストーリー通りに言ってるだけなんだけどね。もうやらなくてもいいかなとは思うんだけど一応なんとなくだよ。


「なんにしても次はわたしがやるわよっ! ローリンとぽっぴんばかりいいところ見せて、このままじゃ女神としての威厳がね。活躍しないと人気も下がりそうだし」


 おまえの目的は毎回不純過ぎるんだよ。その時点で人気なんてでないだろ。


 鼻歌を歌いながら意気揚々と宮殿の中に乗り込むソフィリーナの後についていく俺達。奥まで進むとそこで待ち受けていた者の姿を見て驚きの声を上げたのは獣王であった。


「あ……アニキ!?」


 え? 今なんて言った? 兄貴? それはなに、兄貴分的存在ってこと? それとも本当に血の繋がった兄弟? それにしては相手の人はそんなに毛深くないと思うんだけど?


「ワールフ、まさかおまえが敵の軍門に下り、魔王様を裏切るような真似をするとはな」


 ワールフ? ああそう言えばそんな名前だったっけ獣王(こいつ)


 獣王はやはりうしろめたいのか、相手から目を逸らし口籠る。


「そ、それは……」

「おまえはいつもそうだ。一時の感情に流されて後先考えずに突っ走りまるで周りが見えていない。そんなだからいつまで経っても本当の“強さ”というものを理解できないのだ」

「そ、そうは言ってもアニキ……本当の裏切り者はあいつ、ビゲイニアの奴なんですぜっ!?」

「なるほど……ビゲイニアか……」


 獣王の言葉になにか思い当たる節でもあるのか、アニキと呼ばれた男は一瞬目を伏せて考え込むのだが……。


「その隙、貰ったわあっ! ゴッデス・エターナル・ブレエエエエエエスっ!」


 汚ねえええっ! またやらかしやがった。こいつらもう駄目だ。武士道とか騎士道とかなんかそういうのは一切持ち合わせていない鬼畜道の住人なんだ。


「ゴッデスエターナルブレスは永遠の祝福の息吹! それは悪霊や魔物達、邪悪な者達に安らかなる眠りをもたらす女神の祈りっ! 魔族に対しては効果絶大の必殺技よっ!」


 ソフィリーナの長ったらしい説明の間わずか0.2秒、ブレスと言いながら突き出された右拳から放たれた光り輝く一撃を喰らい、相手は後方へと吹き飛ばされ頭から落ちた。


「ふっふふ~ん♪ 余裕よーっ!」


 振り返り俺達に向かってピースをするソフィリーナ。ローリンとぽっぴんも諸手をあげて喜んでいる。俺はその横で頭を抱えた。


「まだだっ! あの程度でアニキがやられるわけがないっ!」


 獣王が叫ぶのと同時、攻撃的な小宇宙が膨れ上がるとアニキが吹き飛んで行った方向から一瞬の閃光が見えた。



「ライトニングっ! サンダースパアアアアアアアアクっ!!」




 つづく。


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