Happy Ending 幸せのその先にあるもの
るんるんるん~
雪の中で
道の端にある雪をふみしめて、私はある場所へ向かうんだ!
私の名前?私はシロ。紫露って書いてシロ。
珍しい名前だけど、私はすごく気に入っているの。
なんでだろう、なんか懐かしい気持ちもするから、かな?
今日で私は16歳、誕生日の日は毎年恒例の、神社にお参り。雪道を歩いていくと、見えてくる、みんなが知らないようなすっごく小さな神社なんだけど。
その神社の前にいるのは…
「くーちゃん!」
幼馴染の空也、通称くーちゃん。
背がまだちょっと小さい、でも頼りになるくーちゃん。
いつかお前をこしてやる、そういうくーちゃんが……
私は空也が好きなの。
今日こそは、好きって、言うんだ。
なんで今日なのかって?わかんないんだ、私も。
だって、心が、なんだろう、もっとその奥にある何かがずっと言ってるの。
誰なのか分からないけれど。
【好きな人には、言えるときに好きって言って】……ってね。
境内に入ってお参りして 私は白麻って書かれた石の前にシーチキンの缶を置いてお祈りをする。この白麻っていう猫の神様は、恋の成就を助けてくれるって聞いたから!
「空也!」
「ん?なんだ」
「今日は、一緒に来てくれてありがと」
「ま、お前の誕生日だしな、おめでとう」
頭の中で、不意に猫の鳴き声のようなモノが聞こえた。
私、猫なんて飼ってないけどなぁ……
もしかしたら、この、白麻様って言う神様の声かな。
私は拳をしっかり握りしめて、息を大きくすって……
「あのね」
「おう」
「私、くーちゃんが好き!!!」
前世では叶わなかった想い。
私は救われない物語を描くのが大嫌いなのです。
だから今回もこうして、何カ月もたったある日、思い切ってこのお話を投げ込んでみます。
どうか皆さま、思っていること、伝えたい事を伝えることにちゅうちょせず、どうか、幸せな日々を過ごして下さい。