第1話 私の頬には美少女の唇
「礼華ちゃん!一緒に話さない?」
返事はジト目だった。
ええっともしかして私うざいとか思われてる?どうしようそんな目で私を見ないでください。お願いだから。
「ごめんね……お邪魔だったかな?」
更に目が鋭くなる。
うひゃあああああああああ。絶対嫌われてるううううううううう。待て待て待て待て!千春!まだだ、もしかしたら名前わかんないどうしよう……。って可能性も……いや何を考えてるんだ…私は礼華さんに限ってそんなことない…もしかしていきなりちゃん呼びが不味かった!?でも少し頬が緩んだような気も……いや気のせいだ!くっそー高校デビューの雰囲気陽キャにはわかんないよー!誰かhelp me!!!……誰も助けてくれませんよねそうですよねごめんなさい!!
「千春ちゃん?どうしたの?そんなにこの世の終わりみたいな顔して?」
そこには高校デビューの努力の…いや優しさの神とも呼べる少女泉稲美ちゃんがいた。
「いや……その礼華ちゃんと話そうと思って…。」
「礼華ちゃんはそこにはいないよ?」
「え?」
確かにもういなかった。
じゃあさっきのは幻?良かったあああああ!!んなわけあるかああああああ!!!きっと私がウザくて逃げちゃたんだああああああああ。
「大丈夫?心の中がジェットコースターって顔してるよ?」
ああ聖母がいる…ピンク色の綺麗な豊かな髪グラマラスな体型どこをとっても聖母にしか見えない……。あの胸に飛び込みたい……。
「千春ちゃん!千春ちゃん!」
「え?あ、ごめん意識が飛んでた…。」
そして、稲美ちゃんはまるでお母さんのように
「もう!夜更かしはダメだよ!」
と人差し指を立てて優しく注意…凄く聖母だった……。
私は何をしていたんだっけ?この聖母のありがたい言葉を聞きにきたんだっけ…は!
「ねえ!礼華ちゃんはどこ?」
「あ!そっか礼華ちゃんを探してたんだもんねえっと…図書室の方に向かったと思う。」
「ありがとう!じゃあ行って来る!」
私は図書室に全力前進しようとしたが
「ま…待って!?これから授業だよ!?」
そういえばそうだった。
今は五限…後一時間ある…。
だが、私は構わない…礼華ちゃんに嫌われるよりは一限捨てる方がまだマシ…!
「私授業でなかった怒るよ!絶交する!!」
代償重くない!?重すぎない!?
結局私は追うことができずそのまま授業を受けることになった。
そして授業後私は稲美ちゃんへの謝罪をした後全速力で図書室に向かった。
銀髪で身長が低くて、まるで天使のような可愛らしい顔だち私はそんな彼女を放って置けない。
放って置きたくない。
もしここを曲げたら私は私じゃない!!
「はあはあ……。」
私は廊下を駆け抜けた。
幸い廊下は校門の逆方向なので先生にばったり会い反省文1000枚だああああ!!みたいなことにならなかったのは幸いだ…いや例え話だからね。
そして私は遂に図書室に着いたが……そこには天使はいなかった…。
もう遅かったのだろうか……。
私個人の感覚としては図書室に一時間以上いるのが普通なのだがいないと言うことはもうとっくに…。
正直全力ダッシュで校門から蹴抜けようとも思ったけど、
相当疲弊していたので暫く本を読むことにした……完全なる敗北…いや私の努力不足だったのかもしれない…もしかしたら私は人の心がないのかも…。
とりあえず、本を読もう。
とりあえず、the 王道のアガサクリスティのオリエンタル急行殺人事件を読もう。
読んだことあるけど新しい発見があるかも!
こう言う時こそ現実逃避!
それから一時間後夢の世界にいざなわれるのはそう難しくなかった。
心地良い。
至福の時間だった。
何物にも変えがたかった…。
ん?今何かほっぺに柔らかい物が当たっているような…。
気のせいか……。
また当たっている気がする…。
私は恐る恐る目を開くとそこには
私の頬にキスをする礼華ちゃんがいた。
え?
私はもう一度目を瞑る。
もう一度開く。
瞑る。
開く。
瞑る。
……開く。
私と礼華ちゃんの目が合う。
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?」
私は思わず飛び上がる。
え?え?どう言う状況?え?え?
「いった!もう…いきなり飛び上がらないでよ!千春ちゃん♡」
え?え?え?え?え?
私の頭は既に絵考えることを放棄しオーバーヒートしていた。
情報の処理が……。
「えっと…?礼華ちゃん?コレハドウイウコトナノカナ?」
見ての通りよ。
「可愛いから…あなたにキスしちゃったのよ?」
ピーピーピー。
私は二度目の眠りにつきそうになる。
「エット…ドウイウコトナノカナ?」
礼華ちゃんは一体どこからそんな表情が…と思うほど妖艶な笑みを浮かべていた。
「だって…あなたずっと健気で可愛いんだもん…最初は私も相手にしてなかったけど途中から必死なあなたをもっと見ていたい♡って思うようになってジト目で見てみたりとか色んな手であなたを困らせてみたの!」
何を言っているのか意味不明だった。
ただ一つ言えることは彼女がめちゃくちゃドSだったということだけだった。
この時私は知らなかった今後想像を絶することが何度も起こることを……。
頑張ります!




