第三話 頭痛外来の初診と効きすぎる薬
こんにちは。頭痛外来に行ってきました、のどあめです。
予約当日、私はびくびくしながら頭痛外来を訪れました。結論から言いますと◯黒◯造や丹波哲郎さんはいませんでした。
看護師さんもお医者さんもこちらの心情に寄り添ってお話を聞いてくださり親切でした。怖いお医者さんはいなかったよ。
脳神経に関係するからか血圧を測ってから、看護師さんに軽い問診をされます。
やはり聞かれました、どこで片頭痛と診断されたかと。
気分は事情聴取をされる被疑者です。怪訝な顔をする看護師さんにおどおどしながら昔すぎてわからないと告白し、診断を受けたクリニックの名前を伝えました。
幸い看護師さんがご存じの頭痛外来だったので容疑は晴れました。良かった、信じてもらえた。私は無実。
こうして問診という関門をクリアして診察に進みます。
まずエムガルティの注射のたびに腫れる事を相談するとさくっと別の注射に変えようということになりました。ちょうど痛い注射エムガルティを打ったばかりなので次回来診時に別の注射を打つことに決定。
以前から気になっていたエムガルティの錠剤版のお薬「ナルティーク」について聞いてみました。錠剤なら肌が腫れたりしないからね。残念ながら二週間分までしか処方できないと言われたのです。
この「ナルティーク」。お医者さまの解説によるとエムガルティと似ているけど作用がちょっと違うお薬でした。
エムガルティは片頭痛の元凶と言われるタンパク質CGRP(こいつが脳の血管に作用して炎症、痛みを引き起こす)を無効化してくれる聖女が使う浄化魔法の様なお薬なのに対して。
ナルティークは、いやいやCGRPが来る前にあらかじめ血管周辺のCGRP受容体をブロックしちゃえばいんじゃね?という考えで作られたお薬。魔獣が来ても領地に侵入させない様にする結界魔法の様なお薬です。
この結界魔法、魔獣が領地に侵入してもブロックできる凄いやつ。つまり頭痛予防もできるし発作が起きても効く素晴らしいお薬なのです。
昨年末に出たばかりのお薬なので、まだ長期間の処方ができないようです。残念。
試してみますか?と言われたので結界魔法もとい「ナルティーク」を処方して頂きます。
こうして初診のミッションはクリアされたのでした。
薬局に行ったら「ナルティーク」10錠でエムガルティとお値段が変わらなくてセルフレジでひっくり返りそうになりました。心の準備ができない薬局のセルフレジ、よくない。
一日おきに飲むとはいえ、よっぽどのお大尽じゃないと予防薬として使うのは無理なんじゃないかな。だって1錠1000円だよ?
まあ、初めて片頭痛の特効薬と言われたトリプタン系製剤を処方された時も似たようなお値段でしたけどね。手持ちのお金で足りなくてカードで払った苦い思い出。
片頭痛のお薬はやっぱり痛いよな、特に懐にと思いながら帰宅しました。
数日後。少し頭が痛む時に試しにナルティークを飲んでみたら怖いほど効きました。
ナルティークを飲む前は「毎朝、少しずつ死んでいってる私……」な感じでした。ところがナルティークを飲んだら「ビューティホー デー、お日様きらきら〜 気持ちえ〜」に。その間、わずか数分。
すぐ溶ける薬とはいえ、あまりの効きの早さと衝撃の快適さに慄きました。
効きすぎるお薬怖い。
数年ぶりにすっきりした気分でだるさも憂鬱さもない。かといってハイになっているわけでもない。洋楽の頻出ワード「wide awake(頭が冴え渡る)」とはこのことか。
しばらくするとね。片頭痛に隠れて気づかなかった場所、腰とか肩とか痛みだしました。私、他のところも痛かったんか〜い。
快適なのは嬉しいけど。嬉しいのだけど。いつもの普通じゃない(他人からすると正常な状態なのだろうけど)状態に慣れないのです――人生の半分以上、調子が悪いからね。
どのくらいかと言うと。これまでは、年に一度か二度、調子の良い日がくると
「ねえねえ、聞いて聞いて。今日はね、朝からどこも痛くなくて、だるくなくて、身体が軽くて調子がよいの」
とわざわざ相方に言いにいくくらいだったのですよ、私。
道理で痛い注射を打ちだしてから相方が喜ぶはずです。注射の効果が切れると具合が悪くなる私を見て「覚醒剤みたいやな」と言われますが。
話がそれました。
翌月、違う注射でどう変わるのか。
そして看護師さんとお医者さんに憐れみの目で見られた話は次の話。
今回はここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございます。




