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50.錠と鍵




 二年が経っても貴族の序列などが変化することはなく、つまりクラスの顔ぶれも変わらない。

 少し変わった点といえば、教室の位置が変わった程度。

 クラスメイトとはだいぶ仲が良くなったが、いつも一緒にいるのがソレイユさんというのは変わらない。


 そして、毎朝話す相手も。

「おはよう、セーレさんにソレイユさん。今日もいい朝だね」

 最近、エルンストさんの様子がおかしい。

 エルンストさんはいつも顔に微笑を浮かべているけど、感情が動くことはほとんどない。「困惑」みたいな感情を見せることもあるけど、それは本当に稀だ。

 そんなエルンストさんが常時「楽観」している。

 

 そして、その影響かエルンストさんがただの好青年に見える。

 おかしい。エルンストさんは好青年っぽいけど腹黒そうなのが隠しきれていない人間だったはずだ。

 ソレイユさんも困惑通り越して怯えている。

 絶対に何かある。


 ということで現在絶賛尾行中。

 透過魔法に無音魔法、ついでに魔力を操作して極限まで気配を無くす。

 道中を堂々と歩いていても神や精霊でもない限りバレない。

 そうやって着いたのはマタロス公爵邸。

 まあ行動は特に変わったところもない。


 透過魔法は透明になるだけでなく、実体もなくなる魔法だ。

 つまりどんなガードでも通り抜けられる。ふはははは、最強!!

 …私今、めちゃくちゃヤバいことしてるな。バレたらヤバいやつどころか、犯罪者として晒されそうだ。

 ……。

 絶対バレないようにしよう。






✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎






「…さて、あなたの目的を答えてもらおうじゃない」

 王都郊外の草原にポツンと置かれたテントのような家。

 その中では、大変物騒な出来事が起きていた。


 照明がことごとく破壊され、生まれた影から触手のようなものが出ている。

 だが、そこに星のカケラのような、何やら光る物体が浮かんでいる。

 その強い光に抑え込まれるように、真っ黒な触手、そしてその主人(あるじ)は動きを鈍らせている。

 窓も塞がれ、外的な光が失せた室内を夜とすると、その中で星はほとんど無限に生成できる。

 星の精霊にとって有利な状況だ。


 それ以前に光属性と闇属性は相性が悪い。

 お互いが同時に発動させたら互いにデバフを掛け合っているようなものなのだ。技の練度や魔力量が勝敗を決する。

 そして。

「神になりたての新米が、熟練の上位精霊に勝てるわけが無いじゃない」

 勝負はついた。


「…そっちが先に攻撃してきたじゃない!」

「質問に答えようとしなかったのはあなたよ」

「……だって、知らなかったのよ」

「でも、その()は闇属性に見えるわ」


 突然現れたセレンの不可解な質問を怪しむのも無理はない。

「だから、()ってなんのこと?」

「…光を司る神やその属性の上位の精霊は光属性の天啓を全て使えるわ」

「それがどうしたのよ」


「聖の魔眼、という天啓を知っている?」

「知るわけがないでしょ」

「魔法が使われた痕跡を見たりすることができるわ」

「それで錠とやらを見つけたのね?」

「そうよ」


「…それがっ、なんで私を攻撃する理由になるのよ!」

 光を通さない真っ黒な鎖がセレンの体に巻きつく。

「こんなもので、私を捕らえてどうするつもり?」

「…戦うからには、勝ちたいじゃない」

「ああ…そう」


「星よ、光よ」セレンが呟く。

 セレンの体に巻きついていた鎖が無くなる。

「…殺すつもり?」

「そんなわけないじゃない」

 大きな光の塊がフシルスの頭上に出現した。






✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎







 エルンストさんをつけていったら、ついに自室であろうところに辿り着いてしまった。

 …さすがに、自室に入るとかいう変態みたいなことはしたくない。

 ていうか、何で私はエルンストさんを尾行しているんだ?そんな必要性はあったのか?

 …何かしら良くない力に突き動かされているような感じがする。

 あるいは虫の知らせみたいな感じか?


 バアン。

 部屋の前でしばらく固まっていると、突然扉が開く。

 びっくりした…。

「…人はいないけど」

「もしかして、透明人間?」


 は???


「転移」

 誰にも聞かれないような声で。

 サヴァルミスコに転移して、さっきの状況を整理する。

 なんでバレた?ていうか、なんで、というよりもしバレてたらどうなってたが怖すぎて汗が止まらない。

 

 ていうか、エルンストさんは一人で部屋に入ったよな?

 なんでエルンストさんと、もう一人10歳ぐらいの少年が出てきたんだ?

 そもそも透過魔法は神や精霊でも無い限りバレないはずだ。

 …ん?

 神や精霊でもない限り?

 今のセレンの姿は10歳前後。

 つまり、エルンストさんと一緒にいたのは精霊、というかエルンストさんの運命の精霊だったってことか。


 最近エルンストさんが浮き足立っているのもそうだとするなら納得がいく。

 …うーん、でもそれだけであんな楽観的になるか?まあ、実際なっているからなるんだろうな。

 まあ、理由がわかったのですっきり。


 風に当たろう、とバルコニーに出る。

 遠くの空に光る鍵のようなものが見えた。

 …what's?

 ていうか、あそこら辺って私の仮拠点があるところでは?


 …何があったんだよ。






この話の続きを書かなくなって一年と少しが経ちました、これをもし読んでくれている人がいましたら、ごめんなさい。多分続きを書くことはないので、とりあえず投稿していなかった話を全部投稿しました。正直話のあらすじも、この先どういったストーリーにするのかも、覚えていないし読んだところでよくわからない。若気の至りで書いた拙い文章にお付き合い頂きありがとうございました。

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