プロローグ
「すごぉーい!」
「えぇええええええええええええ、なんで!?」
「信じられなーい!!」
もうほんとばかばかしい毎日だった、毎回毎回おんなじような--引いたカードを当てるだけ、コインや小物とかが
消えるだけ、移動するだけ、輪ゴムやタバコが貫通する、切ったと思ったロープがつながってた、結び目ができた
と思ったら消えてた、ルービックキューブが一瞬で揃う……だからなんだよ?
くっそしょーもない何の役にも立たないことをさももったいつけて格好つけてドヤ顔するバカな貴族の相手を
してきた。もう我慢の限界、笑顔を作るのももう無理。
そう思っていた時だった。
「お前ぶっちゃけ俺のマジックすごいと心の底から思ってないだろ? 俺にはちゃんとわかってんだぞ!」
「そ、そんなことないよぅ……(当たり前だろ、そう思えるやつなんて世界中探してもいねーよ)」
「もういい、お前との婚約は解消だ。俺のことを本当に理解してくれる相手はほかにいくらでもいるから
出てけ!」
は? いるわけねーだろナルシストが調子乗んなよボケ! その場でボコボコにしたかったが今後のことを考え
てそこはぐっと我慢した。だが怒りが収まったわけではないのだ、思い出すたびに殺意が止まらない、あの野郎
だけは絶対許せねぇ、調子こいて私を振ったことを後悔させてやるのだ、そうやつの命よりも大事だと
思っているものを弄ぶことによって……




