港区-24
恰幅の良いパパを捕まえた長四郎と遊原巡査は・・・・・・・
「パパぁ~ いくら貢いだってあの娘とはお付き合いできないよぉ~」
長四郎は後部座席で項垂れて座るパパに話しかける。
「・・・・・・・」
「別に逮捕しようってわけじゃないんだからさ、なんか答えてよ」
「遊原くん。やましいことがあるから黙っているんでしょ?」
「ああ」
「そんなんじゃない」
ここで口を開いたパパ。
「喋れるじゃない」
「ははぁ~ん。分かったぞ。俺としたことが」
長四郎はそう言って、自分の額をピシッと叩く。
「何が分かったんですか?」
「古風な漢なんですねぇ~ パパはぁ~」
まるで何畑何三郎のような口調でパパを見る。
「古風?」
「そう。古風。好きな女を守るため、俺一人罪を被れば」
「ああ」
遊原巡査は納得し、パパは不服そうな顔をする。
「パパ、そんな顔しないでぇ~」
フンフンっ鼻息を荒くするパパは長四郎を睨みつける。
「安心してください。あの娘は悪いようにはしないよ。悪いことさえしていなけりゃね」
「そんな保証どこにある?」
「パパ。彼女を信じてないの?」
「それは信じているが」
「じゃあ、どうしてそんなこと言うの?」
「それは・・・・・・」
「パパ。彼女はやましいところがあるんじゃない?」
「そんなこと!」
「じゃあさ、教えてよ。パパ、彼女にあの店で何、買わされたの?」
「・・・・・・・」
目を逸らすパパ。
「パパ」
はぁ~ とため息をついてから、口を開いた。
「薬だ」
「薬」
「どういった?」
「遊原くん。非合法なものに決まっているでしょ?」
「おいおい。マジか・・・・・・・」
遊原巡査は口をあんぐりと開ける。
「海外では合法なんだよ」
「じゃあ、海外に住めよ」長四郎は呆れはてる。
「・・・・・・・」
「まただんまりかよ」
「あの店、違法薬物売りさばくブランド店か・・・・・・・」
長四郎は顎をトントンと人差し指で叩きながら、考えこむ。
「なぁ、パパ。彼女とはどこで知り合ったの?」
「あの店だ」
「パパ。知っていればで良いんだけど」と前置き「この女の子、知ってる?」長四郎は今宮茉由の顔写真を見せる。
「店で見た気がするな」
「じゃあ、次にこいつは?」
溝屋の写真を見せる。
「顔は見たことがあるな」
「顔は知っていても、どういう奴かは知らない?」
「ああ」
「ふ~む。ね? 知り合いのパパを紹介してくれない?」
「そんなこと」
仲間を売るような真似は出来ないと言わんばかりのパパ。
「司法取引って知ってる?」
長四郎のそう言う顔は、悪い顔をしていた。




