3-40 学校は癒されます①【2021年12月15日】
~~~ 教室 ~~~~~~~~~~~
早朝の教室。クラスメイトは3人のみ。
早く登校するのが日課である。
窓際に座るミューミュー。
グラインドで汚れたユニフォームに身を包み、
ひたむきに練習する野球部員の姿を目で追っている。
特に気になっている男子がいるという訳ではない。
頑張っている姿を眺めることで自分の心が癒される。
朝早く登校するのは最近の話で、
2か月前まではギリギリに登校するような子だった。
心境の変化は言うまでもない、夢の世界が原因だ。
テレビで見る戦争や死傷者なんて、
自分にとっては無縁の存在で、そんなものは
フィクションだと思っていたところで、まさか
夢の世界でその光景を目撃することとなるとは。
始めのころは、ショッキングでかなり動揺したけど
近頃はだいぶ慣れては来ている。
それでも心を落ち着かせる時間は欲しい。
見つけた場所が、早朝の教室という訳だ。
マスミン「おはよう。ミューミュー。」( ^0^)
ミュー 「おはよう。マスミン。」(^-^ )
マスミン「相変わらず。早いね。」
ミュー 「マスミンもだよ。」
マスミンは鞄を机の上に置くと、
ミューミューを正面にして腰掛ける。
マスミン「で、どうなの?どうなったの?」( ^0^)
ミュー 「朝一からそれ?早いっ。」(^-^;
マスミン「だって気になるじゃない。
これが楽しみで学校に来てるんだから。」
ミュー 「でしょうね。」
マスミン「続きは?」( ^0^)
ミュー 「見たよ。
見たよで、合ってるのかな?」(..?)
ミュー 「すごく嬉しそうだよね。」
マスミン「そりゃそうだよ。
見てないなら、帰ろうかなって
考えてたくらいだから。」
ミュー 「ちょっと待って。」
マスミン「いいから、早く、早く。
授業が始まる前に全部聞きたい!」(>_< )
ミュー 「いっぱい在りすぎて、
どこから話していいか。」
ミュー 「えっと。ルジャンって覚えてるかな?
サララチームの一人なんだけど。」
マスミン「覚えてる。
メーティス争奪戦で死にかけた人だよね。」
ミュー 「死んじゃった。」(..)
マスミン「えー」\(>_<)/
ミュー 「そうなの。」
マスミン「ちょっと待って!
話が見えないし、飛び過ぎている。」
ミュー 「ごめん。」
マスミン「軍のなんちゃんらって所で」
ミュー 「ドメニコ軍事施設。」
マスミン「そこそこ。そのなんちゃら施設で
負傷者がいっぱい出てて、」
ミュー 「300人位が救助された。」
マスミン「前回、その人達を助けに行く
というところまで聞いたよ。」
ミュー 「あれ、そんなところまで話したっけ?」
マスミン「そうだよ。
サララと発電所行くのに、なんちゃら施設に
立ち寄ったら、そこで火災が起きたんでしょ。」
ミュー 「そうそう。」
マスミン「救助の話はどうでもいいわよ。
どうせ全員助けたんでしょ。
それよりも発電所へ行った話、聞かせて。」
ミュー 「発電所じゃなくて、発光炉ね。」
マスミン「そんな細かいこと、どうでもいい。
で?で?」(^o^ )
ミューミューは左右に首を振る。
ミュー 「うんうん、行けなかった。
火災の救助活動が長引いちゃって、
第三発光炉へはサララの部隊だけで行ったの。」
マスミン「火災、そんなに酷かったんだ!」
ミュー 「うん。現場は火の海になってて。
作業中もあちこちで爆発があって、メチャメチャだった。」
ミュー 「その救助活動でルソンが大ケガしちゃった。
ルソンって私の部隊のメンバーね。」(..)
マスミン「大怪我って?」
ミュー 「もう」(i_i )
ミュー 「もう、ZATの活動は出来ないって医者に言われた。」
マスミン「それって寝たきりになったこと?」
ミュー 「うんうん。
日常生活には支障ないところまでは回復できるけど
激しい運動は出来ないって。」
マスミン「ネロに治してもらえば?」
ミュー 「ダメだって。」
ミュー 「直視できないほど血だらけだったの。
パニックになって大泣きしちゃった。
ネロが私を動かして、応急処置してれたんだ。
だから命を落とさずには済んだの。
正直、私は助からないと思った。
最低な人間だね。」(i_i )
マスミン「それは辛かったね。
何て言っていいか分からないよ。」
ミュー 「他の隊長さんに『隊長として失格だ』って言われた。」
マスミン「失礼な人よね。
結果だけしか見ない人いるもんね。」(--#)
マスミン「ミューミューのせいじゃないんでしょ。」(o_o")
ミュー 「私の指示ミスだなんて思わないようにしてる。
ルソンの行動が台無しになっちゃうから。
人を救うためにルソンは自分を犠牲にしたの。
その行動は正しく、尊敬に値すると思う。」
マスミン「ミューミューは良い子だね。」( T_T)
マスミンが泣き出す。
ミュー 「なんでマスミンが泣いてるの?」
マスミン「ミューミューの考え方に感動するわ。
あなたはなんて純粋なの。
やばい。めっちゃ泣ける。」
ミュー 「偉くとも何ともないよ。
メンバーが私に教えてくれたの。」
マスミン「そっか。それでも私はミューミューは
いい子だなって思うよ。」
マスミン「胸熱です。良い話し聞けた。」
ミュー 「そうだ。カイくんにあった。」
マスミン「カイくん?
