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破壊者_全ての敵を破壊せし復讐/デストロイヤー_ペネトレイト・ヴェンジェンス  作者: D-delta
第一章 世界の裏と奥底の真実に隠れた憎き仇敵、復讐すべし

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▽6・1 有志連合・語る真実

 暗い空に昇り始める太陽。夜明けの朝焼けが空を彩る。

 そして照らされていく。この空と大地、森空基地の上空に来た三機をも。


「こちら森空基地。上空にいる所属不明機に告ぐ。速やかに官姓名を答えろ。でなければ武力行使を用いて貴官らを撃墜する」


 森空基地から通信が来る。三人の乗っている機体が鹵獲した機体であるため、味方の警戒は強めである。


「私は第一一三重装甲機兵中隊フォックス小隊、ライカゼ・ユリ少尉です。着陸の許可を求めます」

「あぁ、フォックス小隊の……! これはまた大きい土産(みやげ)に乗って戻ってきたな。着陸を許可する。迎えの機体の誘導に従ってくれ」


 森空基地から出てくる中隊の『ベースドアーマー』たち。

 味方の誘導が始まり、三人は森空基地の開けた着陸地点に着陸していく。


「ユリ隊長!」

「なにあれ、すっご……!」

「人型兵器ってやつ? まさかあんなのがあるなんてね」


 三人の帰還に注目する兵士たち。その中に三人娘の姿もある。


「よし、いいな。稼働停止」


 後で搭乗しやすいように『魂解』をしゃがませて、ヨシノリが一番に機体を停止。

 意識を機体から自分の肉体に戻すと、コックピットハッチが自動で開いた。


「うっ……体に戻ってきた」


 閉じた目を開く。まるで眠りから覚めたばかりの寝起きの感覚。

 そこから起きたてに等しい身体を動かす。


「この拡張メットってやつ、着用したままで外に出られないんだな」


 慎重に一つ一つを確認しながら拡張メットを外し、コックピットの座席から立つ。

 そのまま開かれたコックピットハッチから外へと出て、ヨシノリは機体から降りた。


「ユリ少尉、ノア軍曹、手を貸します?」

「大丈夫だよっと! ユリ少尉はどうです?」

「な、なんとか! よ、よいせっと!」


 ヨシノリに続いてノアも機体から降りて、ユリも危なげながら機体から降りる。


「ナイス着地」

「お怪我は?」

「そんなに心配しなくても、この通り大丈夫です」


 三人全員が無事に機体から降りた。


「フォックス小隊、帰還報告を頼む。その機体のことも全て聞かせてくれ」


 ブラボー小隊の隊長を筆頭に他の小隊長たちが帰還報告を聞きに来た。

 三人は目を合わせ、口に出さなくても全て話すことを決める。


「はい、全て話します。私たちが辿って来た道、見てきた全てを」


 この戦争の真実。隠れた裏のこと。

 三人は話していく。

 ハイロウ要塞で起こったこと。現体制派と反乱軍の戦争の裏に隠れた真実。

 軌道エレベーターでのこと。計画阻止のために地球本部に事態の鎮静化を要請し、本部から約束された艦隊と部隊の『ヘキサ』派遣。

 プランヴェル軍との接触。プランヴェル軍の母艦からの脱出と敵機体の鹵獲。


「プランヴェルはこの計画の発案者です。今はプランヴェルと計画の関係は切り離されていますが、自身の計画奪還のために人類連合軍の中にプランヴェルが忍び込んでいる可能性は極めて高いです」


 そこにプランヴェルの記憶を覗いたヨシノリだけが知っている真実が加わる。


「それは本当か?」


 ヨシノリ以外は知らない情報。すぐにノアは確認する。


「はい、軍曹。プランヴェルと一対一で話した時に確かに見ました」


 冗談をヨシノリは言わない。


「ヨシノリ君、計画を発案したプランヴェルの目的は分かりますか?」


 そこからユリが核心に迫る質問をした。


「プランヴェルの目的はこの世界の神になることです。そのために計画の中心にいる俺を略奪、俺の力を量産して軍隊を作り、人類社会を破壊。全ての人類を隷属(れいぞく)させる社会へと作り直すつもりです」


