一方通行 1
鏡に映る自分の姿が日を追うごとに変わって行く。自分の姿は何も変わってないのに、鏡の中のめあちだけが変わって行く。黒い髪も徐々に白くなっていき、今じゃ真っ白になっちゃった。
「なんだろう………これ?」
「鏡とにらめっこか? 暇そうで良いな」
「サク。鏡の中のめあちが変なの」
「ホントだ。そのうち翼とか生えて来るなじゃね?」
こんなに焦ってるのはめあちだけなのかな? サクは全然冷静だし、変なのはめあちの方なのかな? これって普通のことなのかな?
「まぁ良いんじゃね? どんな姿形でもめあちはめあちだろ? それで良いんじゃね?」
「う~ん……それもそうだね!」
これ以上変わることも無いだろうし、気にし過ぎるのも良くないよね。今はめあちのやるべこことを一生懸命にやらなきゃ。
「う~ん…………?」
気にし過ぎは良くないって分かってても気になる。なんか猫耳? とか尻尾とかも生えて来てる。現実のめあちには生えてないのに。なんでだろう? めあちは何になっちゃうんだろう? 天使になりたいと願ったのに、これじゃ猫? になっちゃうよ。
「まぁ。良いかぁ。良いのかなぁ?」
落ちない腑を無理やり落とす。よしっ! 無理やりだけど腑に落ちた! 無理やり押さえつけた腑が、水面に押し込んだビートバンの勢いで浮上して来た。
「良くないよ! なんでっ!? お耳生えてるの変だよ!」
両手で耳を押さえようとしても、現実のめあちには生えてないから押さえられない。尻尾も耳もめあちの焦りとか思いが反映されてる。
「サクっ! やっぱりめあち変だよ!」
「元からだろ? 気にし過ぎだって」
「これじゃ天使じゃなくて猫になっちゃうよ!」
「う~ん……まぁ良いでしょう!」
心底面倒くさそうな感情を偽りの笑みで誤魔化してる。文字通り貼り付けたような笑顔だ。
「じゃっ!」
目にも止まらない速さでどこかへ走り去ってしまった。どうしよう。ううん。今くらいはめあちも自分の問題に目を向けてみよう。今までして来なかったけど、丁度良い機会だし。




