尋問2
「即ちだ」
斬咲が殺芽に言葉を投げ掛ける。
「貴様らは人類をゾンビの手で殺す事により冥界にゾンビとして召喚する事が出来る。そして人類をゾンビ化させ、死神が他の神と戦うための対抗馬とする事を望んでいる。そして貴様も…」
斬咲はそこで一旦言葉を止める。
「ゾンビにされた…という事か?」
続ける言の葉を放ったのは数秒間隔を空けてからだった。
「少し思っただけでそこまで推察するとはねえ…やっぱりアニキには敵わねえよ」
殺芽は薄ら笑いを浮かべる。
「神との戦いともなれば相当な戦力が必要となる筈、そこで人類の中でも秀でた戦闘力を持つ俺を殺し、ゾンビにしようと目論んだ…そういう事か?」
斬咲の質問に殺芽は答えない。答えなくてもアンサーは解るのだ。
「アニキに忠告しておく、俺は四天王の一角に過ぎない。やがては他の四天王がアニキを襲いにくる。担当が俺から他の奴に変わっただけだ」
殺芽は淡々と述べる。
「そうか。そして次の質問…短いが大事な質問だ、少なくとも俺にとってはな。お前はどうして【あの時】ゾンビに易々と殺された?貴様ならいくらでも対処できただろう?」
「何を抜かすかと思えば…私は確かに強い、でもアニキには到底及ばない。例え抵抗していてもあの状況で生き残れる確率なんて那由多に一つもない。だから力を欲したんだ、アニキに釣り合う、アニキに相応しい妹になる為の力を」
殺芽の口調は依然として淡々としているが、何処か憂いを含んでいた。
「そういえば、叶海が貴様の夢を見たと言っていたが、何か心当たりはあるか?」
斬咲は質問を続ける。
「あぁ…死神様の加護を借りて、あいつには私の過去を見せた。あいつからは人間でありながら膨大な魔素を感じたからな。」
「叶海から魔素を感じただと?」
斬咲はこう考えた。叶海から膨大な魔素を感知出来るなら何故本部は叶海をゾンビと認識しないのか。或いは魔素は感知しているが何か隠しているのか。
「最後の質問だ、貴様は俺に協力するつもりはあるか?」
斬咲は鋭い眼光を殺芽に飛ばす。
「俺は捕虜だ。従わなければ殺されるのであれば、どんな命令にでも従うさ」
殺芽のその言葉を聞き、斬咲はある決断をした。




