反撃
糸が揺れている。
わずかに。
だが、確実に。
「……効いてるな」
龍が言う。
悪魔は動かない。
だが、糸の動きが変わっている。
防御が増えている。
「余裕なくなってきてるな」
かんたが言う。
幸人が矢を構える。
「なら、押す」
短い言葉。
龍が前に出る。
今度は、止まらない。
人形が来る。
斬る。
受ける。
無理やり押し込む。
かんたが横から突っ込む。
「どけぇ!」
人形を弾く。
無理やり道を作る。
糸が揺れる。
集中が分散する。
「今だ!」
幸人が放つ。
狙いは糸。
一直線。
今度は、二本。
同時。
人形が割り込む。
だが――
足りない。
片方を防ぐ。
もう片方が通る。
“切れる”。
一瞬。
糸が弾ける。
人形が止まる。
「……っ!」
かんたが目を見開く。
「止まったぞ!」
龍が踏み込む。
だが――
悪魔が動く。
上昇。
さらに距離を取る。
糸を再構築する。
人形が再び動き出す。
「……再生するのかよ」
かんたが言う。
「だが、遅い」
幸人が言う。
明らかに違う。
さっきよりも。
反応が遅れている。
「……削れてる」
龍が言う。
悪魔は、まだ無傷に見える。
だが、違う。
制御が落ちている。
「……いけるな」
かんたが笑う。
「やっとだ」
龍が剣を構える。
「終わらせるぞ」
幸人が矢を引く。
「次で崩す」
悪魔が、上で揺れる。
まだ余裕はある。
だが――
もう、絶対じゃない。
三人は前を向く。
今度は、攻める側だ。
反撃が、始まった。