えーっと、どちらさんの人?」
ミュー 「ほら、カール爺さんとこに居た子。
覚えていない?」
マスミン「あぁ。国境で助けた子ね。
告白されたの?」
ミュー 「いつの間にか警備隊に入隊してた。」
マスミン「ミューミューと一緒に居たいから
追いかけてるのね。
付き合っちゃえば!」
ミュー 「そんなんじゃないよ。
彼は人を助けるために入隊したの!」
マスミン「ミューミューが惚れったってことね。」
ミュー 「なんでそうなるの?彼とは友達だよ。」(^^;
マスミン「へぇー。」( --)
マスミン「そもそも、どうして火災になったんだっけ?」
ミューミューは事の経緯を説明した。
マスミン「確かに命がけの救助だったね。
お疲れ様。」
ミュー 「ネロが私を動かしてただけで、
ほとんど、私は何もしてないんですけど。」
マスミン「またそれ。そんなことないって。」
マスミン「そういえば。
サララの方はどうだったの?」
ミュー 「半日で戻ってきたよ。
まだ、細かい話は聞けてないんだけど、
マスミンの予想通り、調査団は偽物で
アストロ国のエネルギーを奪いに来た集団だったみたい。」
マスミン「ほんと?私すごくない!」*^-^*
ミュー 「うん。すごい、すごい」
ミュー 「サララが到着する前に、その調査団は
発光炉を再稼働させられちゃったって。」
マスミン「電気取られたってことね。」
ミュー 「それは阻止できたんだけど。
発光炉が動いたことで巨大地震が起こるんだって。
テレスさんが言ってる。」
マスミン「テレスさん?建国際でテロした人よね。
テレスさんに会ったの?」( >_<)
ミュー 「サララがね。」
ミュー 「発光炉にテレスさんも居たんだって。」
マスミン「ほう。テレスさんはどいう理由で、
建国祭でテロを起こしたって?」
ミュー 「それが聞けてないの。逃げられたんだって。」
マスミン「サララがテレスを逃がしたんじゃなくて?」
ミュー 「あの話しぶりだと、
ほんとうに逃げられたんじゃないかなぁ。」
マスミン「へぇー。地震が起こるって本当なの?」
ミュー 「わからないけど、もし起こったら
経験したことのない超巨大地震になるんだって。」
マスミン「テレスに騙されてるんじゃないの?」
ミュー 「テレスさんはサララには嘘つかないと思う。」
マスミン「なら早く対策しないとじゃない?」
ミュー 「そうなの!ビルは倒れるっていうし。
でも非難する場所もないし。みたいな。」
マスミン「そっか。調査団ひどくない?
テロとかという規模じゃないよ。」
ミュー 「そもそも、この話を信じるかって問題もある。」
マスミン「確かに。本当に地震が起こるか分からないもんね。」
ミュー 「私自信も疑ってる。
メーティスに聞いたら巨大地震は起きない
って言うし。」
マスミン「大騒ぎして、もし
地震が来なかったら大問題になるよね。
ミューミュー達が嘘つき呼ばりされることになる。
地震が来てからじゃ遅いし。
難しいね。
必ず起こるデータがあれば
いいんだけど。」
ミュー 「マスミンは頭がいい。
私達も同じ結論になって、ちょうどテレスさんの
隠れ家へ向かおうとしてるとこなの。」
マスミン「テレスさんの居場所知ってるの?」
ミュー 「通信はできないんだけど。
サララだけ。分かるようになってるみたい。」
マスミン「メーティスに聞けば居場所は分かるんはずなんでしょ?」
ミュー 「そのはずなんだけど、分からないの。
意味わからない。」
マスミン「なにそれ!」
ミュー 「そうなの。」
マスミン「もしかして、テレスさん。
ミューミューと同じ、マス国人なんじゃない?
同じ権限持ってるよ、きっと。」
ミュー 「同じ権限って。
テレスさんは王家出身ということになるよ。
マス国で王家?まさか。」
マスミン「絶対そうだよ。つじつま合う。」
ミュー 「確かに合うけど。
会ったら聞いてみる。」
マスミン「そっか。今後も楽しみが出来たわ。」( ^_^)




