59/78
アリサとの電話
スマートフォンのバイブが鳴る。
電話着信、アリサからだ。
「もしもし、叶海です」
もはやテンプレートとも化した台詞を口にする。
「叶海さん、斬咲さんの話、聞きましたよね?」
斬咲の話というのは本部と話し合いをする件だろう。
「うん、でも俺には彩香がいるし、本部と敵対する事になったら困るから断ったよ」
「私も断りました、このマンションにいられなくなったら叶海さんと簡単には会えなくなりますもん」
「いや…アリサそんなストーカー気質だったっけ?」
小ボケてみるとアリサは少し笑ったようだ。
「ストーカーと言うか、純粋に近くにいたいだけですよ」
アリサの照れ臭い台詞を聞くのももう何度目だろうか。
「お、おう…」
俺は返答に困り上手い返しができない。
「そうだ、今から叶海さんのところにお邪魔してもいいですか?」
「構わないよ」
「わかりました、では1時間後に伺います」
「了解」
そこで電話は途切れた。




