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一欠片の勇気から始まるうさ耳少女の冒険〜今世こそ勇気を振り絞って友達を作ってみせます!!〜  作者: 氷河の一輪
第0章 受け継がれる一欠片の勇気

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第10話 悪辣な襲撃者

()()()、ご飯できたわよぉ♡」

「……カレンお母さん、私はメイラじゃないよ?」

「あ、、、うっかり♡」


 最近、カレンお母さんは私のことをメイラと呼ぶ。1日に1回は必ず間違えてる……‼

 この家の違和感と何か関係あるのかな?


 まあ考えても仕方がない。本人からいつか教えてもらえればいいかな。

 だからその件は置いておいて……私は今、カレンお母さんにあることをお願いしようと思う。十分仲良くなったと思うし……お願いしてみよう‼


「ねぇカレンお母さん、お願いがあるの」

「なぁに? あ、このスープメイラ好きだったわよね? おかわり欲しかったら遠慮せず言ってね」

「あ、うん。……ってそうじゃなくて‼」

 私はメイラではない! そしてそのスープは美味しいけど好物ではない‼ 何回間違えたら気が済むのよ! ……と言ったら機嫌損ねてお願い聞いてくれなくなるかもしれないから、言わないでおこう。


「私に戦う術を教えて‼」


「…………」


 言ってやったぞ‼ 無言が怖いなあ。

 初めて会ったときの状況では絶対に聞き入れてくれなかっただろうけど、今ならどうよ!? 十分仲良くなったし、可能性はゼロではないはずっ!!

 カレンお母さんのランクはSSS。そんな人に修行をつけてもらえれば、強くなれる! そして、魔境の森から出ることが出来る‼

 ここでの生活は心地良いけど、私はやっぱり友達を作りたい。だからこの森から出たい。


「……よ………」

「え?」


――ダン‼

「何度言えばわかるの!? 外の世界は危険なの‼ またお父さんに見つかってしまったら……今度こそ終わりよ‼」


「え…………?」

 何の話? 外が危険というのはまだわかるけど、、、お父さんに見つかる? 私たちは仮初の家族。父親などいない。カレンお母さんは……()()話しているの?


「あっ――……そうだった……メイラはもう…………」

「お母、さん……?」

「ご、ごめんなさいパープちゃん。また間違えちゃったわね……」


 ひっくり返ったお皿を片付けながらカレンお母さんは言う。

 メイラ……違和感のある家……お父さん……。カレンお母さんには昔、娘が()()……? 話の節々から感じるに、娘は亡くなってしまっている?

 もしかして、私くらいの歳だったのかな……。 だとしたら、私をその子の()()()にしているの?

 分からない……けど、確実なのはカレンお母さんが心に何か大きな闇を負っていること。私にできることは何かないかな……?


 あ、そういえばお願い聞き入れてくれなかった!!

 なんか話がだいぶ逸れてしまった……。もう一度お願いするというのは無理そう。聞いたらまたトラウマ(?)を思い出して取り乱しそうだし。

 カレンお母さんが辛い思いをするのも、見るのも嫌だ。だから、私を”私”として見てくれるまで、この話題は封印かなあ。魔境の森から出るまでの道は遠そうだな……。



♢♢♢



「じゃ、お夕食の食材を狩ってくるわねぇ。()()を守っていい子で待ってるのよ♡」

「は~い」

 買うではなく、狩るなのね……。

 もうカレンお母さんとの付き合いは3か月になるし、狩りのお留守番は慣れっこ。

 このお留守番には1つの約束がある。それは、絶対に家の外に出ないこと。


 カレンお母さんは魔境の森の西側を統べている四天王ではあるけれど、西の魔物全てが従っているわけではない。心からカレンお母さんを慕い忠誠を誓う者もいるけれど、中には表面上だけ従い、寝首を掻こうとしている者もいる。それどころか、常に攻撃的な者もいるらしい。でも、カレンお母さんは植物系モンスターには優しいから、慈悲を施して放っておいている。

 そういう危ない魔物が、カレンお母さんの唯一の弱点――私を狙って襲い掛かるかもしれない。まあ、私は弱点なの? って感じだけどね。魔物からしたらそうなのでしょう、うん。

 まあこの3か月間、1度も襲われていないから大丈夫だろうけど。(もしかしてフラグ⁇)



「――きゅ、きゅきゅ!」

 この鳴き声は……アムール?

 どこか切羽詰まったような声が玄関の向こう側から聞こえてくる。……家を出ちゃダメって約束だから、扉を開けるくらいはいいよね?

「どうしたの、アムール?」

「きゅぅぅ‼」

 アムールはいきなり私の服の裾に噛みついて外へ出そうと引っ張ってくる。何々、どういうこと?