 質問に答える。

 しかし語った真実はあまりに壮大で冗談のように聞こえてくる。

 これにはブラボー小隊の隊長が呆れて口を開き始める。


「……待ってくれ、話が飛躍している。人類連合軍の分裂が良く分からん計画で意図的に引き起こしされただとか、プランヴェル軍がこの世の神になろうとしているだとか、気でも狂ったとしか思えない」


 ブラボー小隊の隊長が言うのは三人の話に疑いを持つ言葉。

 三人がどれだけ真実を語ろうと、周りには信じてもらえない。

 三人娘でさえも「ユリ隊長の言ってること本当かな?」と半信半疑でいる。


「私たちの気は狂っていません。先ほど言ったこと全てが真実です」


 だから周りに真実を信じさせるため、ユリは前に出て説得を始める。


「この戦争、今までおかしいと思いませんでしたか? プランヴェルと繋がっていた現体制派を正すという正義の旗を掲げた反乱軍が、どうして民間人も無差別に処刑するという野蛮な行為をしたのか」

「言われてみれば……」

「違和感の心当たりは少なからずあるはずです。それを私たちが語った真実と重ねてみてください」


 ユリの言葉に乗せられて、周りは違和感のあったことを思い出していく。

 反乱軍の不可解な方針。まるで憎まれることを進んでやっている。


「どうですか? 見事に反乱軍は憎き悪役になっているとは思いませんか?」


 賛同しなければ殺す、そういう狂気的な正義を抱えた悪役になっている。

 蝦夷基周辺の街で反乱軍と戦った兵士たちには心当たりがあった。


「確かにそうだな」


 誰も反論は出来ず、ブラボー小隊の隊長は心当たりがあることを思わず認める。


「仮に君たちの話したことが全て本当なら、我々はどうすればいい?」


 そして次に出てくるのはこれから先の指針。

 敵は外側にも内側にもいる。身の振り方次第では全てを敵に回す可能性がある。


「考えはあります。現体制派と反乱軍から有志連合を結成、地球本部から派遣されてくる正規軍と共に戦うんです」


 ユリはこれからの指針を示す。


「有志連合だと? 敵と手を組むのか?」

「敵は同じ人間です。反乱軍の野蛮な行為に反対する人もいるはずですから、きっと何人かは有志連合に合流してくれることでしょう」


「……敵も同じ人の心を持った人間、か……盲点だったな」


 賛同しなければ誰でも殺す。それは反乱軍の方針であり、反乱軍に属する人間の全てが望んでいることではない。


「ユリ少尉。君と部下の証言、そして君が示した指針を信じてみようと思う。他の連中はどうだ?」


 三人が話したこと、ユリが示した指針、ブラボー小隊の隊長は信じることにした。


「スケールバカ大きい話だけど、私たちも信じるよ! ユリ隊長!」


 三人娘もユリを信じる。それに続いて他の小隊の隊長も兵士もユリを信じていく。


「ありがとうございます。では早速『ヘキサ』にいる全ての人間に呼びかけてみます」


 ユリの次の行動は世界に呼び掛けること。


「呼び掛けるなら通信設備が必要だろう。こっちだ」


 ブラボー小隊の隊長の案内。


「ヨシノリ君も来てください」

「俺もですか?」


 ユリ一人では行かず、ヨシノリの手を握る。


「えっと、呼び掛ける時に緊張しちゃうと思うので、一緒にいてくれれば……なんて」

「分かりました。喜んでお供しますよ」


 そしてヨシノリはユリの手を握り返す。

 繋いだ手。ノアに「青春だな」と見送られながら二人一緒に通信室に向かう。

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