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トワイライト・ラブ(陽炎)  作者: 流理
2日目:マドリード観光
12/16

初めて

初めて、二人だけの短い逢瀬を経て、ホテルを出てゆっくりと駅へと歩いた。

美紀は、バックからサングラスを取り出してかけた。英一は、

「どうしたの」と、聞いたら。

「まだ、気持ちが高ぶっていて収まらないので恥ずかしい」と言って、英一の肩にもたれた。英一はそんな美紀の態度が嬉しかった。

駅へ向かって歩きながら、自動販売機で水を買って、里美に「飲むと落ち着くよ」と、言って勧めた。

美紀は小さく「ありがとう」と言った。


五反田駅に着くと、美紀は

「ここで良いですよ」と言った。美紀は、感情のコントロールが出来ず一人になりたかったのだ。英一は、美紀の状況を理解していたが、品川駅まで見送るのが礼儀だと思っていたので、

「品川駅まで送らせて」と言った。品川駅の新幹線切符売り場で、美紀と手を振りながら別れた。

美紀は英一と離れがたい感情と、一人になりたい感情が入り混じっていて、別れて少しほっとした。


英一は、先ほどの出来事などを想いながら、品川駅をゆっくり歩いて、横須賀線の茅ヶ崎行きのホームで電車を待った。茅ヶ崎行きに乗ってしばらくしてから、美紀からメールが来た。


今は新横浜を通過したとの事で、少し気持ちが落ち着いたらしく、今日は嬉しかったことやもっと英一の事がもっと好きになった事など、書かれていた。

最後に今日は「思い出をありがとう!」と、あった。

約一か月前に、京都で英一が美紀に「思い出を作りましょうか」と言ったのを、覚えていた様だ。


美紀との新たなステージが始まった事で、英一も気持ちの高ぶりを抑えながら自宅に向いながら、英一は回想した。

大きな、初イベントは何とか終わった。年齢的に不安であったが、美紀が喜んでくれている様なので少し安心した。

明日からは、また美紀との新たなメールのやり取りで、これからの行く先はどうなって行くのか?様子を見ようと思った。


美紀からのメールで、生きることに覇気が出て来て、英一さんのお陰だと言ってきた。

散歩しても楽しいと言ってきた。美紀には、あまり変化した生活は良くないので、スペインに来る前の生活態度を思い出して、十分に気をつけてくださいと言った。


美紀からは、気をつけますとメールが来た。

美紀に、息子さん二人は良いお年なのに恋愛もおろそかで結婚の予定もないとの事で、英一は東京で再会した時冗談で「美紀ママが恋して良いのですか」と少し意地悪な事を聞いてみた。


美紀から、困惑しながらも「英一さん、いじわる言わないで。」と言われた。

私は、

「これまで、親の言いなりになって長い間言う事を聞いて、いっぱい我慢してきた。そのため夫のDVにもあいながら、病院へ行くほどのケガもしたし、我慢できずに家を飛び出して、別居もした。でも子供のこともあって今は、離婚はしない。」


「これまで、長年自分の幸せを放棄してきたし、幸せが何かも解らなかった。」

「夫との夫婦生活は既に破断しており、今更、遅いかも知れないけど私だって普通に幸せになりたいのよ。」

「だから、これから海外旅行などへいっぱい行って楽しく過ごしたい。」

「英一さんとはたまたま旅行先で出会った、一つのきっかけに過ぎず、私はこれからでも自分を取り戻したい。」

「英一さんには、決して迷惑はかけないし、絶対秘密にしなければならないのだから。」

美紀は、改めて思った。

こんなに落ち着いた幸せな日々は久しぶりで、恐らく20年ぶりだった。美紀には、あまり思い出せないほどの遠い記憶だった。


英一からのメール。

「普通に生きて行くと言うのは、当たり前の様に聞こえますが、病気や事故などありますから、とても難しいですよね。まして、普通から普通以上になるにはどうしたら良いのでしょう。」

「DVやアル中の環境は普通ではありませんから、そこから離れる或いは逃げる事は、悪い事ではないと思います。」

「どこかで、一切を切る事が必要です。」

「その環境から、何としても離れないと最低限から普通にはなれません。」

「母親の間違った洗脳からも早く離れて下さい。」

と、余計な事だと思ったが英一の考えをメールした。


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