神様とおばちゃんとの対話
「あんただね。うちの息子にへんなこと吹き込んだのは」
「わしは、あんたの息子を褒めただけだが。」
「あんたのおかけで、うちの息子は、人間の魂、ルーツ探しにいくと、いいだす始末で、どうしてくれるんです。」
「そうですか? 実は、わしも人間の魂、ルーツをさがしているんで、仲間ができて、心強い。」
「なにを言っているんです。うちの息子は優秀なんです。学校に成績もクラスで1番。だから、国家公務員にして、がんばってほしいと思っていたのに、最近は、人間の魂、ルーツ探しで、学校の成績が落ちてきたんですよ。どうしてくれんですか?」
「そうか、それは困ったもんですね。勉強をするように言いましょう。」
「あのねぇ。あんたが、現代科学は間違っているとか、常識を疑えとか、吹き込んだんじゃないのかね。それで、いろいろ勉強に身が入らなくなってしまったんですよ。」
「そうですね。しかし、彼は、なにかを大発見をする大科学者になれるかもしれませんね。」
「なんですか、突然。うちの息子は、国家公務員になるんです。」
「あなたは、この世界で不思議に思ったことはありませんか?」
「不思議なこと? 幽霊とは、マジックとか、そうゆうことかい?」
「まあ。そういうことですけど。」
「たとえば、今のご主人とは、どんな出会いで、結婚されたんですか?」
「ちょっと、いい男で、お人よしなので、ちょっと、これは、めっけものだと思って、逃してなるかと、一生懸命口説いてみたのさ。そしたら、案の上、結婚してもいいと言い出して、結婚することになったんだよ。ちょっと、あれは、いい拾い物だったね。私としちゃ、上出来上出来。」
「でも、どうして、あなたのご主人は、あなたと結婚したんでしょうね。」
「それは、私の魅力に惚れたのさ。私の大きな胸に惚れたのさ。」
「そうかもしれませんね。あまり、スマホの画面で、その胸に当てないでください。こちらも、息ができなくなってしまいますから。」
「あら、そうかい。それなら、放してあげようかね。」
「今、ここに、ご主人を守護する神様がきて、こんなことを言っていますよ。今から、2000年前、ローマの兵士だった時に、戦いで、大きな怪我をして、とても、生き延びれないと思っていたとき、あなたに命を助けられたと言っています。命は助かったのだが、大きな怪我の影響で、ほとんど、働くこともできず、あなたに食べさせてっもらったそうです。いつか、そのお礼をしなくちゃと思っていたそうで、それが、2000年後の今回の出会いになったそうですよ。」
「へえ、そんなことがあるんでしょうかねぇ。私には、全然、身に覚えがないけどね。」
「あなたのご主人も、なにも、覚えていないと思いますが、きっと、あなたと最初にあったときに、なにかを感じたんじゃないでしょうか。」
「それじゃ、あんた、私たちが、結婚する前から、この結婚は仕組まれていたとでもいうんですか?」
「まあ、結婚は天国で作られるという言葉もありますし、同じ時代、同じ地域や国に生まれないとなかなか、出会うこともできませんからね。天国で決めて、同時期に生まれても、途中で、死んでしまうことや、いろいろな事情が発生するのが、この世界ですから、必ずしも、うまく行くとはかぎりませんがね。あなたたちの場合は、なんとか、うまくいったほうで、うまくいかないケースも山ほどある。天国で計画したとおりにうまくいったようにみえても、そのことに気づけずに破綻してしまうケースも多い。なにせ、結婚するというのは、相当な縁があるはずで、愛も深いかもしれないが、憎しみみたいなものも、深い場合もある。2000年前には、敵同士だったが、今回は、仲良くやろうという、厳しいハードルを課して挑戦して生まれてくる場合もある。ハードルが高ければ、難しい挑戦になり、クリアできない場合もある。それも、それじゃ。」
「じゃ、私たちの場合は、なんとか、うまくいったということですか?」
「まあ、そんな感じだな。2000年前の高徳が、今、功を奏したという感じですかね。あまり、ご主人をいじめてはいかんぞ。」
「じゃ、うちの息子は、どんな縁で生まれてきたんでしょうね。」
「なかなか、活躍しそうだぞ。」
「なんですか、そのポケモンの評価のような評価は。」
「あまり、わしにも、詳しいことはわからんが、いい子だとおもうぞ。ぜひ、わしの弟子として、人類のルーツ探しは手伝ってほしいのだが。」
「それは、絶対だめです。神様なんでしょ、自力で頑張ってください。」
「そうか、それじゃ、自力で頑張るしかないか。少年が、なにか、大発見をしたら、わしにも知らせてくれるように言っておいてくれ。」
「まあ。そのくらいなら、言っていきます。さようなら。しょっちゅう出てくると、スマホを池に捨てますからね。気を付けてください。」




