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神様と自爆テロをする人との対話

「もしもし、そこの人。自爆テロをするのをやめるわけにはいかんかな?」

「ダメです。僕が、自爆テロをしないと、世界は変わらないんです。」

「しかし、おぬし一人が自爆テロをしたところで、世界は変わらんぞ」

「いいんです。それでも、いいんです。この世界が間違っているんです。僕は、自爆テロをして、天国に帰るんです。」

「しかし、天国の神様も、自爆テロは喜ばれない。しかも、多くの人が哀しみと混乱に陥るのだ。それなのに、どうして、神様は、君を迎えることができるだろうか?」

「僕たちは、神様のために、戦っているんです。神様が、この本に書いていらっしゃるように、僕たちは戦うんです。」

「神様が、その本を書いたのだろうか?」

「ええ。神様の言葉が書かれていると教えられました。」

「そうか。そのように、神様が書いたのなら仕方ない。すべての責任は、神様にある。ところで、どこに、自爆テロをしろと書いてあるのかな。」

「ここと、そこににも。あちらのページに、こちらのページに。」

「あれまあ。たくさん書いてあるのう。こりゃ、しかたがない。上級の神様に報告して、訂正してもらうしかないなあ。」

「あの、訂正が必要なんですか。」

「必要かもしれんが、世界的な新しい宗教が登場するまで、しばらく、時間がかかるかもしれんな。」

「じゃ、自爆テロをしてもいいんですか。」

「まあ、仕方がないじゃろな。神様が書いた本に、そう書いてあるなら、それを人間が否定することはできないだろう。」

「では、自爆テロに行ってきます。」

「気を付けてな。できるだけ、みんなに迷惑がかからないように自爆テロをするんだぞ。

「迷惑のない自爆テロは、自爆テロではありません。思い切り、大迷惑をかけてやります。」

「おぬしは、善意のつもりの行動かもしれんが、多くの恨みや混乱や悲しみを引き起こしたら、その責任は、ちゃんと自分でとるのじゃぞ。100年かかろうが、1000年かかろうが、自分で責任をとるのじゃ。人間のカルマは、個人の中にできるのではない。人間と人間の関係の中にできる、それは、消滅することがない。人間という日本語の表現は面白いものだ。一人では、人間には、憎みや恨みは生まれないのだ。同時に、慈悲や愛も生まれないのだ。人と人との関係に、それらは生まれるのだ。例えれば、それらは、大きな荷物を二人で持つようなものだ。それを落とすわけにはいかないので、少しづつ少しづつ、荷物を小さくして行くしかない。二人の間にある荷物なので、片方に押し付けるわけにはいかない。手を離すことはできないのだ。おぬしが仕掛けた荷物もあれば、仕掛けられた荷物もある。その荷物がなくなるまで、おぬしは、天国にはいけないのだ。」

「まさか、この神様の本に、天国に行けると書いてあるじゃないですか。」

「確かに書いてある。しかし、人間は、神と同根の力があるのだよ。」

「何を言っているのか、よくわかりません。わかるように説明してください。」

「そうだのう。犬や猫には、憎しみや悲しみという概念がない。犬や猫もケンカはするが、それは、その時だけのことで、恨んだり、憎んだりしない。」

「犬や猫ですからね」

「ところが、人間は、恨むや憎しみ、妬みといった思いがある、その思いは、誰かの関係の中にある。その思いは、存在しないようなものに思うけれど、それは、鉄の塊のように重い本当の存在なのだ。その本当に存在は、それぞれの人間の魂に、張り付いている。その張り付いてる量が多ければ多いほど、魂は、重くなり、天国には行けぬ。自分は、恨むや僻みがない場合にも、相手から恨まれたり、僻まれていれば、その思いは、重さになって、魂を重くする。そして、それが、溶けて小さくなって、なくなるまで、天国には行けないのだ。」

「本当に、天国に行けないのですか?」

「そうだ。人間の魂は、神と同根なのだ。この地上で生きた全てのことに、責任をとる力が与えられているのだ。思ったこと、行動したこと、人との関わりの全ては、物質のように存在するものだ。その全てに責任を持つことができることこそ、神のごとき人間の権能なのだ。」

「人間の権能ですか?」

「それは、神のごとき人間の権能なのだ。自分の生きた人生は、自分の魂に張り付いた全ての経験や思いと同質である。その重さが軽くなるまで、自分の責任として、持つことである。全ての人間のその魂の重さが全て解消されるとき、地球がユートビアになるのだ。その力は、ずべての人間の魂に委ねられている。その重さが、本当のリアルな現実で、それに立ち向かうのが、人間なのだ。」











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