うすらい
掲載日:2026/02/20
凍える指に当たるのは
ポケットに隠してある
丸くなった練り消し
吐き出した白い息が窓の向こうへ
2月の風が
迷子になって
少しだけ立ち止まる
そんな夕暮れ時
カレンダーの数字は足早に
「さよなら」を急いでいるみたい
ショーウィンドウに並んだ
チョコレートの甘さに
頬を赤らめてしまう
薄氷を渡るように
恋はまだ脆くて
溶けてしまいそうな
2月の約束
春の気配を待ち
凍てついた街角を曲がり
最期の寒さをこの身で受ける
冷めたコーヒーを飲み干して
「またね」と言った声が
小さく遠のく
街灯がひとつ
明かりを灯す
マリーゴールドの夢は
まだ見れそうにない
指きりした場所は
凍りついて
違う理由を探す
手紙は書けない
明日になれば
また綴れそうかな
薄氷を渡るように
恋はまだ脆くて
溶けてしまいそうな
2月の約束
春の気配を待ち
凍てついた街角を曲がり
最期の寒さをこの身で受ける
あと少しだけ
もう少しだけ
眠っていて
冬が完全に終わる
その日まで全部
白く染めてしまえばいい




