E X:実はあの時・4
視点:宙
場面:1月30日 午後
「グギャァァア!!」
ゴブリンキングが怒ったように叫ぶ。
何でもないただの叫び声のはずなのに、その声を聞いたとたん、オレの体が動かなくなる。
これは、『威圧』か。相手の動きを封じる効果があると由紀先生に聞いた。
動きを止められたが、オレは焦らない。
ゴブリンキングがオレの方に向かって突進してきたが、そこに康弘が入り込んで防いでくれる。
ここのゴブリンキングの威圧は、精神力が1000ほどあれば効果を受け付けなくなる。
そして、今の康弘の精神力は2100、結衣は1320だ。
だから、二人に威圧の効果はかからない。
そして、数秒後にはオレの体が動くようになった。
そしたら、また後ろに回り込んで足を切り刻む。
すると、ゴブリンキングは呻き声を上げながらこちらを向き、オレに向かって腕を振る。
単純な攻撃だが、攻撃力1000越えがやるとかなりやばい。
が、
「康弘!!」
「わかってるって」
オレが叫ぶとほぼ同時に、今度は康弘が攻撃をかける。
康弘の攻撃力は1500、それにバフ、デバフの効果がつく。
正直、オレの攻撃なんかよりもずっと痛いだろう。
オレの場合はかなりの速さで連続攻撃をしていたから、最終的なダメージは同じぐらいだろうが。
ちりつもだね。
『月光・速』
進化した月光を発動して、ゴブリンキングの攻撃をかわしていく。
大振りで単純、かわすのは簡単だ。
もちろん、カウンターを入れることも忘れない。
手首も急所として認定されているようなので、クリティカルのためにそこを狙う。
しばらく続けて、ゴブリンキングがやけになって手足を振り回し始めたあたりで一度離脱。
偶然だろうが何だろうが、当たった瞬間にオレのHPの8割とあたった部位の骨が潰れる。
別に無茶をする必要はないし、ここは堅実に行こう。
「グギャアアアアアア!!!」
ゴブリンキングが再度叫ぶ。
すると、ゴブリンキングの体が淡い黄色のオーラに包まれた。
あれは『攻撃上昇』だろう。これで、ゴブリンキングの攻撃力が2000近くまで増加した。
だが、やることは変わらない。
確実にダメージを与えていくだけだ。
『ガードカウンター!』
康弘がゴブリンキングの攻撃を受け流し、スキルによってその攻撃の3分の2のダメージを与える。
すると、上がれていたゴブリンキングの体が崩れ落ち、そのまま血を吹き出してうごかなくなった。
「やったね!」
結衣がそう言いながら駆け寄ってくる。
康弘は、疲れと安堵からか息を吐きながら座り込む。
オレは、ゴブリンキングをリングに収納しながら、なぜか戦うこと、
攻撃が当たるかもと言うことに恐怖を覚えないことを不思議に感じた。
その日のお風呂は、とても気持ち良かったそうです( ´∀`)