 アムールは賢い。何かのいたずらでこんなことはしてこないはず。私に何か危険を伝えようとしてくれているの? ……でも約束が……。

 ……いやいや、約束なんか気にしなくていっか。約束は破るためにあるんだからね。(そんなことない)


 私はアムールを信じて、外へ出る。

「きゅっ」

 アムールはついてきてと言わんばかりに鳴き、裾を離して走り出す。私も急いで追いかけたその瞬間――


――ドゴォォォン


「――!?」


 凄まじい風によって私たちは茂みに吹き飛ばされる。そして気が付いたときには飛んできた瓦礫が目の前に迫ってきていた。

 避けられな――――

「きゅぅ――――‼」

 アムールが魔法で土の壁を作り、なんとか直撃を免れた。アムールの土魔法は……まあまあだから、小さな瓦礫は普通に当たちゃってかなり痛い。でも、大きな瓦礫からはしっかり守ってくれた。致命傷だけは避けるというアムールなりの取捨選択だったのかな?

 私なんかただ呆けてただけだしなあ……アムール、本当に助かった。


「アムール、ありがとう」

「きゅ!」

 にしてもさっきのは何だったんだ?

 急いで茂みに身を隠しながら家があった場所を見る。さっきまであった家が無惨にも半壊してしまっている。誰が、何のために私の家ぶっ壊したのよ!? アムールが危険を教えてくれなきゃ今頃死んでたわ‼


「ケケケケケ、遂にやってやった‼」

 高らかに(特徴的な)笑い声をあげている女性の声が半壊した家の向こう側から聞こえてくる。土煙で姿が見えない。

「おっと、早くあいつの娘の死骸を見つけなくちゃいけないんだった」

 あいつの娘…………って私!?


「娘の死骸を見せつければあいつは狼狽える…………その隙にあいつを殺せば、私が西の主になれる‼」

 この人……カレンお母さんの四天王の座を狙っているのね。

 土煙が晴れてきて相手の姿が段々見えてくる。見た目は……普通のエルフ? だけど頭には大きな赤い花が咲いている。

 頭上に花が咲いているのはカレンお母さんと同じだけど……全然違う。カレンお母さんは華美すぎない黄色い花で、清いオーラを放っていた。でもこの人の花は……遠目からでも見える、毒々しい斑点模様の赤い花で、禍々しいオーラを放っている。

 この距離ならギリギリ【鑑定】できるかも?


(――【鑑定】――)



【名前】ラフレシア ♀

【種族】寄生花姫(パラサイトフラワー)

【スキル】

寄生Lv6 水魔法Lv3 風魔法Lv5 闇魔法Lv3 無属性魔法Lv5 鞭Lv5 体術Lv3

【称号】

【総合戦闘力】1400

【ランク】SS

――生物に寄生することで生きながらえ、宿主のスキルを自由自在に扱える。寄生植物の最上位種であるため、宿主の生死は問わず寄生することが出来る。

 ランクに伴わず知能が低く、考えていること全て口に出てしまう。



 あ、これ戦っちゃだめなやつだわ。

「アムール、ここは戦わないで逃げよう」

「きゅ」

 小声で話し、寄生花姫(パラサイトフラワー)から背を向けてしゃがみながら移動する。焦らず、音をたてないようにゆっくり行こう。


「あいつは本物の妖花女王(アルラウネ)じゃない。魔境の森に転がり込んできたただの女だ。そんな奴が主だなんて反吐が出る」

 背後から瓦礫の中から私を探す音と共にそんな声が聞こえてくる。

「あいつは()に執着してる。転がり込んできたときも酷い有り様だったしなあ……」

 聞きたくない、本人の口から直接聞きたい。でも、カレンお母さんの過去が気になるからかどうしても聞き耳をたててしまう。


「ただ殺すだけじゃつまらないな。娘の死骸を目の前でオークに喰わせよう。その次はあいつだ……手足を切り落とし、無力化してから発情したオーク共に弄んでもらおう」

「――――ッ‼」

 堪えて、堪えろ!


「ケケケケケ」


「お、お母さんを、馬鹿にするなぁぁあっ‼」


 寄生花姫(パラサイトフラワー)と目が合う。

 堪らえようとしたけど、お母さんの不幸を想像して笑っている声を聞いたら、頭が真っ白になってしまった。そして、気づいたら茂みから飛び出して大声で叫んでいた。


 あーあ、、、ここまで来ちゃったらしょうがない。お母さんの名誉挽回のためにも、お前はここで倒す‼

 遂にストックしていたエピソードが無くなってしまったぁ〜!!

 日曜日には投稿できるように……が、頑張ります!!

 評価してくれたらもっと頑張れるかも……?

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