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エディオスさんが私の体にアンデット化防止のお札を貼っています。
死霊元帥が私の体でアンデットを作ったら危険だからだと思います。
私も体をあれに操られたくはありませんので、ちゃんと保護してほしいです。
ダルジィさんと青髪女の闘いが続いています。
シャロンさんがダルジィさんの援護に入ろうとしたら、足手まといだから離れろと怒鳴られてました。
「最強の人間 対 人間族の神剣守護者ですかぁ。
面白いカードですねぇ。
共倒れしてくれるのが一番なんですけどねぇ」
「どうして共倒れが良いんですか?」
「人間族を守る存在がなくなるからに決まってるじゃないですかぁ。
私ぃこの世界の人間はもの凄く嫌いなんですよぉ。」
フィリアさん、それは私に対してダルジィさんに死んでほしいと言っているに等しいことに気づいているのでしょうか?
まぁ、彼女にも事情があるでしょうし、考えているだけなら辛うじて我慢できるので、何かしない限りは不問としておきます。
「そうですか・・・ ところであの青い髪の女性、エルシアという人は何者ですか」
「まぁ、簡単に言うならば、神剣に宿る怨念かなぁ」
「怨念ですか?」
神剣や聖剣に宿るといえば、清らかで尊い存在だと思うのですが、怨念というのはおかしいです。 違和感あるレベルではなく、明らかにおかしい設定です。
「かなり昔の神様が人間族を守るための剣を造るときに生贄になった人の魂ですねぇ。
憑依だけじゃなく、実体を持つことが出来るみたいだね」
なるほど、人間族を守る為に作った剣が、人間の幼気な乙女である私を殺したということですか。
あんな欠陥品を作るなんて、相当ボケていたのでしょうか。
非常に迷惑な神様です。
「生贄が必要な神剣というのはあまりにも気持ち悪いです。
尊い感じもしないです。
青髪の聖女さんは不快な存在ですが、ほんの少しだけ同情していいかなと検討してみます」
「一応、当時は慈愛に満ちた尊い聖女様だったらしいけど、何か勘違いして行き過ぎた献身をして神剣になり、気が遠くなるほど長い間、この世界に存在していた結果、壊れた・・・
ということですねぇ、私も長い間使徒をやっていると、稀に見かけるパターンだねぇ。
生贄になったことを後悔してるんじゃないかなぁ」
なるほど、おそらく相当長い間、神剣として生きていた? いや生贄になったから存在していたという事ですか。
友人や好きな人が年老いてドンドン死んでいって、自分だけ生き残って辛い思いをする。
テンプレパターンで驚きはしませんが、どうやら情状酌量の余地が考慮に値しないレベルですが、一応あるみたいです。
なぜなら、私の不幸度と比較すればまだまだヒヨッコレベルだからです。
「それでも自ら志願して神剣の材料になったというなら、それはいわゆる自己責任というやつです。
わたしは、なりたくてこんな姿になっていたわけではないのですから、不幸度合では私のほうが断然上ですから、とてもあの女には同情なんてできません。」
「材料? 自己責任って・・・ あなたねぇ・・・」
フィリアさんは何かとても言いたいことがあるようですが、私にあの青髪女を同情することはできません。
特に、生贄とか重い話とはまったく違う事なのですが、先ほどから激しく剣をふるいながらも微動だにしない巨大な胸部がものすごく気になり、不快です!
これは、確かめねばなりません。
「聖女の胸はパッド入り!」
異世界本にあった青い髪の水の女神様教義を引用して聖女をディスると、『びくぅ』と反応した後、明らかに私の方を睨んできます。
どうやら、私の姿が見えていて、会話も聞こえているようです。
そして、パッド入りは確定のようです。
青髪女は私の方をギラリ、ギラリと時折睨みつけながら、ダルジィさんと闘っています。
「あー、氷人形だから、胸が揺れないのは仕方がないんじゃないかなぁ?」
何故かフィリアさんが青髪女を庇うような発言をしました。
人形だから揺れない?
では、なぜ私の突っ込みにあの青髪女は動揺したのか・・・
「なるほど、生贄になる前はパッドを愛用していたと言うことですね!」
フィリアさんが青髪女庇ったと言うことは、この女も同様の罪を犯している可能性があります。
あらゆる角度からフィリアさんの胸をチェックします。
「な、なに? 私はパッドなんて入れてないわよ」
真田鑑定起動。
「ちょっと、鑑定とかやめよぉ~。」
・・・
・・・
・・・
「寄せて上げているようですね。
偽物ではありませんが、完全な天然由来のものではないです。
でも、お腹の贅肉も使った人工乳ってすごいですね、どうやるんです?」
珍しくフィリアさんが真っ赤になっています。
まぁフィリアさんは良いけど問題は青髪女。
ここはママが私に伝えたありがたい教えを声を大にして叫ぶ必要があるようです。
「パッドは貧乳に対する背信行為!
パッドがあるから、貧乳が悪しきものとして殿方に認識されるのです!
ツルペタ、洗濯板の何が悪い!
堂々と貧しい胸を張るのです!」
認めるわけにはいきません!
ええ、パッドは認めるわけにはいけません!
青髪女は苦虫を嚙み潰したような顔をしていますが、このママの教えを無い胸に刻んで欲しいです。
あと、ものすごく渋い顔で私を見ているフィリアさん。 言いたいことはわかります。
私よりは幸福ですが、生贄になって長い間神剣をやっている聖女さんの辛くて重い話をしている最中に彼女の貧乳を暴くという無慈悲な仕打ちをしたことを怒っているのですね。
でも、実はこっそり晒にパッドを入れて散歩したことがあるのです。
この時、不幸な事故が発生しました。
膨らんだ胸を見て嬉しくてスキップして歩いていたのが不味かったのか、知らない間にパッドずれて下がっていたのです。
これを死霊元帥に見つかり指摘されました時は、死ぬほど恥ずかしかったです。
薄ら笑いを浮かべる死霊元帥はもちろんぼこぼこにして、他言無用を約束させたのですが、あっという間に広まりました。
私より恵まれている女にかける情けなど、マジで無いのです。




