神様と鬼との対話
「神様 初めまして、私は、鬼です。よろしく。」
「鬼くん、はじめまして、よろしく。」
「あの、神様、一つ質問して良いでしょうか?」
「なんだね」
「どうして、鬼は、人間に嫌われるのでしょうか?」
「まあ、単純に、鬼の方が、人間より強いし、なにをしでかすか、わからんからだな。」
「そうですか。どうして、私たちの頭に、角があるのでしょうか?」
「動物の中で、角があるものといえば、牛、羊、鹿、犀みんなりっぱな動物ばかりだ。角があっても、りっぱな動物だ。鬼に角がないと、つまらんだろ。戦国武将の兜にも、たくさんの角がついているぞ。角は、強さの象徴でもある。まあ、恐さの象徴でもある。」
「どうして、鬼は、日本にしかいないだろう?」
「日本しかいないというわけでもあるまいが、日本は、とにかく、妖怪の仲間も多いので、鬼も一杯いるんだろう。」
「日本には、妖怪が一杯いるんですか?」
「一杯いるぞ。昔は百鬼夜行といって、百ぐらいしかいなかったが、いまでは、数万、数十万の種類がありそうだ。」
「そんなにいますか?」
「ちょっと、それは大げさのようだが、ポケモン、妖怪ウォッチ、水木しげる、ご当地キャラクターなどなど実にたくさんの妖怪と妖怪らしきもので、あふれている。とにかく、日本は多い。まあ、鬼がたくさんいてもいいだろう。イスラム教徒が、日本に住んでいると、たぶん、妖怪アレルギーになって、居心地が悪いと思うぞ。」
「それで、日本には、イスラム教徒の人が少ないんですか?もし、そうなら、トランプさんに、飛行場に、妖怪の絵をたくさんたくさん貼るといいと、教えてあげようかな」
「あのね、神社のお札じゃないんだから、そんなことで、効力があると思えんが。」
「じゃあ、警備員、妖怪の着ぐるみをきて、警備するとか」
「それも、どうかと思うが。日本には、妖怪がたくさんいるんで、鬼も住みやすいんじゃないかと思うぞ。」
「あまり、住みやすいと思ったことはありませんが、イスラム教の世界では、もっと、生きにくいかもしれませんね。ところで、ダンテの神曲には、巨人は出てきましたが、鬼は、出てきませんでしたね。」
「そうだの」
「私たちは、鬼のルーツはわかりますか?」
「わしは、人間のルーツを探しているんで、鬼のルーツまでわからんが、人間と同種で、巨人、鬼という区分と同じでないかとおもうぞ。」
「すなわち、鬼は、ひとつの人種、民族のようなものだと。」
「まあ、そんなところだ。」
「役の行者に仕えたスーパー鬼、前鬼、後鬼というのもいたようだぞ。」
「そうですね。」
「まあ、一種のスーパー人間ということだろう。」
「そんな理解でいいんですか。」
「まあ、おとぼけ神様の理解じゃ、気にするな。」
「・・・・」
「では、さようなら」
「さようなら。神様、いろいろ教えてくれてありがとうございました。」
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「おーい、作者」
「なんですか、神様」
「登場人物にこまって、鬼まで、登場させるんじゃない。こちらは、なにもしらないいんだから、ごまかすのに、苦労したぞ。」
「なにか、ごまかしたんですか。」
「まあな」
「次は、だれを登場させる気だ。事前の準備が必要だぞ。」
「実は、翼をもった竜、ドラゴンを登場させてみようかと。」
「無茶ぶりはいかん、いかん。ドラゴンは、エルマーに任せておけばいい。わしは、知らんぞ。」
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「神様、私、ドラゴンです。」
「・・・・」
「神様、私、ドラゴンですが。」
「・・・・」
「あれ、留守かな?」
「・・・・」
「神様、居ませんか?留守ですか?」
「・・・・」
「お留守のようですので、私、帰ります。書き置きしておきますね。また、来ます。」
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