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異世界農業冒険譚  作者: ぬぱ


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10/10

初依頼

掲示板には討伐依頼、採取依頼、お手伝い依頼など様々な職業の依頼が張られていた

 ランク1の依頼のほとんどは採取依頼かお手伝い依頼だった

 その中で僕は一つの依頼に目をとめた

 この前行った洞窟に生えている薬草の採取依頼がそこにあった

 「この依頼ランク2だったのか……」

 他の採取依頼と比べると少し難易度は高めだった

 確かに熊の魔物も出てきて採取する際にトラブルはあった

 後からトトさんに聞いたことだとあの熊の魔物はスペリベアーという名前で凶暴な熊の魔物らしい、魔法の類で攻撃することはなく基本的には肉弾戦によって攻撃を仕掛けてくる、そして僕が何より驚いたところはあの魔物のランクが3だということだ

 魔物にもランクが設定されておりランク1だとうさぎの魔物など戦闘能力はさほどなく外の少ない魔物が分類されている

 スペリベアーの分類されているランク3には大型のトカゲの魔物であるリザードマンやワニの魔物であるアリゲストなど凶暴で高い戦闘能力をもつ魔物が分類されている

 そんなスペリベアーをトトさんの助けがあったとはいえほぼ一人で討伐することができた

 そのこともあり戦闘に関して少し自信を持つことができた

 他の依頼にも目を通すと一つ気になるものが目に留まった

 『温泉地の警備依頼ランク1:アラサワ山脈の麓にある温泉街ノックで1年に一度行われる収穫祭の警備を依頼する』

 「温泉街か……」

 この世界に来てから僕は水魔法を使ってお風呂に入ってきたため自然のお風呂というものに入ったことがなかった

 そのうえ先日のスペリーベアーとの戦闘での疲れがたまっていたため温泉という言葉はあまりにも魅力的だった

 「トトさん、この依頼とかどうですか?」

 「ノックで行われる収穫祭の警備依頼……いいね!温泉入りたいし行こー!」

 そうして僕たちは温泉という言葉に惹かれ、この依頼を受けることにした

 依頼を決め、僕たちはギルドを後にした

 「ショータ、この後どうする?」

 「収穫祭について色々調べたいから魔王様に勧められた図書館に行ってもいいですか?」

 「えぇ~、図書館つまんないからきら~い」

 「だったら少しの間別行動しませんか?」

 「別行動?」

 「うん、僕が図書館で収穫祭について調べている間トトさんイロアスのお店回ってくるのとかどうでしょうか?」

 「わかった!そうする!」

 「では、また後で広場の噴水の前で待ち合わせにしましょう」

 「はーい!」

 そうして僕はトトさんと別れ、収穫祭について調べるため魔王様に聞いていた図書館へと向かった

 イロアスの図書館は基本的には誰でも利用することができる

 だが一部禁書、古書が置かれているエリアだけは一般人には利用することはできないように魔法で閉ざされていた

 探しに来た収穫祭についての本は歴史書に分類されていた

 収穫祭は一週間にわたって開催される

 収穫祭では魔物の国イロアスのほかにも獣王国リューフォイ、エルフの国シュニッツの三カ国から様々な食物が集まる祭りらしい

 最初は一年の収穫物を豊穣の女神であるシュグニ=グラスに一年の感謝と共に収穫物を供物としてささげる儀式だけであったが時間が過ぎていくことでその儀式が祭りへと変わっていき、今では屋台が出て娯楽へと変わっていった

『前世の世界にあった祭りと似ているな……』

 そう考え事をしていると

 「君、収穫祭について調べてるの?」

 そう背後から声をかけられた

 振り返ってみるとそこには漆黒の長髪をなびかせ、顔立ちの整った女性がそこにいた

 「そうですね、今年の収穫祭の警備依頼を受けるのでそのために事前に下調べをしようとしてました」

 「そうだったのね、事前に事前に調べてるのまじめだね」

 「そんなことないですよ、収穫祭について知らないことだらけだったので……」

 「よかったら私が教えよっか?収穫祭についてはよく知っているつもりだし」

 「いいんですか?」

 「うん、何でも聞いてくれていいよ、それと一つ気になったことがあるんだけどいいかな?」

 女性は僕の方をじっと見つめながらそう尋ねてきた

 「気になったことですか?」

 「君ってスキル持ってるでしょ、それも農業系の」

 その言葉に僕は驚きを隠せなかった

 そんな僕を見て女性が

 「驚いた顔してるね」

 「そ、そうですよ、いきなりスキルを言い当てられたら驚きますよ!」

 「私も同じような力があるから君のスキルのことが分かったんだよ」

 「似た力があるとわかるもんなんですね」

 「まぁ、そんな感じかな、話そらしちゃってごめんね、収穫祭のことで聞きたいことある?」

 「そうですね……」

 そうして僕はその不思議な女性に収穫祭についていろいろ聞き情報収集を続けた


 「今日は色々ありがとうございました!」

 「いえいえ、私も収穫物行く予定だからもしかしたら会えるかもね」

 「その時はよろしくお願いします」

 そう言い僕はその女性と別れた

 そうして僕はトトさんと合流するため広場にある噴水へと向かうのであった

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