神様と倒産寸前の会社の社長さんとの対話 その2
「神様、とんでもないことが起きました。」
「何が、起きたんだね」
「実家の兄が、田舎に新しく高速道路が建設作るんで、お前の持っている山を売れと言ってきたんです。」
「お前は、山なんか持っていたのかね」
「いや、そんなものはないと思っていたのですが、兄が言うには、親の遺産分けした時に、私の分があったのだそうです。田舎の山なので、ほとんど、二束三文だったので、すっかり忘れていたんですが、新しい高速道路を造るので、その山を売れということなんです。まあ、もともと、ただでもらった山なので、売ってもいいんですが、それが、5億円の値段がついたということです。兄は、松茸が育つ隣の山をもらったのだけど、今回の高速道路は、その山を通らないそうで、僕の山だけが、売れるんだそうです。」
「すごいことになったのう」
「これで、倒産を免れるかもしれません。しかし、不渡りは明日に迫っているので、やはり、倒産になってしまうかもしれません。」
「よかったのう」
「まあ、とんでもないことになったもんだ。もしかすると、田舎の銀行が、お金を貸してくれるかもしれないので、今から、田舎に行ってみます。人生、何が起こるかわかりませんね。」
「何が起こるか、わからないもんだなぁ。」
「あれ、神様に、未来を見通せるんじゃないんですか。」
「見通せる場合もあるぞ。しかし、時々意外な展開もあるので、予測できない場合もある」
「神様もいい加減だな。」




