第2話 二人への特典
俺とヨッちゃんは早速転移の準備に取り掛かる。
とは言うものの、これから向かう世界の情報は大切だ。
「女神イシス。これから向かう世界はどんな感じなんだ?文化レベルやその他諸々」
「ざ、ざっくり聞いて来ますね。向かう世界の星に名はありませんが、その世界には国家が存在し主に王制が多く見られます。宗教も大まかに二つ存在しますが、ほぼ女神イシスを崇めておられますよ」
「(お前じゃねぇか)」
「文化レベルはそうですね、工業革命前夜って所でしょうか。ある所には有るけど無い所には無いって感じですね」
「要は現代知識チートは限りなく使えないって事だな」
「現代知識チートですか?地球の文化や科学って事ですか?」
「まぁそんな所だな」
俺の言葉にポンと手を打ち。
「あぁそう言う事ですね!地球の様に核施設とか無いですしウラン濃縮とかすればザクザクかもしれませんね!それはもう食うに困らずです!」
あぁやっぱりそっち系の女神なのか……。
「んで魔物とかはどうなんだ?剣や魔法のスキルを与えるくらいだ。相当ヤバイんじゃないのか?」
その言葉にピクリとイシスの眉が動くのを俺は見逃さなかった。
「ヤバイナンテコトハナイデスヨ」
眉見逃してもヤバイのバレバレじゃねーか!
「はぁ、わかったよ。居るんだな魔物。それも結構」
「魔物も盗賊もヤバイですけど戦争もヤバイですよ?」
「そっちもか!それもう相当ヤバイじゃねーか!」
俺の大きな声に、今まで黙っていたヨッちゃんが。
「決めた!」と一言。
「えっと何を決めたの?」
「え?特典その①の年齢に決まってるじゃないですか」
「あぁ~もう決め出してるんだね」
「大介さんもちゃんと考えた方がいいですよ?」
「そうは言ってもなぁ~」
俺はもう一度女神の特典を思い返す。
――特典その①
転生では無いが、転移する時に年齢設定を行える。
――特典その②
お好きな装備が与えられる。
――特典その③
魔法か剣のどちらか一つ、魔法創造か超絶剣神のスキルを持てる。
――特典その④
魔法創造と超絶剣神以外の自分の創造したスキルを持てる。
――特典その⑤
もれなく女神イシスが異世界ナビ役として死ぬまで同行してくれる。
最後のナビは本当に機能するのか微妙だが、流石に自分を崇める星でそう大変な事は起きないだろう。
そう考え俺は女神イシスを見ると。
「決まりました?とっとと死んで私を開放して下さいなんて微塵も思ってませんから心配しないで下さいね♪」
音符!その音符が既に殺しに掛かってんだろ!
コイツまじ大丈夫か?
そう思うも特典の内容を思い返し、一番最初に思い描いた内容を反芻すると自然と笑みが零れたのだった。
――特典その④
自分の創造したユニークスキルを持てる。
これだ。
――――
――
「ではお二人とも決まりましたか?」
「おう」「はい」
「では順番に」
――特典その①
転生では無いが、転移する時に年齢設定を行える。
「俺は17歳」
「私は35歳」
「は?」
俺は思わず声を上げてしまう。
ヨッちゃんは20歳でそれこそ誰しもが振り向くだろう美貌の持ち主なのだ。
なのに何故35歳と言うこれまた微妙な年齢を指定するのだろう。
美魔女ねらい?いや、そんなのは研磨しながら年を喰えば誰しもが到達出来るものだ。
なぜ劣化させる必要が?
俺の疑問をよそに、女神は話を進める。
――特典その②
お好きな装備が与えられる。
「無敵ビキニアーマー!」
「無敵道着!」
「は?」「え?」
今度はお互いがお互いの顔を見合わせ驚愕の表情を浮かべる。
――ヨッちゃん曰く。
「(17歳の少年がビキニアーマー?……そ、それはそれでアリと言えばアリなんだろうけど……大介さんマジパナイわ。でもそれならもっと年齢は下げるべきよね)」
――俺曰く。
「(20歳の自分を捨て去り、更に35歳の美魔女が道着だと?……いや、まてよ?まさかノーブラ道着なのか!?掴んだ瞬間美魔女がポロリか!な、何を狙っているんだヨッちゃん!世界征服か!そうなんだな!いやそうに違いない!俺にはドストライクだ!)」
「お二人とも次いいですか?」
「お、おう」「え、ええ」
――特典その③
魔法か剣のどちらか一つ、魔法創造か超絶剣神のスキルを持てる。
「俺は剣で」
「私は当然魔法ね」
「了解です。スキルはこうっと」
そこで先程から空中で何かをいじる女神イシスから視線を俺に向けるヨッちゃんが。
「大介さん?創造魔法ですよ?思いのままの魔法なのにどうして剣なんです?」
そんな当然の質問をして来た。
そりゃそうだ。
創造魔法が俺たちの思う物であれば、生活魔法にしろ広域殲滅魔法にしろなんでも出来るだろう。
だがしかし、しかーーーーし!本当にそれで正解か?
答えは否だ。
それは自分をだらけさせるだけの便利魔法に成り下がらないか?
だからこんな言葉がつい出てしまう。
「俺は自分を律したいだけさ」
うわっ!何今のセリフ。クサッ!俺クサッ!
「…………てき」
「ん?なにか言った?」
「え?な、何も言ってないです」
「では次ですね。面倒なんでちゃっちゃと行きますよ」
「「言葉遣い!」」
「てへっ」
こんな憎たらしいテヘがあるだろうか。
――特典その④
魔法創造と超絶剣神以外の自分の創造したユニークスキルを持てる。
「夜間は俺の姿だが日中、日の出ている間は17歳の俺の思う理想の少女の姿で!」
「夜間は私の姿だけど、日中は35歳のミドルガイの姿で!」
「「あ~なるほど」」
俺とヨッちゃんの納得しました的な声と共に、俺たちは自分たちの犯した落とし穴に気づく事なく再び光の中へと落ちて行った。
*******************************
さて始まりました「このビキニアーマーは俺が着てもいいですか?」ここまでがプロローグです。
面白そうだな?と思って頂けた時はポチッとお気に入りへ何卒。
結局私に王道転生は書けない気がするので、色物書く事にしました。
わくわくして笑って頂ければ幸いです。




