神様と仏教学者との対話
「神様、すべての生命は、輪廻転生するのでしょうか。」
「すべての生命は輪廻転生するぞ。」
「私も輪廻転生してきたのでしょうか」
「そうだ、お前も、輪廻転生してきたぞ。お前の過去世は、エジプトだったな。アトランティスにも、ムーにも生まれているぞ」
「私には、そんな記憶はありませんが。」
「当たり前だ。過去世の記憶を持ったまま、生きたら、人生は簡単になってしまうだろう。今まで、生きた知恵がそのままあったら、人生やややこしく、複雑になって、自分の人生を生きることができないだろう。そのために、すべてを忘れて、一から始める方が、いいだろう。なんと素晴らしいシステムではないか。」
「そうですね。でも、アトランティスの記憶があったら、楽しい気がしますけど。」
「自分が、アトランティス人で、エジブト人で、ムー人で、おじいさんで、若者で、若い女の子で、赤ちゃんだったりしたら、自分がどう生きたらいいのか、大混乱だろう。そこで、すべてを忘れて、生きるシステムの素晴らしさを実感できるだろう。すべてを忘れて、赤ちゃんとして生まれて、新しい家族の中で生き、若者として恋をして、結婚をして、家族を作れるなんて、素晴らしい。これこそ、神様の贈り物だな。」
「そうですね、一から始められることは素晴らしいですね。」
「そうだろう。これこそ、神の偉大さを実感できるだろう。」
「でも神様、輪廻転生した記憶は、私の中にちゃんとあるのでしょうか。」
「ちゃんとあるぞ。わしには見えるぞ。エジプトの時代の服装や、アトランティス時代の髪型の色や瞳の色がわしには見えるぞ。話し声も消えるそ、当時のことばで喋っているぞ。」
「本当ですか。いつか、私は、それを知る機会はあるのでしょうか。」
「この世を去ると、魂だけになる。すると、この地上の出来事やしがらみ、思いがどんどんそぎ落ちていくのだ。すると、魂の核、芯のようなものが残るのだ。それは、お前が生きた、何十回、何千回、何万回、何億回の人生の核、芯のようなものだけになる。神と共にある永遠の生命、不滅の生命、神のごとき魂の存在だ。そこには、何億年を生きた魂の知恵が詰まっている。そのエネルギーを力はすごいものだ。お前が一人で、宇宙を生み出すこともできるほどの知恵がそこにはあるのだぞ。」
「人間はそんなにすごいものなのですか」
「そうだ、人間は神に匹敵する力を内蔵しているだ。」
「そうなんですか」
「そうだ、だから、徹底的に鍛えねばならん。もし、間違ったエネルギーが放出されると、大変なことになってしまう。あまりにも強力すぎるので、人間の本当の姿、地球の本当のあり方が明らかになるまで、封印したんだよ。使いかたもよく分からない幼児に、弾の入った拳銃を与えたら、とんでもない事故が多発するだろう。みんなが爆弾を持っているとしたらとんでもないことになってしまうだろう。それは、とてもとても危険なのだ。だから、人間の本質を封印したんじゃ。しかし、封印しすぎたかもしれん。あまりにも、現代人は人間の本質に気づかなすぎる。ダーウィンの影響だろうか。それとも、ユリゲラーなどの超能力者たちが、あやしすぎたかもしれん。」
「人間の本質はそんなにすごいのですか。」
「お前の輪廻転生の何億回の人生の知恵を思い出せたら、それは、とんでもない知恵だと思うだろう。宇宙の139億年のすべてをお前が生き抜いてきたと輪廻転生という考え方は言っているのだぞ。始めもなく、終わりもなく、増えること減ることもなく、色即是空、空即是空の世界において、お前は普遍の生命だと言っているのだ。お前は仏教学者なのだから、わかるだろう。」
「でも、本当に自分が宇宙のはじめから、終わりまで、行く抜く普遍の生命で、輪廻転生をしながら生きる生命体だとは、気が付きませんでした。」
「仏教はすごい思想なのだ。宇宙全体を表し、宇宙のはじめと終わりを見通し、人間は宇宙と同じ存在だと言ったのだ。宇宙が普遍なら、お前も普遍なのだ。」