妖精 -2-
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妖精は喜びに涙するお姫様の様子を、じっと見つめていました。お姫様は怪物が生きていることを喜び、涙を流し、心から安堵して、椅子に座り、怪物を待っています。焦がれるように、ずっと、怪物を待っています。
妖精は、皮肉な笑顔も、生意気な自信家の顔もない、真剣な表情をして、お姫様に言いました。
あなたは、何もしないの?
あなたはここで、あの怪物が来るのを、ただ、待っているだけなのかい?
思いもよらぬことを言われたように、お姫様は目を丸くして、妖精を見つめました。
だって、私に何ができるっていうの?
妖精は、怪物が哀れでなりませんでした。怪物が命を賭して守ろうとしているこのお姫様は、ただただ無垢に、助けてもらうことを待っているのです。あまりに無邪気に、怪物が来てくれると信じているのです。不死身でも、魔法が使えるわけでもない、あの怪物のことを。
妖精は目を伏せ、やりきれない思いのまま、それでもお姫様に伝える言葉を探しました。このままではあまりにも怪物が、あの美しい決意が、報われないと思ったのです。
あなたに何ができるかなんて、僕に分かるはずもない。
でも、よく考えてお姫さま。
あなたを救うあなたの騎士は、決して歩みを止めないということ。
あなたを想う哀れな騎士は、ここまで辿り着くことはないかもしれないということ。
決して歩みを止めない騎士が、ここまで辿り着かなかった時、
それが何を意味するのかということを。
妖精の言葉を、お姫様はポカンとした顔をして聞いていました。きっと伝わることはないだろう。妖精は絶望的な思いを抱えて、うなだれるしかありませんでした。
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