第8話.俺の隙間は
俺は空き教室まで走った。1回も振り返らずに。アイツの顔を見ないように。「はぁ…何やってんだろう俺。アイツのこと好きじゃねぇのに期待させて、卒業までとか…」途中で気づいていた。コイツは諦めないんだろうな。俺はコイツと付き合うことになるんだろうな。でも本気ではなかった。全然、期待しているような回答を卒業で言わなくても、アイツならヘラヘラして笑うと思っていた。でも、それって弄んでるだけじゃん。アイツに言われるまで気づかなかった。「…アイツのこと好きなんかな、俺……俺って最低だな」『そんなことありません!!!!』「…え、蒼原!?なんで…」『何があったか分かりませんが…先輩はとっってもいい人です!!』「でもお前には翼が」『翼は親友です!!俺の!!…俺が好きなのは先輩なんです。どうか気づいてください』「…なぁ、卒業まで好きだったら付き合うって話したじゃん?」『はい』「あれ変えていい?」『…いいですよ』「卒業までに俺のこと振り向かせられたら付き合うよ」『…え!?本当ですか!?!!』「え、なんで嬉しそうなの…」『それなら自信あるからです!…むしろ、前の条件だと無理やり先輩と付き合うみたいでちょっとだけ悩んでたので…』「…フハッ」『え!?なんで笑ったんですか!?』「いや、なんでも」『なんですかもう〜』なんだ、こいつ、自分のことじゃなくて俺のこと考えてたのかよ笑…お互い様ってやつか
『先輩!今日新しく出来たコンビニ寄って帰りましょう!』「…パピコあるかな」『あったらわけっこしましょ!』そう言って扉を開けて出た。今日はいつもより、アイツが輝いて見えた。
扉の前で話を聞いていた。「…親友…か…」条件も変えられた。これで俺の隙間はなくなった。完全に。もう、終わりなんだ。
「…もっと早く言えばよかった…俺の馬鹿野郎…」




