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ロ・ランブル



セリとフィリアは、それから相当な距離を歩いた。


辺りが暗くなったら眠り、日が登ったら歩き続けるのを二日程度続けた頃だった。




目の前に、2メートル程度の石壁に囲まれた都市が姿を現す。



あれがロ・ランブルだ。





「あれが、ロ・ランブル……」



ぱっとみの大きさでもそれなりの規模の街であると言う事がわかる。



近隣の大樹海に住むエルフ部族との交易で発展したこの都市は、王都よりも古い歴史を持っている。




セリとフィリアが街の中へ繋がる門を潜ろうとした時だった。




「そこの者、まて」



セリは、門の前に立っている衛兵に声をかけられた。




「なに?」


「随分と怪しい風貌をしているな、何者だ?」



確かにセリの格好は、確かに怪しまれても仕方ない者だ。


真っ黒なマントを羽織った、隻眼のまだ15歳の少女だ。怪しさ以外に何もない。



「羽織の下に何か隠しているようだが?」



セリはそう言われ、マントの隙間から腰にかけた剣を見せる。




「剣は持ってる。外は盗賊もモンスターもいるし、当然だと思うけど?」


「確かにそうだが、何故わざわざそんな怪しい風貌をしているのだ」



セリはマントを脱いで、その下の身体を衛兵に見せる。



「傷を隠すためにこれ羽織ってる、顔の傷で気がついて欲しかったな」



衛兵は一瞬、言葉を失った。



「も、申し訳ない。通っても大丈夫だ」


「そう……ありがとう」



セリは再びマントを着直して、都市の中へと入る。




門を超えた先は、ロ・ランブル内のメインストリートだ。



両脇には、様々な業種の出店が並んでおり、服屋、軽食店、雑貨店など本当に様々だ。


人の数も王都の中央通りよりも多く、単純にメインストリートに限るなら王都以上の賑わいを見せていた。



「随分と人が多い……」


「いつもこの通りはこのくらいです、お祭りの日なんかはもっと凄いです」



フィリア曰く、この程度は普通な様だ。




その大通りの抜けると、だんだんと人の数も減っていき、宿街までたどり着いた。



とりあえず、日が沈むまでそう時間はかからない。


適当な宿をとって、休憩しよう。





セリは、視界に入ったある宿の中へと入る。特段、綺麗でも汚くも豪華でもそう貧相でもない宿だ。


特にこだわりもないので、ここで構わないだろう。




宿の中は、一階が食事処、酒場、受付を兼ね備えた空間になっている。




「ここに何日か泊まりたい」



セリは受付の男に尋ねた。



「まぁ、二階の角部屋なら空き部屋あるぜ。ちと値段は張るが……」


「いくらくらい?」


「二人で、一泊銀貨4枚だ」



それを聞いたセリは、盗賊から奪っていた銀貨を12枚渡す。



「とりあえず、三日間泊まる」


「確かに受け取った、それじゃこれが部屋の鍵だ」



受付の男は、部屋鍵を渡してくる。



「夜はここで、酒場もやってる。良かったら使ってくれ」


「……そうさせてもらう」





セリはそう言い残し、二人は部屋へと入る。



ダブルベットが置かれた、簡素な部屋だ。



それ以外には、テーブルと椅子が置かれているだけで何もない。



「あ、あの……」



その時、フィリアが話しかけてくる。



「私も一緒に此処に居ていいんですか?」


「街に着いたらお別れするつもりだった……だけど、ここまで来たら、もう少しくらい面倒くらい見る」



セリ的にも悠長にしている暇はないが、フィリアの働き口を見つけれるまで、見守っていたくなってしまった。



「す、すみません。な、何から何まで……」


「気にしないで、私が好きでやってる事だから」



セリはそう言いながらも、テーブルの下に落ちていた紙が視線に入る。



「冒険者求む……?」



そう言った文言の見出しだ。


冒険者募集の広告だった。恐らく前の客の忘れ物だろう。



あの業界は何気に死亡率が高く、慢性的な人手不足とも聞く。


広告をばら撒くくらいには、人手が欲しいだろうし、冒険者はまともに稼げない訳ありも多い。



仮にセリでも、特に疑われる事も何も無く、普通に冒険者の地位は手に入れられるだろう。




『そうです!』



今まで口を閉じていたレヴィンがそう言い放つ。




『そうです、いい事を思いつきました。冒険者になりましょう』

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