第7話.追う背中の相手
昼ごはん。蒼原と食べていた。話さなければならない。俺が悪いから。「なぁ蒼原」『先輩から話しかけてくるなんて珍しいですね!いつも俺が10話して先輩が0話してるのに』「お前会話って知ってるか?」『で!どうしたんですか?』「…お前本当に俺のこと好きなの?」『え?』「具体的にさ」『…可愛い顔と、照れてる時に顔隠すところとか、裏の先輩の性格も大好きだし…』「ストップ」『え?』「…じゃあさ、翼は?」『え?』「お前の友達の」『ああ、翼!翼は優しくて冷静でいつもかっこよくて…』…やっぱり。俺の時よりスラスラでてる。ていうか俺の恋愛対象女だし。そうだよ。俺よりアイツの方がいいんじゃねーの?このままコイツを期待させるのは良くないよな。そうだ。言うんだ。翼の方がお前とお似合いだろって。言うんだ…言うんだ…『先輩?どうしたんですか?』「…え!?なにが?」『…何か翼とありましたか?』「いや、別に…」『…先輩、すごく寂しそうな顔してますよ』「…は!?いや、そんな訳ないだろ…そうだよ、そんな訳ねぇよ!!」いきなり大声を上げて叫び始めた。『せ、先輩…?』
「俺より翼の方がお前と似合ってるよ!!」『え、なんで翼が出てくるんですか!?』「俺は恋愛対象が女だから!!…お前に振り向くのはねぇと思うぞ…」『…どうしたんですかいきなり』「だから!!…ごめんな」そういって俺は屋上を飛び出した。
『…どうしちゃったんですか…先輩…』
「…翔?」『え、翼!?』「今先輩飛び出して行ったよな」『そうなんだよ…どうすれば…』「…ここに居れば?」『え?』「1人になりたい時だってあるだろ。お前がグイグイ行き過ぎなんだよ」『…確かに』「……ずっと不安そうな顔してんな」『え、顔に出てた!?』「それ癖だろ」『まぁ…』「…追いかけないなら追いかければ?」『え?』「今追いかけないのが正解だと思う。けど、お前が行きたきゃ行けばいいんじゃねーの?」『…行ってくる!』「おう」
そう行って走っていく翔の背中を見て、翔の気持ちを全て理解してしまった気がする。
「…やっぱり俺じゃダメだよなぁ…」




